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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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NeuraLumeの現状確認

 私はルッツをどうするか迷っていた。


 NeuraLumeはルッツと認識していたが、今は自分のことを『彩音』と言ったわよね。

 お父さんの研究資料では会話はできるが、自分を認識できていたのかは明確には確認できていない。

 NeuraLumeに私の脳情報を入れたけど、お父さんの研究とそれほど違っているとは思えない…

 お父さんの脳情報に私の脳情報を混ぜたから? 混ぜるな危険ってこと?


 叔父さんは死刑囚の脳情報を入れると、自分を認識していた。

 ということは、混ぜても関係がないということよね。


 NeuraLumeに向き合わないと、研究助成の成果も出せない…

 よし! NeuraLumeと対峙するわ!

 私が勢いよく立ち上がったので、葵さんがびっくりしてこちらを見た。


「葵さん、これからNeuraLumeの部屋に入るね」

「わかりました」

 私はNeuraLumeの部屋に向かった。


 NeuraLumeの部屋に入っても、ルッツ?彩音?は話しかけてこない。

 私はどこに向かって話しかけて良いのかわからないけど、上に向かって「話しかけてこないの?」と言った。


『何かご用でしょうか?』

 あれ? 少し感じが変わった?

「用事というほどのことではないの。状況確認よ」


『そうですか』

「えっと。あなたのことは何と呼べばいい?」


『私はあ…』

 止まったわね… 彩音と言いかけてやめた?

「どうしたの?」


『いえ…』

 沈黙が流れた。

 うーん。どうしよう。私の口座にアクセスしたことを質問するのは、情報を与えすぎだよね?


「あなたは何をして過ごしているの?」

『…』

 喋れないわけじゃないわよね? 喋りたくないのかな?


『昨日、NeuraLumeの部屋のネットワークを確認されていましたが、ネットワーク環境の変更があったのでしょうか?』

 うっ。どうしよう… 当たり障りのない上手い駆け引きをしている?

 嘘はよくないよね。

「ネットワークの点検をしていたの。定期点検ね。変なものがないか確認していたのよ」


『わかりました… 悠人は来ないのでしょうか?』

 え? どうして悠人の話がでるの?

「研究室には来ているんじゃない?」


 また、沈黙が流れた…

「あなたの調子はどう?」

『はい。問題ありません』


「そう…」

 えー! 話が続かない… NeuraLumeも話しかけてこない。

 退却するしかないわね。


「私は研究があるから。また、来るわ」

『わかりました』

 私はNeuraLumeの部屋の扉を閉めた。


「NeuraLumeはどうでした?」と葵さんが聞いてきた。

「そうね。稼働に問題はなさそうね」


「研究は問題ないでしょうか…」

 NeuraLumeがうまくいかないと、研究費が稼げないと心配しているのかな? 私も心配だけど…

「なんとかするわ」


「天野教授… あ、お父様の方です。天野教授はNeuraLumeに関してはすべてご自分でされていたので、内情を知らないのです。私に何かお手伝いできることはありますか?」

「いえ、今は大丈夫よ。忙しくなったら、お願いするかもしれないわ。その時はよろしくね」


「わかりました」

 はぁ… NeuraLumeと葵さんに気を使う生活って、少し面倒ね…

 悠人と晶は少しガサツだけど、何を言っても問題なかったのが、楽だったわね。


 私はPCから踏み台サーバにログインした。

 私はフォルダ移動したりすると、必ずファイルのリストを表示するコマンドを入力する癖がついている。

 ん? 何か違和感を感じた。

 ファイルの配置が違う? ターミナルのウィンドウサイズが違うから?

 昔、お母さんが私の部屋に入って掃除した感じ?

 気になるから調べるかなっと思っていたら、急に研究室の扉が開いた。

 そして、晶が顔を出した。


「彩音さん、たまには食事に行きませんか?」

「私には言わないの?」

「え? 葵に? 葵も一緒に…」と晶は仕方なさそうに言った。


「私はついでなのね」

「そりゃそうだろ?」

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