文字化けのメッセージ
悠人も一緒に行くことになり、悠人の車で行くことになった。
みんなで悠人の車に乗る。
「悠人はお酒飲めないね」
「え? 飲むぞ」
「帰りは車を置いて行くの?」
「自動運転にすればいいだろ?」
「「え!?」」と私と葵さんの声が揃った。
「じゃ、なんで運転しているの?」
「趣味だからな」
「…そうなんだ…」
「葵さん、運転が趣味って変よね?」と小声で言うと。
「まぁ、いいのではないですか?」
「俺がもらったのはなんとなくわかるけどなぁ。危険時は自動運転がブレーキをかけるから安全ですよ」
「え? だとするとおサル電車と変わらないじゃない」
「何ですか? そのおサル電車というのは」と晶が言った。
「100年以上前に本物の猿を電車の運転席に座らせた電車に子供達が乗ったらしいの。ま、実際は運転していないけどね」
「じゃ、悠人は運転している気になっているだけの猿ということですね」
「うるさい! 俺は運転している!」
『ピピピ』と音が鳴った。
「何? 何の音?」
「悠人の気が運転から外れたから、車が警告した音ですね」
「やっぱり、おサルだったのね」
「うるさい!」と悠人が言うと。また、『ピピピ』と鳴った。
私たちがお腹を抱えて笑っている間にお店に着いた。
悠人を含め、全員が車を降りると、車は自動的に走り出した。
「本当に自動運転なのね…」
悠人が、ムスッとしているので、仕方なく手を引いてお店に入った。
私たちは乾杯して、食事と会話を楽しんだ。
私はふと、どうして晶が誘ってきたのか気になったので、聞いてみた。
「晶、どうして食事に誘ったの?」
「え? あっ! 忘れてた。彩音さんに聞きたかったからです」
「何?」
「変なメッセージを送ってきたでしょ? 何か用事があったのかな?と思って、食事に誘って聞こうかと思っていました。」
「私が送った? いつ?」
「昨日です」
「昨日? 送ってないわよ」
「送ってきていますよー。ちょっと待ってくださいね…」
晶が携帯を取り出して、メッセージを見せてくれたが、半角?のカナとか漢字や菱形とかが表示されている。
「何これ? 暗号? ウィルス? ウィルスなら危ないじゃない?」
「見せてみろ」と悠人が晶の携帯を取り上げた。
「短いからウィルスじゃない。おそらく文字化けだな」
「文字化け?」
「違う漢字コードで表示したからだろう」
「漢字コードって何? 葵は知っている?」と晶が言った。
「学校で習った気がするけど…」
「お前ら、情報処理基礎でやったろ?」
私も聞いたような気がするだけだ。
「そうだっけ?」
「悠人、元のメッセージに戻せる?」
「やってみる…。 晶、転送してくれ」
「わかった」
晶は携帯を受け取り、操作した。
「あぁ。届いた」
その後、たわいもない話をして時間が過ぎた。
帰りは、私は悠人の車に乗り、晶と葵さんは一緒に呼んだ車に乗った。
「悠人、さっきの文字化けのメッセージだけど、私送った記憶がないのよねぇ。私の端末にウィルスが入っているのかな?」
「そうかもしれない… ウィルスチェックをしておけ。パターンファイルは最新にしろよ」
「わかったわ」
車は私の家に着いた。
「送ってくれてありがとう」
「自動運転だぞ」
「ま、そうだけど…」
私が携帯端末とPCのウィルスチェクをしていると、悠人から電話がかかってきた。
「なに?」
「さっきのメッセージの解読ができた」
「なんて書いてったの?」
「最初の数文字はわからないが、最後は『たすけて』だった」
「『たすけて』? 絶対私じゃないわね」
「そうか」
「で、それは私が送信したの?」
「俺は文字化けしたメッセージ部分だけだから、わからん。明日、晶の端末を見せてもらって確認する」
「お願いね」
「あぁ」と悠人は言うと電話を切った。




