消えた二人 その1
NeuraLumeにまったく会わないのは監視している人?に怪しまれる?
監視している人がいるとしてだけど…
ちょっと入るか…
「これから、NeuraLumeの部屋に入るね」
「わかりました」
私は少し緊張してNeuraLumeの扉を開けて中に入った。
「NeuraLume、おはよう」
『おはよう』
「小説は読んだ?」
『はい。すべて読みました』
「全部読んだの? で、どうだった?」
『そうですね… 面白かったです』
それほど好きではなかったのね… 趣味がお父さんなら受け付けないだろうし、私もそれほど好きではないからねぇ。そうなるよね。
「要望してくれれば、そのジャンルの本を持ってくるわよ」
『いえ、特に必要ありません』
「そう…」
沈黙が続いた… 話が続かない。
私はNeuraLumeの端末からログインして、ログを確認する。
エラーや変な警告はなさそうね。
時間ごとにログ量をカウントするか…
結構バラツキがあるわね。
NeuraLumeも寝るのかな?
寝ている間はログが少ないとか…
「ねぇ、あなたは眠るの?」
『…』
回答がないわね。教えてくれたっていいじゃない!
それとも今は寝ているから答えないのかな?
カメラの起動を示すLEDは光っているけど、それが起きている証拠にはならないわよね。
サーバの機器もLEDがピカピカしているけど、これじゃ起動していることしかわからないわね。
昔はピカピカの点滅具合でサーバの状態がわかったという話を聞いたことがあるけど…
本当かなぁ?
長いロール紙に穴が空いているのを科学者が手に取って、『なんてことだ!』って叫ぶ昔ならありえるかもしれないけど…
はぁ。ダメだ。進みが悪いと変な方向に考えが飛んじゃう!
ログを完璧に解析できてもNeuraLumeの動作であって、NeuraLumeが何を考えているかはわからないわね…
これ以上、ログを見ても何もわからないわね。
私は端末を閉じて「帰るわ」と宣言したが、NeuraLumeは何も返さない…
しかたがないので、NeuraLumeの部屋を後にした。
私は葵さんに「戻った」言おうとしたが、葵さんがいない…
トイレかな? 給湯室かな?
ま、そのうち帰ってくると思って、書類仕事を開始した。
これで、大体片付いたかなぁと思って、伸びをした。
あれ? 葵さんがいない。
端末もかたづけてあるから、帰ったのかな?
メールかチャットにメッセージが入っているかも…
うーん。 何もないわね。
私が集中しすぎて、帰ると言うことを聞き逃したのかもね。
私も帰るかな。
私は研究室を後にした。
次の日、研究室に入ると葵さんがいない。
いつも、葵さんが先に来ているのに、今日は遅いのかな?
そんなこともあるよねぇと思いながら、査読依頼されている論文を読み進めていると悠人からチャットが入った。
『晶はそちらにいるか?』
『いないわよ』と返した。
『わかった』
昼になっても葵さんは現れない。
私は葵さんの携帯に『体調不良だったら、無理をせずに休んでいいからね』とメッセージを入れたが、葵さんから連絡はなかった。
次の日の朝、研究室に行っても葵さんはいなかった。
晶なら何か知っているかも。
私は悠人の研究室に行って、扉を開けると悠人だけだった。
「悠人だけ? 晶は?」
「晶は昨日からいない」
「そう…」
「どうした?」
「葵さんが昨日からいないの。何かあったのかな?」
「携帯に連絡したのか?」
「昨日の昼にしたわよ。でも応答がないの。見ていないのかな? 晶には連絡したの?」
「あぁ。したが、応答がない」
「総務に報告した方がいいわね」
「そうだな」
明けましておめでとうございます。
本年もよろしお願いいたします。
話は後半戦に入ります。
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