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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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洋館 その1

 車に乗せられ、東京駅に到着する。

 八重洲口には叔父さんが待っていた。


「はじめまして、彩音さんの友達の佐々木です」

「友達ね…」


「時間がないので新幹線に乗りましょう。話は乗ってからにお願いします」

「あぁ」

 私たちは新幹線に乗る。 座席はグリーン車なんだけど…


「このグリーン車他の乗客がいないわね。平日だけど、おかしくない?」と呟いたら、佐々木さんが側仕えを見ると側仕えが「他の乗客は乗車をお遠慮していただきました」と言う。

 そんなことできるの?


「あんたたちは何者だ?」と叔父さんが切り出した。

「ちょっと調べているものです」


「ちょっと調べる? この1月ほど周りをうろちょろしていたのはあんた達か?」

「そうですね。調査はしていましたが、感付かれていたのは別の組織ですよ」


「じゃ、複数の組織が俺を調べていたのか?」

「そうなりますね」


 叔父さんはこれ以上話しても有用な情報が出てこないと思ったのか、私に話しかける。

「彩音、どうして仙台の家に行くことになったんだ?」

「NeuraLumeの部屋で仙台にある2階建ての洋風の家の映像を見たの。それを確かめるためよ」


「ん? よくわからんな… 詳しく話せ」

 私が話そうとすると、側仕えが「お話中、申し訳ありません、先に仙台の家の住所を教えていただけないでしょうか?」と言ったので、叔父さんが教える。


「ありがとうございます。お話はお食事をしながらでお願いします。車内ですので粗末なものでもうしわけありません」とお弁当を出してきた。


 色々な種類があるけど、いつの間に用意したの?

 私は迷ったあげく、まい泉のとんかつのサンドイッチを選択した。

 悠人はオーベルジーヌのカレー、叔父さんはつばめグリルのハンバークを選択していた。

 佐々木さんは側仕えが給餌しているの…


 私たちは叔父さんに食べながら今までの経緯を説明した。

「叔父さん、これから向かう仙台の家って誰が住んでいた家なのですか?」

「あの家は俺と彩香が育った家だ。今は俺が管理しているがな」


「じゃ、かなり前に建てられたのですね」

「築80年ほどだ」


「え? そんなに古いのですか?」

「まぁな… 彩音は家を覚えていなかったのだろ? ということは義孝の記憶をNeuraLumeが見せたのか?」


「うーん…」

「私は仙台の家を覚えていたので、彩音も記憶はあったと思います」と悠人が言う。

 その後、悠人が仙台の家での思い出を話すが、『へぇ、そんなことがあったんだぁ』という感想しか出てこないので、悠人が呆れる… ごめんなさい。


 新幹線は仙台に着き、駅を出ると東京と同じ黒いバンが止まっていた。仙台支部があるのか?

 車に乗り込むと即座に走り出す。

 住所は知っているからか、道を聞いていることもない。


 私は『ここが仙台かぁ。観光したいなぁ』と思いながら、外を眺める。

 徐々に森? 森林?になってきた。

 結構近いのね…


「もうそろそろ着くぞ」

「こんなに近かったのですね」

 叔父さんと悠人の会話を聞いて、悠人はどれだけ記憶力がいいの?と思ってしまう。


 車が止まり、降りると小道がある。

 そこを叔父さんが入っていくので、ついて行く。


 あっ。この道はNeuraLumeが見せた小道だ。

 木の感じが少し違うけど、間違いない。


 この先の明るい場所が家ね…と思い歩いていると、記憶の通りの洋風の家が建っていた。

 叔父さんが周りを見渡している。

「どうしたのですか?」

「手入れがされている」


「手入れ?」

「芝生が刈られているし、落ち葉もない」


「確かに綺麗ですね。他の親戚の方が来られたとか?」

「親戚? 親戚はいない」

 そういえば、母方の親戚って会ったことないかも…


 叔父さんは玄関が施錠されていることを確認してから、鍵で玄関を開けた。

「NeuraLumeで見たのと同じ! 広くで綺麗ね」

「広いが、記憶ではもっと広かったような気がする」


「それは、悠人が大きくなったからでしょ?」

「そうかもな」


「叔父さん、どうしたのですか?」

「誰かが入っている…」

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