殺したいほど好きな奴がいた。
手に入らないのならば、
他の男のモノになるのならば、
俺がいっそ殺してしまえば。
ずっと、手に入れたかった存在。
だけど、俺のモノになることはなくって。
大好きだったオモチャ。
果てしなく続く、赤い大地。
涙は枯れた。 肉体は朽ちた。
ずっと気に入らなかったんだ。
他の男とイチャイチャするお前が。
だから、俺は殺してヤッた。 大好きなお前を。
だけど、喋らないお前なんてつまらない。
笑わないお前なんて、お前らしくない。
俺はお前に怯えて欲しかったわけじゃなかったはずなのに。
大好きだったお前。
今は俺の隣で朽ちている。
その表情は何かに、俺に怯えている。
傍で感じられた温もり。 今は冷たいだけで。
夢を一緒に追うはずだった。
だけど、今は叶わない。
お前は死んでしまったから。
俺がこの手で殺してしまったから。
強く願っても帰って来ない、お前という存在。
だから、俺は後悔をしながら、
追えない夢じゃなくて、お前の後を追うことにした。