prologue
初投稿です。
文章にすると自分の頭の中にしか無かった話が動き出すようでドキドキしますね。
拙い部分は多々あると思いますが、お楽しみ頂けると幸いです。
あと、年齢の計算を間違えていましたので直しました。
むかしむかし、アルバディアという小さな国で、
それはそれは可愛らしいお姫様が生まれました。
上質な蜂蜜のような色の黄金の髪に、宝石のように澄んだピンクの瞳。
まるで愛らしい砂糖菓子が動き出したかのようだと、優しい両親と国民達に愛されて育ちました。
お姫様の両親である国王様とお妃様は、身分に分け隔てなく接する優しい名君と評判で、お姫様が庭師や女中や街の子供達と泥んこになって遊ぶのを、いつも微笑ましく見守っていました。
お姫様は、
女中に混じって使用人用通路を駆け抜けたり、
父王の狩りにコッソリついて行って叱られたり、
街の子供達に混ざって隠れんぼや鬼ごっこをしたり、
果ては戦ごっこで総大将を務めたり、
逞し……いえ、多少お転婆が過ぎるものの、健やかに、優しく成長していきました。
しかし、そんな幸せは唐突に終わりを告げました。
急な病に罹り、両親が他界してしまったのです。
7歳になったばかりのお姫様には衝撃が強過ぎて、泣く事も出来ずに小さな拳を握り締めて耐える事しか出来ませんでした。
そんなお姫様のもとに隣国に嫁いでいた母の妹ーーお姫様にとっては叔母ーーが夫である隣国の伯爵と共にやって来ました。
隣国の伯爵に見初められただけあって、綺麗な人だと皆は言います。
ゴテゴテと装飾が着いたドレスと沢山の宝石。
キツく香る香水とケバケバしい化粧。
会う時は何時も「相変わらず田舎で何もない国ね」とこの国を、馬鹿にしました。
片手で数える程しか会った事はありませんが、お姫様はあまり叔母の事は好きにはなれませんでした。
お姫様は母の飾らない美しさが好きでしたし、自然豊かで優しい皆の住むこの国が大好きでしたので。
唐突にやって来た叔母夫妻は、「貴女はまだ小さいから」という建前のもと、お姫様から様々な物を奪っていきました。
仲の良い女中や庭師は辞めさせられ、
国を想う忠臣達は濡れ衣を着せられたり、財産を没取されたりして要職にいられなくなり、
お姫様を助けようとする者は税を重くさせられました。
いつの間にか、お姫様の周りには叔母達が連れてきた伯爵家ゆかりの者か、お姫様を貶め叔母達におべっかを使う者しかいなくなってしまいました。
そうして一年も経つ頃には、国の実権は叔母夫妻にすっかり握られてしまいました。
権力を持った叔母夫妻は、その地位を確かな物にするにあたって、姫様が本格的に邪魔になって来ました。
しかし、この国における故国王夫妻とお姫様の人気は未だ高く、堂々と殺害する訳にはいきません。
そこで、国の奥地にある森へお姫様を置いてくることにしました。
そこは恐ろしい魔獣の住む山の麓にある広大な森林で、魔物の巣と呼ばれていました。珍しい薬草や木の実を求めて稀にに入る人はいるのですが、無事に帰った者はいないと言われています。
幼い女の子など、言うまでもありません。
叔母夫妻は、お姫様に
「そろそろ姉夫婦が無くなって一年が経つわ。喪に服すのは辞めて、天の国の姉夫婦と国の皆に、元気な貴女を見せてあげてはどうかしら?」
とお姫様を連れ出して、その道中で馬車ごと森の中へ置き去りにしました。御丁寧に御者は馬に乗って帰って行ったので、馬車ではなくただの箱にお姫様は取り残されました。
薄暗い木々の奥からは、魔物の声とも風の音とも分からない不気味な唸り声のようなものが聴こえてきます。
そうして、お姫様の行方を知る者は誰もいなくなりました。
大まかな道筋はあるのですが、何度も書いたり消したりするせいで中々進みません(汗)
なるべく早くアップ出来るよう頑張ります。
文章化って難しいですね…。