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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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消えた二人 その4

 悠人はジャケットの内胸ポケットから緑が点灯している盗聴検出器を出した。


「え! 悠人も持っていたのね。じゃ、私の盗聴検出器で確認なんて意味ないじゃない!」

「待てよ。彩音の研究室で、俺は俺の盗聴検出器の動作を確認していたんだ。俺の盗聴検出器は彩音の盗聴検出器のような点滅はしていなかった。俺のは赤の点灯で点滅はしていない」


「そうなの? だから、私の研究室で怖い顔をしていたのね…」

「この盗聴検出器は以前に別の店で買った」


「じゃ、どちらかが最新機種とか?」

「いや型番は同じだ」


「でも、機種は同じでもプログラムが違うとかあるんじゃない?」

「その可能性はある。それより、考えなければならないことがある」


「何?」

「葵さんの私物は研究室からすべて持ち出したはずだ。盗聴器を仕掛けたのが葵さんなら盗聴器もなくなると思っていたが、まだ盗聴器がある」


「葵さんが犯人じゃなかったということでしょ?」

「それはわからん。盗聴器は電源につけると電気の心配が不要だから、電源につけたのかもしれない」


「それはそうね…」

 私は悠人が葵さんと晶のことを疑っているかどうか知りたくなった。


「ねえ、悠人、葵さんと晶が産業スパイの犯人? 巻き込まれただけ?」

「自分の意思で研究所から出る映像を見ると、脅迫されていた可能性はあるが、関係者なのは確実だろうな」


「なんかさぁ。田畑さん、吉川さん、葵さん、晶といなくなる人が多すぎない?」

「そうだな。産業スパイが絡んでいるなら仕方がないのかもな」


「でもね。産業スパイは何が欲しいの?」

「さぁな。彩音は危険だから、行動には気をつけろ」


「そうね。気をつけるわ。私、研究室に戻るね」

「あぁ」


 私は研究室に戻った。

 葵さんが居ないので研究室が広く感じる…


 PCを開いて論文を読んでいると、総務からチャットがあり、ここに来るそうだ。

 私は了解した旨を返した。


 しばらくすると、ドアがノックされた。

「どうぞ」

「失礼します」

 総務とは思えない30代のガタイのいい人が入ってきた。ちょっと威圧感があるじゃない?

 総務の人は葵さんの席に座り、私にヒアリングを行う。


 ヒアリングの内容は私は葵さんと晶と最初に会った時から、居なくなるまでの知っているだった。

 これが、超細かいの。

 覚えていないことも多々あったので、思い出しながら説明するが、頭の片隅で警察の尋問ってこんな感じ? カツ丼でもあれば、いいのに… と考えていた。


 ヒアリングは1時間近くかかった。


「天野教授、ご協力ありがとうございます」

「葵さんと晶の動向をご存知なら教えていただけないでしょうか?」


「お教えできません」

「そうですか…」


「失礼します」とガタイのいい総務の人が出て行った。


 ふぅー。なんか疲れた… 私はトイレに行こうと廊下に出ると、悠人がいた。

「どうしたの?」

「尋問は終わったか?」


「終わったわ。もしかして、悠人も尋問があったの?」

「あったが、30分ほどだったよ」


「そう… 私の方が断然長いじゃん」

「そりゃそうだろ」


「疲れたし、お腹減った」

「じゃ、飯でも喰いに行くか? 何がいい?」


「カツ丼!」

「カツ丼?」


「だって、尋問されている間、カツ丼のイメージが頭にずーっとあったんだもん…」

「わかったよ。カツ丼ね。車を回すよ」


「うん」

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