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0話〔一つ前の世界のお話〕

今ではいつかの出来事であり、誰の記憶にも残されていない。数多の国を巻き込んだ最大規模の核戦争は、実に下らないものだった。


最初にアメリカとロシアが戦争を始めた。手加減など存在せず、当時の科学力すべてをつぎ込み互いに殺しあった。そんな戦争の中で一番起用されたのはやはり核兵器で、両国の人民や国土はみるみる縮んでいき、やがて無になった。その言葉通り、何も残らなかったのである。他国は唖然とした。こんなに簡単に、愚かな戦争がすぐ近くで起こっていることに驚愕した。しかし、一度切って落とされた戦いの火蓋はもう誰にも止めることなど出来やしない。悲しき人間のさがかな、思えばすべての国が戦争を引き継いだ。

どんどん殺し合いは発展していき、国力をすべて戦争にかけて争った。悪化していく争いはもう止まることなど無く、それからたった一年後のことである。世界はすべて消滅した。勝者も敗者も何も無い。ただの何も無い空間へと地球は変化した。


終わりは始まり。空間は消滅した瞬間に生まれ変わった。そこにはさっきまでの超文明や高層ビルなんかの姿は何も見えず、一言であらわすならば原始的といったところだろう。そして、どうやら世界は三つに分裂したようだ。

一つは、天地開闢の刻からそこにいた神族しんぞくと呼ばれる生物が住んでいる空間。

一つは、時の流れにより生み出された鬼や、悪魔などの悪鬼あっきが生息する空間。

一つは、言うならば一般人が生息している。ただの人間だが、文明開化の術は誰よりも優れている。

神族と悪鬼は互いを知っているが、人間は両方を知らず、両者達からも知られていない。

しかし、人あるところに戦争必然、悲劇はまた繰り返される。

神族と悪鬼はもはや運命だ。遺伝子が殺しあうように作られているとしか思えない。

いつからか、神鬼戦争しんきせんそうと呼ばれている争いは止まることなく続いている。

人間は、人間同士で戦争し、歴史は何も変わらない。

しかし、どうだろう。いつの間にか互いの世界の存在を、すべての人間が認識していた。

神鬼戦争は激化する。三つの世界を取り込んで……。





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