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チュートリアル  作者: 鈴木 一
Introduction : Eve
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Introduction-02


<4月中旬までにサービスを開始! 超大作VRMMORPG『Raison D'etre Online』の開発陣トップ、川邊 直人氏にインタビュー(後半)>


Gamers World.com:

 先ほどのお話の途中で、装備の祝福、という単語が出てきました。装備品について、聞かせて下さい。


川邊氏:

 装備品の性能を決める要素は、『基本性能』、『祝福値』、『スロット』、『加護』、『アイテム スキル』、『アイテム レベル』の6つです。


Gamers World.com:

 これまた沢山の要素がありますね。『基本性能』と先ほどお話しに出てきた『アイテム スキル』は分かりますが、残りが気になります。


川邊氏:

『祝福値』というのは、簡単に言ってしまえば、装備の強化度の事です。全ての装備品は、+10まで、つまり10段階の祝福、強化が可能となっています。ちなみに、祝福された装備は、『祝福値』ごとに違う色のオーラを纏うようになります。


Gamers World.com:

 MMORPG系で、広く精錬システムとして取り入れられている要素と同じようなものですね。やはり失敗もあって、失敗した場合には、装備のロストもするのでしょうか。安全圏の存在なども気になりますね。


川邊氏:

 精錬システムをレゾン・デートルの世界観に合わせて、祝福という概念に置き換えていますが、中身は同じです。(笑)

 精錬システムがそうであるように、祝福システムでも、祝福の失敗は起こりますし、祝福が失敗した場合には、装備も失われます。

 祝福の安全圏というお話ですが、これは存在します。ただ、一律で何段階までの祝福は安全、といったものではありません。祝福を行うキャラクターのパラメータによって、安全圏は変動します。理論上は、+10までの祝福を安全圏にもできますが、+10の祝福を安全に行えるユーザーさんが仮に誕生したとしても、世界で数名といった程度でしょうね。


Gamers World.com:

 なるほど。レゾン・デートルでも装備を溶かす日々が待っている訳ですね。(笑)

『スロット』というのは、これも他作品に見られるような、特殊効果を割り当てられる枠といった感じでしょうか。


川邊氏:

 そうですね。そんな感じです。『スロット』は、同じ装備品でも数や配置が異なりますので、装備品の価値を判断する際には、重要なポイントとなります。

 なお、全てのモンスターは、『クリスタル』と呼ばれるアイテムを極稀にドロップします。この『クリスタル』を『スロット』にはめ込む事によって、『クリスタル』ごとの特殊効果を装備に付与する事ができます。これが『加護』です。ちなみに、『スロット』にクリスタルをはめ込む作業は、失敗しませんのでご安心を。


Gamers World.com:

 スロット数は分かりますが、配置はあまり聞いた事がないですね。


川邊氏:

『スロット』同士は、『パス』と呼ばれる細い溝で連結されている場合があります。同じ2スロットの装備品でも、それが連結されているかいないかで、大きく価値を変える事でしょう。

 また、連結のパターンによっても、価値は変わってきます。配置、連結というのは、2スロット連結、3スロット連結……、といった単純なパターンではありません。同じ3スロット連結でも、三角形を形成した連結配置なのか、三角形の一辺を欠いた形での連結配置なのかで別物になります。ちなみに、スロット数の最大値は5ですが、5スロット連結のパターン数は、当然3スロット連結や4スロット連結のパターン数より多くなりますね。


Gamers World.com:

 スロットが連結されていると、どのようなメリットがあるのでしょうか。


川邊氏:

 連結専用のクリスタルが存在しており、クリスタルの効力を強化できます。例えば、連結された2つのスロットの片方に【攻撃力アップ10%】というクリスタルを嵌め、もう片方に【効果2倍】という連結専用クリスタルを嵌めると、攻撃力の上昇率は20%となります。スロット数、そして連結数が増えるほどにクリスタル配置『加護』の戦略性が高まりますので、色々と試してみて欲しいですね。


Gamers World.com:

 多少性能が劣る装備であっても、『スロット』の数と配置次第では、『加護』を使って十分強力な装備になり得るという事ですね。

『クリスタル』について、もう少し聞かせてもらえますか。


川邊氏:

『クリスタル』は、先ほど申し上げたように、モンスターを倒すと稀に入手できるレア アイテムで、数多くの種類があります。序盤の低級モンスターからでも、終盤まで最前線で利用できるような有益な『クリスタル』が入手できますので、売れば、初心者さんでも一攫千金は夢じゃないですよ。

 ちなみに、『クリスタル』には、『獣のクリスタル』、『精霊のクリスタル』、『悪魔のクリスタル』、『不死のクリスタル』など、いくつかの分類が存在します。分類はレアリティによる序列ではなく、倒したモンスターの種族に関連します。また、各分類の中には、さらに何種類かの『コード』と呼ばれる区分も存在しています。『コード』は、各モンスターに紐づいていて、倒したモンスターのコードに属する『クリスタル』が入手できる仕組みになっています。同じ『コード』の『クリスタル』であれば、変換も可能になっています。


Gamers World.com:

 てっきり、モンスターごとに個別の『クリスタル』が存在するものだと思っていましたが、違うみたいですね。


川邊氏:

 固有の『クリスタル』を持ったモンスターも存在しますよ。主にボス クラスのモンスターは、強力な固有の『クリスタル』を持っています。それ以外にも、意外なモンスターが固有の『クリスタル』を持っていたりしますので、様々なモンスターと根気よく戦ってみて下さい。


Gamers World.com:

 装備品の性能を決める最後の要素、『アイテム レベル』とは、一体どのようなものなのでしょうか。


川邊氏:

『アイテム レベル』とは、文字通り装備品の持つレベルの事です。一部の装備品は、キャラクターの入手した経験値に基づいて、独自に経験値を蓄積していきます。『キャラクター レベル』と同様、アイテムも一定の経験値を獲得すると、レベルが上昇して、『基本性能』を向上させることができます。また、時には『アイテム スキル』を獲得するかも知れません。

 ちなみに、成長する装備品というのは、レアリティが『伝承』か『神格』のものに限られます。


Gamers World.com:

 自分と一緒に成長していく装備品というのは、愛着が湧きそうな仕組みですね。『アイテム レベル』が成長した装備品も、取引可能なのでしょうか。


川邊氏:

 可能です。ただし、『アイテム レベル』の設定されている装備品は、その『アイテム レベル』以上の『キャラクター レベル』を持ったキャラクターしか装備する事ができません。他の装備品には、『キャラクター レベル』による装備制限はありませんが、これだけが例外です。

 また、『アイテム レベル』による『基本性能』の向上では、変化させるパラメータをプレイヤーが選べますので、既に育ってしまった装備品よりも、成長の余地が残った品が好まれる場合もあるでしょう。

 つまり、『アイテム レベル』の高い装備品が、必ずしも高額で売買されるとは限りません。


Gamers World.com:

 確かに、自分のプレイ スタイルに合わせて成長させたい、という想いは多そうですね。『アイテム レベル』の存在する貴重な品を手に入れたら、自分で使うのか、買い手が付きやすいように取っておくのか、葛藤しそうです。(笑)

 インタビューの残り時間も少なくなってきましたが、その他のシステムについても、ざっくり聞かせてもらえますか。


川邊氏:

 そうですね、『レゾン・デートル』では、他にもゲームの核となるシステムが多数存在しています。いくつかご紹介しますと、まず、組織の作成がユーザーさんの興味のある分野かと思います。


Gamers World.com:

 組織を作る、というのは、キャラクターのグレードが上がるとできる事、の中に入っていましたね。MMOでは、ギルドやクランといった、名前は様々ですが、プレイヤー同士の共同体を作れるのが当たり前になっていますが、本作では、組織という名前なのでしょうか。


川邊氏:

 いえ、ここで言う組織とは、固有名詞ではなく、あくまで一般名詞での組織です。ユーザーさんは、キャラクターの『グレード』やその他の条件によって、様々な組織を作ることが可能です。

 作成できる組織は、一般にギルドやクランと呼ばれる互助会的な組織である『ギルド』、商業活動をメインに行うための『商会』、商会と似ていますが、主に生産活動を行うための『組合』、戦争に比重を置いた『傭兵団』、探検・発掘などの冒険を補助する『学会』、少数精鋭組織である『隊』の6つです。

 これらの組織は、それぞれに特色を持っていますが、特定の組織でないと参加できないようなコンテンツは、存在しません。例えば、都市を回って交易ばかりしている『傭兵団』や、槍働きに優れた『商会』なども可能です。組織の持つ補助効果が、特定の分野での活動をサポートする、という違いがあるだけです。


Gamers World.com:

 数が多くて、どの組織に所属すればよいのか悩みそうですね……。組織の特色とは、具体的にどのようなものでしょうか。


川邊氏:

 組織にもレベルがあり、組織レベルが上がることで、所属メンバーに効果を及ぼすパッシブ スキルが獲得できます。各組織の特色の1つは、獲得できるパッシブ スキルの違いですね。あとは、所属できるメンバーの数や、その他の優遇措置が異なります。詳細は、ゲーム内で確認して下さい。

 ちなみに、今までお話ししてきた組織は、『同盟』や『連合』といった、さらに大きな組織の構成単位でもあります。2から3組織で『同盟』を組むことができ、2から3同盟で『連合』を組むことができます。つまり、最大で9組織による組織連合が作れる訳です。

『同盟』では【城】を、『連合』では【街】を支配下に置けるようになります。単体組織では、【屋敷】や【砦】を所有することができますし、組織の『専用スペース』も利用できます。【屋敷】や【砦】、【城】、【街】はマップ上の拠点となり、新規作成も可能ですが、土地の問題で有限の存在です。一方、『専用スペース』は、全ての組織で等しく利用できます。


Gamers World.com:

 ちょっと細かすぎるような気もしますね。MMOでは、プレイ スタイルごとに縛りを設けたギルドが作られる事も珍しくありませんが、システム的にその区分を作ってしまうと、自由度が低下してしまうおそれがあります。プレイヤーに多くの選択肢を提供する、という開発意図があっての事だと思いますが、本末転倒になってしまわないか心配です。


川邊氏:

 ごもっともな意見だと思います。実際、現場でもそういった声が出ていて、正直どうすべきか迷っていた部分でもあります。ここは、検討課題として調整を継続した方が良さそうですね。


Gamers World.com:

 検討している項目はオープンにして、目安箱のように一般ユーザーさんから意見を拾い上げるのも手かと思います。様々なMMO作品をプレイしてきた目の肥えたユーザーさんからの意見は、参考になるのではないでしょうか。


川邊氏:

 βテストを実施しない分、ユーザーさんとのコミュニケーションは不足するでしょうし、目安箱は採用させて頂くかも知れません。(笑)

 次も、ちょっと賛否が分かれる部分かも知れませんが、『ギフト』と『スクリプト制御』という部分をご紹介させて頂きます。この2つは、あまりプレイ時間を確保できない方のために検討していたアイデアですが、ヘヴィ プレイヤーの方々にも、大きなメリットがあると思います。


Gamers World.com:

『ギフト』というのは、贈り物ですよね。システム的にアイテムなどが支給される仕組みでしょうか。『スクリプト制御』は、マクロ的なものを思い浮かべてしまいますね。


川邊氏:

 どちらも大体そのようなものです。(笑)

『ギフト』とは、簡単に言ってしまうと、ランダムに宝箱、『ギフト』を配置するシステムの事で、『ギフト』からは、様々なアイテムが入手できます。確率はとてつもなく低いですが、『神格』のアイテムすらも入手できる可能性があります。『ギフト』が発生する場所は完全ランダムですが、発生頻度は割と高く設定していますので、是非ギフトを探してみて下さい。人跡未踏の地には、多くの『ギフト』が隠されているかも知れませんね。

『スクリプト制御』とは、ご想像の通りマクロのようなものです。『レゾン・デートル』では、専用の簡易的なスクリプト言語を用意しており、それによって、キャラクターの行動を自動制御できるようになっています。ログアウト中も、キャラクターを『スクリプト制御』で動かすことが可能です。


Gamers World.com:

『ギフト』は、一発逆転を狙える宝くじのような存在で、『スクリプト制御』は、イン時間の短さをカバーするための公式マクロ ツールのようなものですね。確かに、これならライト ユーザーもヘヴィ ユーザーも恩恵が得られそうです。ただ、ますますヘヴィ ユーザーが有利になりかねない諸刃の刃のようにも感じられます。(笑)


川邊氏:

 そうですね。ただ、こういったシステムの目的は、格差をなくす事ではなく、運と才気によって成長を加速させられる環境を提供する事にあります。当然、時間を掛ければ掛けた分だけ成長しますが、掛けた時間だけが成長を決定する、という従来のMMOの悪習を断ち切りたい、という想いがありました。

 このようなコンセプトで作られたシステムは他にもあって、戦闘もアクション要素が強くなっていますし、生産でもプレイヤー スキルが求められる仕組みを用意しています。遺跡には、難解な暗号やパズルを解かなければ得られない財宝があります。そして、そういったプレイヤー スキルを必要とする行動は、多くの経験値や実績値、スキル熟練度をもたらします。

 ただし、時間を掛けて打ち込む、というのも一種の才能ですよね。現実世界では、努力する才能とも呼ばれます。ゲームの良い所は、努力すれば努力した分だけ報われる、という事です。本作でも、当然そのようになっていますよ。キャラクターが成長すれば、システム アシストによって、超人的な動きや閃きが可能になるでしょう。


Gamers World.com:

 工夫によって、様々な効率化が図れる訳ですね。『スクリプト制御』は、ログアウト中の時間活用だけでなく、日々のプレイの中でも、効率化に役立ちそうです。

 時間も差し迫ってきましたが、最後にもう1つくらい、聞かせてもらえますか。


川邊氏:

 では、『レゾン・デートル』におけるクエスト システムについて、簡単にお話しさせて頂きます。

 本作では、予めプログラムされたクエストであるメイン クエスト、サブ クエストが多数存在しますが、それ以外に、システム側が自動生成するクエストというものがあります。ランダム クエストと呼んでいるものですが、これには2種類あって、NPCが突然依頼してくるものと、システム側から直接発生させてくるものに分かれます。前者は、大抵の場合、クエストを請け負うかユーザーさんが決定できますが、後者は、ほとんどの場合、強制的に開始されます。


Gamers World.com:

 ランダム クエスト生成は、圧倒的な処理速度を誇る『レゾン・デートル』のウリの1つでしたね。強制開始されるクエストには、どのようなものがありますか。


川邊氏:

 代表的な物ですと、開発チーム内で“運命の出会い”クエストと呼ばれている物があります。(笑)

 これは、一定範囲内に特定の条件を満たすキャラクターが複数いる場合に発生し、2人から6人が参加します。キャラクター メイキング時の性格診断や、プレイ スタイルなどを総合的に判断し、相性が良いと思われるキャラクターを、システム的に“出会わせる”クエストになっています。

 このクエストは、『絆ポイント』を大きく成長させるという特徴があります。また、クエストに参加したメンバーの『絆ポイント』増加に伴って、続きのクエストが発生します。


Gamers World.com:

 また新しい概念が出てきましたが、『絆ポイント』とは何でしょう。


川邊氏:

 一言で言うと、プレイヤー キャラクター同士の、システム的な友好度です。パーティを組んで行動したり、一緒にクエストを達成したり、チャットをするだけでも上昇します。『絆ポイント』の高いメンバーで組まれたパーティには、ボーナス効果もあります。ちなみに、NPCキャラクターとの間にも、同様の友好度システムがありますね。


Gamers World.com:

 固定パーティが推奨され、いわゆる野良パーティを組むのが難しくなりそうですね。NPCとの友好度というのも、気になります。


川邊氏:

 野良パーティについては、マッチング システムも用意していますし、そちらにもシステム的なメリットがありますので、廃れる事はないと思っています。

 特定のNPCは、人工知能技術を利用した高度な思考能力と感情表現を有し、対人と同等のコミュニケーションが可能になっています。最近のMMOのスタンダードになりつつありますよね。各NPCには、キャラクターとの友好度というパラメータが存在し、友好度が高くなればランダム クエストを依頼してきたり、【コネクション】が手に入ったりします。また、本作では、数名のNPCを仲間として連れて行けますので、言わずもがなですね。(笑)


Gamers World.com:

 興味深いシステムで、聞きたい事はまだまだ残っているのですが、時間が来てしまいました。

 最後に、『レゾン・デートル』のサービスインを心待ちにしている方々へ、簡単にメッセージをお願いできますか。


川邊氏:

『レゾン・デートル』は、単純なオンライン ゲームという概念を超えて、現実世界と同等の、全く新しい仮想世界の提供を目的とした大規模プロジェクトです。本作はきっと、今までにない、とても先進的で魅力的な体験を皆さんにご提供できるものと、自信を持っています。是非、我々の作った『レゾン・デートル』の世界へ、遊びに来て頂きたいと思います。


Gamers World.com:

 本日は、ありがとうございました。



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