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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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消えた二人 その2

 私と悠人は揃って総務に向かった。

 総務では私たちが来たことで、用事があるのか?と思ったのか一人の女性が立ち上がった。


「はい、何かご用でしょうか?」

「私、天野と申します」

「はい、天野教授と音羽教授ですよね? もちろん知っております」


「悠人って教授になったの?」

「あぁ。それより、話をしろ」


「そうね。私のところの上原葵と音羽教授のところの上原晶と昨日から連絡がとれません。何か連絡が来ていますでしょうか?」

 音羽教授って言い慣れていないので言いにくいわね…

「調べますね」と言いながら、端末を操作した。


「連絡はないようです」

「そうですか… どうしよう…」


「私たちは携帯番号は知っていますが、研究所に登録されている緊急連絡先を教えていただけないでしょうか?」と悠人が言った。

 緊急連絡先か! えらい悠人!

「そうですね。緊急ですか、状況を確認する必要があります。少々お待ちください」

 女性は座席のPCを操作し、PCを持って上司?のところに行き話をしている。

 しばらくすると、女性が戻ってきた。


「上原晶さんと上原葵さんは二人揃って、一昨日の11:00にゲートを通過しています。映像でも確認できました」

「見せてもらえますか?」


「はい。これです」とPCをこちらに向けてくれた。

 二人が並んでゲートを通過している。それだけだ。

「ありがとうございます。で、連絡先は教えてもらえるのでしょうか? お二人は上司ですのでメールでお教えします」


「ありがとう」と私が言った。

「ありがとうございます。状況がわかりましたらご連絡いたします」と悠人が言った。

「よろしくお願いします」

 えー。悠人の方がちゃんとした社会人の応答じゃん。

 私、バカみたいじゃん…


 私は自分の研究室に戻ろうとしたら、悠人に手を引っ張られた。

「何?」

「こっちの研究室に来い」


「え? どうして?」

「あそこは問題がある」


「問題?」

 悠人は自分の目を指差し、次に耳を指差した。

 あ、盗聴ね…

「わかったわ」


 悠人の研究室に入ると、慣れた場所だから、落ち着くわね…

 悠人はPCを操作して、総務からのメールを開いて見せてくれた。


「住所と電話番号ね。住所は同じね。電話番号は、携帯ね」

 私は自分の携帯に登録されている番号と同じことを確認した。

「どうする?」


「住所に行ってみるしかないんじゃない?」

「そうだな。どうする? 今から行くか?」


「うん。研究室に戻って準備するわ」

「10分後の玄関でいいか?」


「わかったわ」

 私は研究室に戻って白衣を脱いで、バックを携帯を入れようバックの中を見ると、盗聴検出器のLEDが赤く点滅していた。

 盗聴検出器の存在を忘れていたわ… それに、電源が入っていたのね。

 明滅が一定間隔じゃないのはどういう意味なんだろう?

 以前は盗聴器があるときは一定間隔の赤の点滅だったと思うけど…


 すると、携帯に着信があった。

 悠人から「急げ」とあった。


 私は急いで玄関に向かった。

 玄関では悠人の車がいたので、乗った。


「ごめん、遅かった?」

「いや、守衛さんに玄関の停車は短くお願いしますと注意されたんだ。出すぞ」

 私は守衛さんに会釈をした


「盗聴検出器が一定間隔じゃない変な点滅をしていたから見入っちゃってたの…」

 悠人は路肩に車を停めた。


「見せてみろ」

 私はバックから盗聴検出器を取り出したが、緑のLEDが光っているだけだった。

「あっ。部屋じゃ違ったのよ」

 悠人はまた車を走らせた。


「一定間隔じゃない点滅って、何か問題なの?」

「後でマニュアルを確認する」


 しばらくすると、「次のブロックが住所の場所だ」と言った。

「え? 住宅街っぽくないわね」


「そうだな。そこの駐車場に停める」

 駐車場を出て、携帯のマップを確認しながら、葵さんの住所に向かった。

 住所の場所は古びたビルで、住居のようには見えない…


「ここよね? 誰も住んでないようだけど…」

「そうだな」


「歩いている人もいないし、聞くこともできないわね」

「しかたない。戻るか…」


「そうね」

 私たちは研究所に戻ることにした。

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