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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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洋館 その2

「誰かが入っている?」

「俺が掃除に来てから誰かがこの家に入っているということだ。掃除がされている」


 私は家を見渡し、「この家がNeuraLumeが見せた家ということはわかったけど、それ以上の手がかりはないわね… これ以上見る場所はないもの」と言った。

 佐々木さんが側仕えからタブレットを受け取り叔父さんに見せた。

「この隣の建物には何がある?」


「ん? あ、これか? ガレージだ」

 ガレージにしてはデカくない? この家の半分ぐらいあるんだけど…

「見せてくれ」


「こっちだ」と叔父さんは案内する。

 ガレージ?に近づくと音がする。

 私が小声で「ねぇ、音がしない?」と言うと、叔父さんが指を口に当て「見てくる。ここにいろ」と言いガレージに近づき、ドアの隙間から中を見る。


 しばらく叔父さんが除いていると、ドアを開けて中に入る。

「え? ドア開けちゃいましたよ」

 悠人も佐々木さんも何も言わずに状況を見守っている。

 よく何も突っ込まずに状況を確認できるわね… と考えていると叔父さんが「こっちに来い」というので、私たちはガレージに近づく。

 叔父さんのそばに2人の男性がいる。

 一人は50歳ぐらいで、もう一人が30歳台かな?


 扉から中が見えたが、壁一面にサーバーラックが並んでおり、反対側の壁側に事務机?がある。

 ここで作業をしていて、叔父さんと知り合い?


「こっちが天野 彩音だ」

「ええ、知っています」と50歳ぐらいが言う。


 え? なんで知っているのよと思うが、顔には出さない。

「こちらは、なんて紹介すればいい?」

「音羽です。研究所の同僚です」


「よろしく」

「こちらは… 偽名だが佐々木さんだ」と紹介するが、佐々木さんは微笑んでいるだけだ。

 叔父さんが側仕えを紹介しようと見ると、「そちらは?」と佐々木さんが言う。


「あっ、すみません。田畑 直樹です」

「田畑さん!? 田畑さんって沖芝工業の?」


「ええ、元ですけどね…」

「もしかして、こちらは吉川 瑛二さん?」


「はい、そうです」

 なんと、捜している人が一遍に見つかったよ… ん? でここで何しているの?

「あのう、お二人はここで何をしているのでしょうか?」


 田畑さんと吉川さんが顔を見合わせると、田畑さんが仕方なさそうに俺が言うしかないのかと口を開いた。

「ベンチャー企業を運営しています」


「NeuraLume社ですよね? そして、Avatar社に光量子チップを販売するペーパーカンパニーですよね?」

「よくご存知ですよね… 事業内容は人工知能の提供と言いたいですが、泣かず飛ばずなので、現時点では光量子チップの販売店のようなものなので仕方がないですが…」


「光量子チップの販売なら沖芝工業がすればいいのに、どうしてNeuraLume社がしているのですか?」


「沖芝工業の光量子チップの在庫はすべてNeuraLume社が買い取っています。そして、販売権もNeuraLume社になりました。今後光量子チップが増産できるようになればNeuraLume社が儲かりますが、道は長いです。あっ、保管と発送は沖芝工業がしてくれます」


「だから、沖芝工業からAvatar社に発送されていたのですね。それにしても、光量子チップの在庫を買うお金がよくありましたね」

「会社を設立させて我々と共に赤字をそちらに付け替えたのでしょう。沖芝工業の口利きで融資が続いていますが、今は金利分をなんとか出せているので倒産していませんが…」


「なるほど… で、どうしてペーパーカンパニーなのですか?」

「はぁ。ペーパーカンパニーじゃないです。企業活動はしています…」


「でも、法人登記されている住所はバーチャルオフィスでしたよ」

「それは、安いからです。…はぁ。怒涛の質問ですね」


「レアモンスターに遭遇したようなものですから、気になりますよね… どうしてここで作業しているのですか?」

「ここは、天野教授にお借りしています。天野教授は言っていなかったのかな?」


「お父さんが…」

「天野教授はいらっしゃらないようですが、お元気ですか?」


「父は亡くなりました」

「え! すみません。知りませんでした」

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