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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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消えた二人 その3

 悠人は車を走らせた。

「ねぇ、あのビルは住所の登録間違いかな?」

「それはないだろう」


「そうよね… おかしいわよね。研究所はあの住所に住んでいないことを知っているのかしら?」

「研究所に入るにあたり、ネットで調べたり、身辺調査はするが… 住民票の住所を疑うことはしないと思うぞ」


「彩音は葵さんの家には行ったことがなかったのか?」

「ないわ。悠人も晶の家には行ったことがなかったのね」


「あぁ」

「晶は実家暮らしと聞いたことがあったけど、あのビルは実家じゃないわよね… なぜ、違う住所を登録しているのかしら…」


「わからん。それより、これを研究所にどう報告する?」

「どうって、見たままじゃない?」


「…彩音が報告するなら、バカっぽく直球の方が怪しまれないか…」と悠人がブツブツ言う。

 なんか失礼なことを考えているわね… ちょっとムカつく…


「悠人ならどう報告するの?」

「そうだなぁ。居なかったとだけ報告するかな。後は研究所任せだ」


「え? それだけ? おかしくない?」

「彩音が説明するならおかしいな。だが、俺は必要最小限しか言わないから変じゃない」


「じゃ、悠人が説明する?」

「いや、住所を聞いたのは彩音だし、彩音の報告で研究所がどう判断するのか知りたい」


「ふーん」

 悠人は研究所の玄関ではなく、駐車場に停めたので、一緒に研究所の総務に向かった。

 総務では、私を見てさっきの受付の人が出てきた。


「上原さんの住所の場所に行ってきました。あの住所あっていますか?」

「二度確認したので、あっていると思います。居なかったのですか?」


「ええ。住居らしい建物ではなかったです。古いビルでした」

「そうなのですか? ストリートビューで見ますね…」

 総務の人が端末を操作して、画面を見せてくれた。


「この建物でしたか?」

「そうです」


「確かに住居には見えないですね… 上司に説明するのでちょっと待っていただけますか?」

「はい」

 総務の人はPCを持って上司?のところに行き、画面を見せて説明している。

 すると、上司は電話をかけ始めた。

 上司の電話が終わり、総務の人が戻ってきた。


「お待たせしました。こちらにおいでください」と歩き出したので、悠人と私はついていく。

 どこに行くんだろう?と思っていたら、総務の人は所長室をノックした。


「入れ」

 総務の人が扉を開けて「お二人をご案内いたしました」と言って私たちを部屋に入れると扉を閉めて帰ってしまった。


「「失礼します」」と私たちが言うと、「掛けてくれ」とソファーを勧められた。

 私たちがソファーに座ると、所長は「早速だが、上原葵と上原晶は戻ってこないと思う」と言った。


「どうしてでしょうか?」

「二人は教授で上司だから言うが、二人は産業スパイの可能性が高いと調査対象になっていた。こちらが捜査していることに気づいたのかもしれんな」


「産業スパイ!? 何か疑わしいところがあったと言うことですよね? それは何ですか?」

「最初は研究所内のネットワークを操作している形跡があり、研究室の情報を見ていたようだ。それ以外は調査中だ。もうちょっと泳いでくれたらはっきりしたが…」


「そうですか…」

「今、システム管理部が上原葵と上原晶の私物を含め確認作業中だ」

 所長室の電話が鳴り、所長が電話に出た。


「あぁ。わかった」

 所長は電話を切ると、「上原葵と上原晶の私物を含め荷物は運び出した。IDも抹消済みだ。戻っていいぞ」と言った。

 帰れってことよね?


「お手数をおかけしました。失礼します」

「失礼します」

 私たちは所長室を後にした。

 所長室での話は廊下でできるようなものではない。どこかで話したいな…


「私の研究室は…だから、悠人の研究室に行こうか?」

「いや、彩音の研究室に行こう」


「え? でも、問題があるんじゃ…」

「なくなっているかもしれないだろ?」

 なるほどね。悠人賢い!


 私は研究室の扉を開けて入ると、葵さんの机の上にあった小物がない。

 私はバックを机の上に置くと、中の盗聴検出器が赤く点滅していた…

 まだ盗聴器があるってこと?


「悠人、これを見て」と私はバックの中を指差した。

 悠人は私のバックを覗き込み、眉間にシワを寄せた。


「俺の研究室を確認しよう」

 部屋を出ろってことね。

「わかったわ」


 私が出ようとしたら、悠人はバックを指差した。

 持ってこいってことね…

 私は頷き、バックを手に取り、悠人と一緒に私の旧研究室(悠人の研究室)に入った。


 悠人は私のバックを指差した。

 あっ。盗聴器を確認しろってことね…

 私は緑に光っている盗聴器を見て「問題ないわ」と言った。

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