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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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2回目の連行 その1

「ご気分はどうですか? 目が回るとか吐き気がするとかありませんか?」

 何がどうなっているのかと言う意味では目が回っているけど…

「はい。問題ありません…」


「どうされました?」

「あのう。少し変なことを聞いても良いでしょうか?」


「何ですか?」

「私、この部屋に入院したことがありますでしょうか?」


「そうですねぇ…」と言いながらタブレットを確認する。

「ないですね。当院へは初めてです」


「わかりました。変なことを聞いて、すみません」

「いいえ、病室は似たような感じですから、錯覚はあると思います。検査の結果ですが、異常は見つかりませんでした。その後、意識障害もないですので、本日退院ですができるだけ出歩かず安静にしてください」


「わかりました」

「気分が悪くなったり、目眩がしたら、すぐに連絡をしてください。3日間は病院から電話で状況確認の連絡をしますので、対応をお願いします」


「わかりました」


「退院については看護師が対応します」というとお医者さんは出て行った。

 お医者さんの変わり、看護師さんが入ってきた。

「着衣はこちらです。退院の手続きなどはこのタブレットで可能です。ご不明点もこのタブレットで問い合わせが可能です。よろしいでしょうか?」

「ありがとうございます。わかりました」


 私は着替えたが… 白衣じゃん。 病院で白衣って…

 あっ。携帯も財布もない…

 これでどうやって帰れって言うのよ…


 ま、とりあえず退院の手続きをする。

 入院費の部分は支払い済みになっている。誰が払ったの?

 次の画面に進むと病室のチェックで待てらしい。


 悠人に連絡したら来てくれるかな? 携帯もないのにでもどうやって連絡する?

 研究所のホームページにある連絡先に連絡するしかないか…


 ほどなくして看護師が来て設備のチェックをする。

「はい。チェック終了です。館内案内が不要でしたら、タブレットを回収します。何かご質問がありますか?」

 私はタブレットを看護師に返しながら、「私、携帯を持たずに入院したので、知り合いへの連絡方法がないのですが、どうすればいいでしょうか?」と質問した。


「旦那様なら、待合室でお待ちですよ」

「旦那様?」


「あれ?違うのですか? 案内しますね」

「はい…」


 私は看護師さんの後を歩く…

「あの部屋です」

「ありがとうございます」


 待合室には、悠人がいた。悠人を旦那様だと勘違いしたのね…

「悠人、来てくれたのね」

「退院できるのだから、問題はないんだろうけど… 大丈夫か?」


「大丈夫よ。それより、看護師さんが悠人を旦那様って勘違いしていたわ」

「そんなことより、出るぞ」


「そんなことって…」と文句を言いかけたが、悠人が私の手を引っ張る。

 エレベータで待つ間も手を離してくれない。

 入院患者さんが白衣の女医と男性が手を繋いでいるのを生暖かい目で見ている…


「あのう、悠人」と言った時にエレベータが到着して乗り込む。

 エレベータが1階についた。

 1階は多くの人がいる。

 かなり大きな病院なのね… 私は悠人に引っ張られながら、どこなんだろう?と考える。


 玄関の自動扉が開くと、左右からスーツの男性が現れ「こちらに」と言う。

 目の前には黒のバンがある…

 既視感があるわねぇ。


『嫌です。帰りたいです』と言っても聞いてくれないよねぇ。

 逆らってもどうにもならない感じなので、悠人と車に乗る。

 さっきまでは悠人が手を繋いでいるので少し恥ずかしかったけど、今は少し安心している。

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