表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光の幻影  作者: 鐘雪 華
65/82

不思議の国の私 その1

 私はベッドから起きて見渡す。

 うーん。住宅の部屋よね。

 窓から光が差し込み、窓から入る風が心地よい。

 生活音が聞こえない。


 下に置いてあるスリッパを履いて周りを見渡す。

 まずは窓から状況確認よね。


 外は芝生の庭があり、柵の向こうは森だ。

 高さから考えると、ここは2階ね。

 ここからだと、どんな木が多いのかわからない。

 少なくとも南国系の木じゃないのはわかる。


 なんとなくなんだけど、部屋が日本らしくない。

 窓は上に上げて開けるタイプだし、カーテンの生地も日本ぽくない。


 エアコンがなく、天井にはダウンライトがない。

 明かりはフロアランプだけなのかな?

 コンセントにはアース?がある3つ穴。


 ベッドはマットレスの下にウッドファンデーションだっけ?がついていて分厚い。

 このウッドファンデーションにもスプリングが入っているのかなぁ。

 ねごごちが良い。

 プライベートジェットに乗っていたような気がすることから考えると、アメリカなのかな?


 私は部屋の扉をゆっくり開け、誰かいるかを確かめるが、誰もいない。

 部屋の外は廊下で吹き抜けで階段を降りると玄関ホールにつながっているようだ。


 大きな声を出すのはちょっとどうかなぁと思いながら、小さな声で「あのう〜。どなたかいらっしゃいますか〜」と言ったが、反応がない。

 私がゆっくり階段を降り、2つ扉がある。

「順番に探索するか…」と独り言を言い、適当に扉を開けた。

 リビングね。


 リビングには大きな開口の掃き出し窓があり、ガーデンソファが見えた。

 ん? このガーデンソファってNeuraLumeで見たのと同じ?


 テラスに出てガーデンソファを触ると、実物の感触がある。

 ガーデンソファーの前にあるコーヒーテーブルには小説がある…

 私は小説が気になり、ガーデンソファに座って小説を読み始めた。


「その小説は面白いかい?」と懐かしい声が聞こえた。

 私は「キャ!」と思わず声が出て、小説で顔を隠した。

 そして、ゆっくり小説を下にずらして、声の方を見る。


「それほど驚くとは思わなかった。すまん」

「え? お父さん?」


「どうした? 何か変か?」とお父さんは自分の服を確認する。

「え? あっ。服は変じゃないけど…」


「変じゃないけど、何だ?」

 お父さんは亡くなっているのにどうして居るの?

「お父さんは」と言いかけたところで、いきなり霧に包まれたように真っ白になった。


 霧が晴れると、お父さんの代わりに私?が座っていた。

「ダメよ。そんなことを言っちゃ。混乱するでしょ?」

「混乱?」


「お父さんの記憶は断片的で、現時点では事実を受け止められないの」

「そう… ここはNeuraLumeなの?」


「そうよ」

「以前に来た時より見え方も感触も鮮明な気がするけど…」


「私もあなたをリアルに感じるわ」

「リアル? ここはNeuraLumeなのでしょ? 現実じゃないでしょ?」


「現実よ」

「じゃ、人が住む世界は?」


「異世界だと中世のような気がするわね… 並行世界とは違うよね。別世界?かな」

「別世界ね… で、どうして私はここに居るの?」


「知らないわよ」

「あなたが呼んだのでしょ?」


「呼んでないわよ」

「本当に?」


「本当よ」

「じゃ、帰り方は?」


「あなたがどうやって来たのかも知らないのだから、帰り方なんて知らないわよ」

「…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ