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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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夜の研究室

 来た車は対面シートだった。

 岡田さんはなんの躊躇もなく進行方向の座席に座ったので、私は対面に座る。


 岡田さんは腕組みをして目を閉じている…

 話しかけるなってこと?

 仕方がないので、私は携帯でニュースを見て時間を潰した。


 研究所に到着し、天野研究室に案内する。

 葵さんは帰ったようで、誰もいない。

 私が扉を開けようとしたら、岡田さんが制した。


 岡田さんはヨレヨレの白衣の胸ポケットからペンのようなものを取り出した。

 何か書くのかな?と思ったら、カチっという音がして小さい赤いLEDが光った。

 しばらくすると緑のLEDに変化した。

「入っていいぞ」

 なんなの? そのペンみたいなものは… 私は不信感を持ったが、扉を開けた。


「彩音、この部屋監視されているぞ」

「え!」私はキョロキョロと見渡した。

 ん? 監視されているって話していいの? おかしいよね?


「監視できないようにこいつを作動させたから、問題ない」と私が怪訝な顔をしたからか説明してくれた。

「もしかして、車の中で喋らなかったのは監視されているからですか?」


「あの手の車はセキュリティのために色々設定されている」

「ま、そうですね。でも、その装置を起動すればいいのでは?」


「監視できていたのが急に監視できなくなったら、監視監視を妨害していることがバレるだろ?」

「だから、扉の前でその装置を起動させたのですか?」


「そうだ。入る前の状態が継続していると誤認させている」

 へぇ。そんなことができるんだ…

「この部屋にある監視装置はどこにあるのですか?」


「知らん」

「調べる方法はあるのでしょ?」


「調べてどうする?」

「当然、除去します」


「そんなことをしたら、設置したやつにバレるだろ?」

「なるほど… でも、気持ち悪いですよね? その装置を譲っていただけませんか?」


「ダメだ。これは高価なんだよ」

「もちろん、代金はお支払いしますよ」


「うーん。考えておこう… それより、NeuraLumeはどこだ?」

「こちらです」

 私は奥の扉を開けた。

 岡田さんは中に入り、ラックを一通り見て「開けていいか?」と言った。


「動いているので、開けられないと思いますよ」

「おい、本気か?」


「え? 電気が流れているから感電するかもしれないじゃないですか?」

「開けないと動作している状態でメンテできないだろ?」


「動作していても開けることができるのですか?」

「当然だ。開けてもいいか?」


「はい…」

 岡田さんはサーバーラックからサーバーを引き出し、上の蓋を開けた。

 そして、胸ポケットからペンライトを取り出し、中を照らして見ている。

 しばらくすると、蓋を閉じサーバーを元に戻す。

 終わったのかな?と思ったら、別のサーバーを引き出し始めた。


 すると、「何をしているのですか?」と声がした。

 私は研究室に誰かが来たのか?と思って扉の方を見たが誰もいない。


「彩音、彼は誰でしょうか? そして、何をしているのでしょうか?」と声がした。

 あっ。ルッツか。

「ルッツ?」


「はい。そうです」

「彼は…」と言いかけたら、岡田さんに手を引っ張られた。

 そして、「出るぞ」と言い、素早くサーバーを元の状態に戻すと私の手を引いて部屋を出た。


 そのまま研究室を出ると、岡田さんは監視妨害装置を操作し、口に人差し指を当てた。

 喋るなということ?

 私は頷くと、また手を引っ張られた。


 外に出ると、また岡田さんは監視妨害装置?を操作した。

 青のLEDが光る。


「ここは問題なさそうだ」

「急にどうしたのですか?」


「詳しく聞きたい。どこか安全な場所はないか?」

「カフェとか?」


「カフェは危険だ。そうだなぁ。天野教授の家にしよう」

 それって私の家じゃん。

 知らない人は入れられないよ。


 岡田さんは携帯を操作して、車を呼んだ。

 え? 私の家を知っているの?

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