第二話
ひとしきり(心の中で)叫び、気分もかなり落ち着いた俺は、目が覚めたときに居た謎の森を探索していた。 ・・・っていうか、何さっきまでのテンション。エクスクラメーションマーク(!←これ)多すぎだろ。ヤバい超恥ずかしい。
・・・えー、コホン。気を取り直して。
辺りを見渡せば、全体ピンクの木、終始自分で揺れ鈴のような音を響かせる花、虫がくると針状になり串刺しにする草、その他諸々・・・。
(うおう、これはもう異世界で確定だな・・・)
逆に、これで異世界でなければそれはそれで奇跡の大発見だろう。
・・・先ほどまでのかなり高いテンションは、混乱からだった。今も正直、異世界に来てしまったということが確定し、混乱していない訳ではない。だが、それを上回って、嬉しいのだ。多分、やはり顔にはいっさい出ていないであろうが、わくわくしてしまう。
そもそも、俺はただの元中二病な、男子高校生なのだ。わくわくしないはずがない。
森を探索していて、もう一つ新たな発見があった。何故か身体能力が少し・・・というか、かなり上がっているのだ。
以前も運動神経は悪く無かったものの、あくまでも平均よりちょっと上と言った所だった。それが今では、簡単にコンクリートの壁くらいなら一発で粉砕できるくらいには、身体能力が上がっている。
ちなみにこれ、先ほど調子に乗って木を殴ったことにより、ばっちり検証済みである。
「ん・・・?」
今、何かの物音がしたような?もしかして・・・人か?!
俺は音の聞こえた草陰に向かってダッシュした。探索開始約十分で第一村人発見とか、俺超運いいじゃん!!
今度は興奮でテンションがおかしくなっていた俺は、ダッシュの勢いを殺さず草陰につっこんだ。
そこに居たのは、第一村人なんかじゃなく、全身を黒い毛に覆われた、赤い目を持つ、二匹のオオカミだった。