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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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報告 その1

 どこから音が聞こえていたんだろう?

 私はベンチの周りを見て、ベンチの下をのき込んだ時、公園に来た人が大丈夫かな?という感じでちらっとこちらを見た。


 え? 不審者に見えたかな? 私はニコッと微笑み、荷物をまとめて公園を出た。


 どういう仕組み?と思いながら研究室に戻ると、研究室の前には悠人が待っていた。

「どうしたの?」と私が言うと、悠人は来いというように手を動かしたのでついていく。

 悠人は悠人の研究室に入ったので、研究室に入った。


「どうしたの?」

「彩音が外を歩いているのがその窓から見えたんだ。どこに行っていたんだ?」


 私はバッグから葵さんのメモを見せた。

 悠人は難しい顔になり、「ここに行ったのか?」と言った。


「そうよ」

「居たのか?」


「居たのかなぁ?」

「どういうことだ? 一から説明しろ」


 私は悠人に順番に説明していると、録音している話をした。

「先に録音を聞かせろ」

「わかったわ」


 私は録音を再生したが、私の声だけだ…

「あれ? 私の声だけ?」

「会話の内容から、指向性スピーカーだろうな」


「でも、前を向いた時に右耳にだけ聞こえるのよ」

「超音波スピーカーの一種かもな。それより、これじゃ居たのか居なかったのはわからんな。どうする?」


「どうするって、報告の義務はあるかなぁ」

「そうだな。じゃ、速い方がいいな」


「そうね… 誰が適当かなぁ。法務部? 所長?」

「所長にしておけ」


「そうね…」

 私は退所したメンバについてご報告したいことがある旨のメールを所長に送付した。


「送付したわ。近日中に呼び出しがあるかな?」と言った途端、携帯が鳴った。

 電話番号は4桁… ということは、所内からの電話ね。


「はい、天野です」

「私だ」

 私? えっと、所長っぽいし、タイミングから考えると所長だよね?


「はい。先ほどご連絡した内容でしょうか?」

「そうだ。今から001会議室に来い」


「わかりました。すぐに参ります」

 電話を切ると、悠人が「所長か?」と聞いてきた。

「たぶん」

「たぶん?」


「電話だと、わかりにくいじゃない?」

「電話番号は?」

 私は着信番号を見せた。


「所長だな… 速く行った方がいいな」

「そうね。行ってくるね」


 研究所の会議室は番号で何階の会議室かわかるようにナンバリングされているが、0から始まる会議室は部外の人間との対応の会議室だ。

 私は急いで001会議室に向かい、ノックした。

「入れ」と声がした。


 私は「失礼します」と言ってドアを開けた。え? 何この人数? 10人ぐらいいるじゃん。

 しかも、研究所では見たことない人が多いのですけどぉと思いながら、扉を閉めた。


「天野教授、退所したメンバの話をしてくれるか?」

 この人たちの前で喋っていいということはこの人たちは何者なの?


 私はトイレで受け取った紙を取り出し、机に置いた。

「これは、トイレで人にぶつかられた時に渡されたメモです」

 端に立っていた人がメモを取り、所長の前に置いた。


「そのトイレの人物は上原 葵だったのか?」

「後ろからぶつかられたので、顔を見ていません」


「そうか。で、このメモの場所に行ったのか?」

「はい。一応警戒して、携帯ですぐに通報できる準備と、ボイスレコーダーをセットしました」


「ほう。音声を聞かせろ」

「はい。完全には録音できていませんでした」


「とりあえず聞かせろ」

 私は再生した。

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