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第六話

非常に遅くなってしまい、申し訳ございません。現在リアルの方が少々バタバタしており、またしばらく投稿できないかと思います。エタることだけは絶対にしませんので、どうか今後もこんな駄作者の小説を読んで頂けると幸いです。3/20迄には必ず投稿しますので、どうかご勘弁下さい。

「まあ、長話になりそうだし、こんなところじゃなんだ。リビングにでも移ろうか。紅茶かコーヒーか、どっちがいい?」

 

 そう言われ、突然の神様宣言に放心状態だった俺は我に返った。放心状態については仕方ないだろう、誰だってシリアスな雰囲気の時に、突然私は神です、などと言われては驚愕する。


それにしてもこいつ…頭が可笑しいのだろうか。いや、きっと可哀想な子に違いない、と俺の中で自称神の位置づけが決まる。こいつはちょっと頭が可哀想な、残念な美人で自称神だ。思いっきり憐れむ目で見つめてやる。


「いや、全部分かっちゃってるからね?神様心読めちゃうから。ていうか、僕別に頭可哀想な子じゃないし。美人なのは認めるけど、残念じゃないし。だからそんな憐れむ目で見つめないでよ。ちょっとほんと止めて悲しくなってくる!」


自称神(残念美人)がなにか喚いているが、無視である。さっきまでのイラつきは未だ残っているのだ。というか自分で美人言うなよ。まあ、とりあえずは。


「俺、紅茶で。」


好物でも飲んで、落ち着くとしますか。


場所を変え、これまたイメージに似つかわしくない可愛らしい薄い桃色のソファに座り、これまたむかつくほどに美味い紅茶を啜る。


「で、本題だが、俺はどうしてここに?後、ここは俺の元いた世界とは違う場所か?」


「やっと本題に入れるんだね…。じゃあ、改めまして、剣と魔法と陰謀が渦巻くこの世界…“オリヒト”へようこそ。僕はこの世界の神で…名前はたくさんあるからね、一番メジャーなの、そう、アリーズと呼んでくれ。僕たちは君を歓迎するよ、宜しく、千尋。」


さっきから何度も話が脱線するため、やっとという感じの自己紹介を聞き、自称神…アリーズに本題、この世界に関することを教えてもらう。アリーズが言うには、今回の召喚は完全にイレギュラーなものらしい。偶然にも、偶々産まれた時空の歪と勇者召喚の儀式が重なってしまったため、普通なら完成しないはずの魔方陣が完成してしまったことにより、俺たちはクラス丸ごと召喚されたそうだ。俺がこちらに来たとき一人で、一緒に召喚されたはずのクラスメートがいなかったのは、アリーズが自分より上の地位を持つ神に命令され、俺を呼び寄せた為らしい。


「ん?神って一人じゃないのか?」


「ああ、神様ってのも面倒で、担当区域みたいなものがあってね、その範囲で階級も決まる。まあ、会社みたいなものさ。因みに、私はこの星オリヒトの最高神だから、子会社の社長クラスだよ。」


… なんか生々しいな。そんな神様事情聞きたくなかったわ。


「じゃあ、何で俺だけ呼び出されたんだ?その上の地位の神様ってのは、俺に何をさせるつもりだ?」


「そんなに警戒しないでよ、神様ってのはそんなに悪いものでもないんだよ。君達日本人は、独特の宗教観を持ってるみたいだから、僕たちに警戒心を持つことも少なくないみたいだけど。」


  アリーズは微笑みながらそういった。俺はかつて、こんなに嘘くさい笑顔を見たことがない。やっぱり、こいつは嫌いだ。


「…さっさと質問に答えろ。」


「せっかちだな、君は。それに、さっきの質問、私には答えることができない。所詮僕は子会社の社長、本社の課長や、ましてやトップの考えることなんて、想像もできないよ。」


アリーズは、そんなことをにこやかにいった。こいつの笑顔は信用できないが、今は疑うにしても情報が少なすぎる。しょうがないので、次の質問に移るか。


「それじゃあ、この世界のことについてなんだが、」


気がつくと、俺は先ほどまでいた無駄に可愛い内装の居間とは一転、闇組織が使っていそうな、大きな機械のたくさんある殺伐とした地下室にいた。


「質問タイムは終了だ。僕は攻略本は嫌いなものでね、だって、どうせ楽しいゲームをするなら、何にも分かんないところから、自分で楽しみを見つけたいじゃないか。」


混乱していると、いつの間にか目の前に来たアリーズが俺の嫌いな笑顔を浮かべ、話しかけてきた。ちょっと待て、制限時間があったのかとか、お前の好みなんぞ知りたくもないとか、色々頭に浮かんではくるものの、混乱のせいで上手く頭が回らない。


「向こうに着いたら、とりあえず教会に向かってくれ。それからはシグンが教えてくれるはずさ。それじゃ、面白い人生を期待してるよ。」


ーーーバイバイ、またね。

中性的なアルトの心地よい声がだんだんと小さくなっていき、俺は足元から、つい最近に体験したのと似たような光に包まれ、その地下室から姿を消した。

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