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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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不思議の国の私 その5

 ん? 目の前にARグラスをつけた悠人?

 ちょっと近いよ!


 え! 私、悠人にキスで起こせって言ったわよね。

 目の前に悠人が居ると言うことはキスしたの!?

 私は軽く目眩がした。


「彩音! また意識を失うのか!? 大丈夫か!?」

 うるさいわね。それどころじゃないわよ。ちょっと整理させて。


「どこか痛いのか?」

「あー! うるさいわよ」


「よかった。起きたな」

 悠人が私を抱きしめた。

「え? 悠人! ちょっと!」と言うと、悠人は抱きしめる力を緩めてくれたので、私は悠人との間に手を入れて押すがあまり離れない。


「どうして離れてくれないの?」

「彩音が倒れていたから、思わず抱き起こして救急連絡をしたけど、そのまま動かすなと言われたから、体勢を維持している」


 私は冷静に体の位置を確認した。

 私の頭を悠人の左手で支えていて、私が寒くないように悠人の白衣をかけてくれているのかな?


「ありがとう」

「救急隊がもう直ぐ来るはずだ」


 キスのことを確認しておかなきゃ。

「えっと、悠人。私に…」と言いかけたら…

「こちらです」と廊下?の方から声が聞こえたら、扉が開かれ、複数のバタバタと靴音近づいてくる。


「こちらです!」と悠人が言うと、救急隊員が入ってきた。

「大丈夫ですか?」


「あっ。はい」

「先ほど、目を覚ましました。できるだけ動かさないようにしています」


「わかりました。ここがどこかわかりますか? 自分の名前を言えますか?」

 ん? そういえば、ここはどこ?

 周りを見ると、NeuraLumeの部屋か…


「ここは研究室です。私は天野 彩音です」と答えている間に救急隊員は脈を確認している。

「意識はあり、状況確認もできているようですね」


「はい」と言っておきあがろうとしたら、「まだ動かないでください」と肩を押された。

「頭を打っている可能性がありますので、ストレッチャーで搬送します」

「わかりました」となぜか悠人が答える。


 fMRIを外そうと頭に手を伸ばすと、救急隊員に静止された。

 うーん。面倒ねぇ。勝手にしてと身を任せた。

 そして、ストレッチャーに乗せられ救急車で運ばれる。

 救急車には悠人が同乗しているが、話ができる感じじゃない。


 話ができないなら、ちょっと考えを整理するか。

 えっと… 私は病院でNeuraLumeの世界に入ったはずよね。

 でも、さっき起きた場所はNeuraLumeの部屋だったよね。

 どっちが正しいの?

 そもそも、今はNeuraLumeの世界じゃない前提に立っているけど、正しいの?

 なぜか、キスは本当のような気がする。

 救急車に同乗している悠人を見る…


「どうした?」

「なんでもない…」と首を横に振ろうとすると、「あまり動かないでください」と救急隊員に叱られた。


 ん? 体が普通に動く? 体を起こそうとした時もfMRIを取ろうと腕を上げた時も普通だったわよね? 私は手を開いたり、閉じたりしてみたが普通だ。これって、筋力が落ちていないよね。


 私は20日ほど寝ていて筋力が落ちていたはずだけど…

 ということは、病院で起きたと言うこと自体がNeuraLumeの中だったということかな?

 うーん。筋力が落ちて大変だった感覚は鮮明なのよねぇ。


 ちょっとまって。NeuraLumeの中に入ったと思ったことが夢というか意識を失っていた間の妄想?の可能性もあるわね。


 あーでもない、こーでもないと考えているうちに病院に到着した。

 病院では、CT検査などをされ、お医者さんには「経過確認で入院」と言われ、車椅子で病室に運ばれた。


 あっ。この部屋はあの病院の部屋のような気がする。

 お医者さんは違ったから気のせいだよねっと思っていたが、次の日に現れたのは記憶にあるお医者さんだった。

 何が何かわからん!

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