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光の幻影  作者: 鐘雪 華
20/59

 次の日の朝、研究室に出社する。

「おはようございます。彩音さん」

「おはようございます」

 そう言えば、この部屋って盗聴? 盗撮?されているのよね。

 岡田さんに盗聴を調べる機械を貰えばよかった… お願いしようかなと思いながら、部屋を見渡したら、「どうしたのですか? 幽霊でも見えますか?」と葵さんに不思議がられた。


「幽霊? 違うわ。お茶をいれるけど、いる?」

「あっ。私が淹れます」


「そう?」

「じゃ、お願い」

 私はメールを見て、事務処理をする。すると、葵さんが私のマグカップにお茶を淹れてくれて持ってきてくれた。


「ありがとう」

「もしかして、虫がいたりします?」と葵さんが怖がる。


「虫? え? ここって出るの?」ゾクっとして、周りを見渡した。

「一度… 黒いのが…」

 黒いのか… あれは、ダメだ。

 虫を口実に盗聴器を悠人に調べてもらえるかな…


 私が考え込んだからか、葵さんは自分の席に戻っていった。

 事務処理を終わらせ、NeuraLumeの部屋に入り、fMRIのデータ取得を行う。


 データを取得して、NeuraLumeに設定って面倒ね… この手順を自動処理にすれば楽じゃない?

 どうしてしていないんだろう?


 お父さんはプログラミングできないから?

 AIに頼めばできるだろうけど、処理内容の確認をお父さんができないと研究として問題だから?


 ま、いいや。

 私はプログラミングしてfMRIのデータ取得すると、即座にNeuraLumeへの設定するリアルタイム変換プログラムを構築した。

 これで、かなり効率が上がるんじゃない?


 私はfMRIをかぶり、データ取得を行う。

 fMRIをかぶって放置するだけでいいんだけだから、私は論文を読む時間はたくさんある。

 面白い論文はいいんだけど、つまらない論文を読むと眠くなる…


 気がつくと、森にいた。

 森? 深い森じゃなく、日が差し込む森だ。人の手が入っているのだろう。

 見上げると、生い茂る木の葉から太陽が覗く。

 暖かい木漏れ日が顔にあたる。

 思わず深呼吸すると、少し湿った土の香りが心を満たす。


 どこだろう? 周りを見渡したが、誰もいない。

 ま、小道があるから、進めばいいか。


 森の小道を進むと、開けた場所に出た。

 そこには山小屋? コテージ?があり、テラスのガーデンソファ? に座っている人がいる…

 お父さん?


 私は小走りでテラスにいる向かった。

 ガーデンソファーに座っているお父さんは私に気付き、読んでいた書類を傍に置いた。

「彩音か。ここに座りなさい」

 私はソファーに座っり、お父さんが亡くなってから今までの話をした。


 ピッピッピと音がした私の腕を見ると、緊急呼び出しが鳴っていた。

 コテージは消え、NeuraLumeの部屋だった。


 夢? 妙にリアルな夢だったわね。


 また、ピッピッピと私の腕時計が鳴った。

 腕時計の画面を見ると、送信元は悠人で『連絡しろ』と出ている。


 何よ。緊急連絡なんかしなくたって、いいじゃない?と思い、時間を見ると、12時だった。

 入って3時間? プログラムの時間を考えるとそんなものか。


 悠人はお昼を誘うのに緊急連絡をしたの? お昼の誘いに緊急連絡をするなんて、非常識よね。叱らなきゃ…

 私はfMRIを外してNeuraLumeの部屋を出た。


 扉を開けると、悠人と葵さんが待ち構えていた。

「悠人、緊急連絡って何? お昼を誘うのに緊急連絡を使うものじゃないわよ」

「昼? あれを見ろ!」

 悠人が怒っている。どうして?

 悠人が指差す先は窓を見た。外が暗い? 部屋の中が反射して映っている…


「…もしかして、夜の12時?」

「そうだ! 葵さんが心配していたぞ」


「心配していたのは音羽さんで…」と葵さんが言いかけると、悠人が睨んだ。

「ごめんなさい、葵さん。こんな時間だとは思っていなかったの」


「倒れているじゃないかと思ったのですが、問題なかったですね」

「葵さん、車で送っていきます。玄関に来てください。車を回します。彩音も準備しろ」と言うと、悠人は出ていった。


「え? 送る? 私を?」

「葵さん、悠人が言い出したら聞かないから、我慢してね。私も悠人の車に一緒に乗るから大丈夫よ」


「音羽さんって自分の車で通勤しているのですか?」

「そうなの。無駄でしょ? しかも自分で運転するのよ」


「…」

「急がなきゃ… 悠人がうるさいわ…」

 私達は急いで準備して研究所を出ると、電子タバコを咥えて待っていた。


「どうぞ」と悠人は車のドアを開けて葵を乗せたが、私を放置して運転席に座った。

 ま、いいんだけど…

「悠人、タバコ!」

「あっ。すまん」

 悠人はタバコをしまう。

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