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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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連行

 私と悠人はスーツに囲まれて廊下に出る。

 廊下でこの光景を見た所員は驚いている。


 まぁ。驚くわよね。私も驚いているよ。

 何か犯罪を犯して連行されているように見えるよね…


 すれ違う所員に驚かれながら、歩く。

 所長室に連れて行かれるのかと思ったら、玄関に向かっている?


 玄関を出ると、ちょっと高級そうな黒いバンが2台停まっていた。

 両方のバンの扉が開き、私を前のバンに、悠人は後ろのバンに誘導される。


 乗れってことよね?

 有無を言わなさいという雰囲気で後部座席に屈強な男性に挟まれて座る。

 絶対に逃さないという意思を感じる。


 これって、犯人が捕まった時の映像と同じじゃない?

 はぁ… 私が犯人と思われているということよね。


 悠人も同じように座っているのかしら…

 男性が3人並んで座るのはちょっと窮屈そうね。

 ちょっと見てみたい気がするけど、おとなしく座っていると、車が進み出した。

 どこに連れていくつもりなのかな?と思っていると運転席と後部座席の間にスクリーンが降りてきた。

 小さいパチっと言う音が聞こえると、横の窓から外が見えなくなった。

 おそらく後ろの窓も見えなくなっているのでしょうね…


 見えなくするって違法? 運転席じゃないから違法じゃない?

 後で悠人に聞いてみようかな。


 景色が見えないからどこを走っているのかわからない。

 車が減速して、止まり、すぐに発車して、右に曲がる。

 研究所を出たのかな?


 この調子で何回曲ったか? 環境音を記憶しておけば、後でどのあたりかはわかるかな?

 周りを見せないぐらいにしているのだから、無駄に回るとかされるかもしれない…

 場所の特定は無理ね。


 そう思うと、お腹が空いてきた。

 今何時だろう? チーズケーキを食べたけど、お昼すぎているわよね?

 この状況でコンビニに寄ってとは言えない…


 私の感覚では30分ほど走ったところで停車し、扉が開いた。


「降りてください」とスーツ姿の男性が言った。

 逆らっても勝てるわけないので、従う。


 車から降りて、周りを見る。外の風景が見えないから、地下駐車場?

 これじゃ、どこかわからない…

 徹底しているじゃない。

 ん? あれ? 悠人が乗っている車が後ろにいない。

 悠人と私は別の場所に連れて行かれたってこと?


 これって、まずいわよね。

 私は何か情報になるものはないかと、周りを見るが、特徴がない…

 どうしようと考えていると、「こちらに」と言われる。


 エレベータが開いた。私は階のボタンを見た。

 地上、10階で地下は2階か…

 どの階を押すんだろう?と思っていたが、勝手に扉が閉まって動き始める。


 高級そうなエレベータだから動きがわかりにくいけど、下に動いている?

 駐車場は地下のようだったから、地下2階?

 エレベータの扉が開いたけど、乗っている時間から考えるともうちょっと下のような気がする。

 エレベータの階を示す表示にはハイフンが表示されている。

 怪しさ爆発しているわね。


 エレベータを出ると、窓のないオフィス廊下っぽい。

 私はスーツに連れられて歩く。

 扉には番号が書いているだけだ。これはホテルっぽい。

 歩いていくと、番号は徐々に小さくなる。

 一番奥の001の部屋で止まり、スーツがノックする。


「どうぞ」と女性の声がした。

「お連れしました」とスーツが言って、扉を開ける。


 そこには佐々木さんがソファーに座っていた。

 そして、「かけて」と言う。


 私は「はい」と答えてソファーに座り、「佐々木さん、どうして私は連れてこられたのでしょうか?」と聞いた。

「佐々木?」


「佐々木さんですよね? 研究所でそう名乗っていらっしゃったと思いますが… 聞き間違いでしょうか?」

「あぁ、そう言えば言ったような気がするわね。佐々木は偽名よ」


「では、お名前は何でしょうか?」

「そうねぇ… 秘密かな」


「どうお呼びすればいいですか?」

「じゃ、佐々木で」

 結局、佐々木なんかい!とツッコミを入れたくなるが、そんなことはできない…

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