1話
書きたかったものを書いているだけなので…あの…何卒ご容赦を……。
そこそこの企業に入ってそこそこの生活をしている私。
最近の悩みは、今も乗っている通勤退勤ラッシュの電車だ。ただでさえ疲れてるのに人が多い。今日は吸われただけマシか。
まあ、そんなことはあれど基本的に順風満帆な人生だと思う。
しかーし!
(癒しが足りないっっっっっっっ!!!)
とにかく愛に飢えている!!!
ドキ♡ワク♡な青春時代を送ってきたわけでもないから少女漫画を読んだとて虚しくなるだけなんだ……!
「せめて、推しがいればなぁ……」
ふと、電車に乗ってきたカップルを眺めた。
「……!?」
いや!いやいやいや!!!
(ものすんごい美男美女なんだが!?)
方やゆるふわパーマに栗色の髪。ぱっちり二重に小さな身長。天使……?こんな子に上目遣いでもされたら男子なんて一発KOだろ。私でも堕ちるわ。
そして彼氏!黒髪、高身長、イケメン!はい、終わりです。もうこれだけですべての女子が堕ちます。ああああああクールビューティーなお顔!お美しいご尊顔!ありがとうございますね!
あぁ危ない。意識が飛ぶところだった。えーと、あ、高校生カップルですかぁ。
へぇぇぇぇぇぇ?青春だねぇぇぇぇぇぇぇ?(尊)
ん?あれ、なんか話していらっしゃる?
盗み聞きはダメだよな……でも!でもっっっっっ!!
私の欲望が止められないんだ!!!
「優、今日は補習に付き合ってくれてありがとうね」
「……いや、別に……」
あぁ口数少ない系イケメン……(最高)
彼氏くんよ。ちゃんとゆるふわ姫をドア側に立たせているのね。偉いわねぇ〜。身長差は……40センチくらいか?すっぽり彼女ちゃんが隠れていて尊い。
低音ボイス×天使声最高か……?
「ひまはもう少し勉強するべき」
「うぐっ……だって、勉強って苦手なんだよね……」
「いっしょの大学行くんでしょ?」
「もちろん!それで、優とふたり暮らしするもん」
空気が美味しい。こころなしか彼氏くんの声が優しい。あー、そう。将来設計は二人でいる姿なんだねぇ?
いいですね。王道の王子×姫カプ。
「でも、そんなことより……優?」
ん?彼女ちゃん声のトーン下がった?
「……なに」
「なんか私に言うことあるよね?」
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあごクイ!?!?!?
「別に」
「右腕」
あれ、彼氏くん明らかにビクってしましたよ?
ん?というかあごクイには動揺しないんですね?つまりいつも通りってこと……
「体育で怪我、したよね?」
「……してない」
ずいっと彼女ちゃんがまた近づいて……
「ほんとは?」
美少女から出る優しめ低音Voice!いいんですか!?
「ちょっとだけ、ケガ……したかも」
「いいこ」
その笑顔と頭ポンポンは反則ですってぇぇぇぇ!
それに、彼氏さんやってほしくて屈んでますね?
『次は―――駅―――』
「あ、降りなきゃ。荷物、貸して」
「え、」
え。
「ほら、いいから。帰るよハニー?」
「ふふっ、うん」
あー……降りちゃった……。
ん?今微笑んだ?彼、甘い声で「うん」とか言いながら微笑みました?
あ、合ってるみたい。周りの方々も悶えてるわ。
えーーー。顔面兵器じゃん…………最高かよ。
「人生、捨てたもんじゃないわ……」
こうして、私の推しカプ王子(天使)×姫(王道イケメン)が誕生したのであった……。
彼女(王子)ひまわりチャン
彼氏くんはひま、と呼んでいます。
彼氏(姫)優クン
彼女さんは、優と呼び捨てにします。あのゆるふわキューティープリンスは、呼び捨てにするんです。




