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光の幻影  作者: 鐘雪 華
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岡田 亘

学長にもらった紙に記載されていたメールアドレスにお会いしたい連絡を入れた。

すると、すぐに応答が来た。


すごく早い! 私が沖芝工業に行った時との対応の差が激しい。

対応が悪かったら学長の名前を出そうかと思ったけど、その必要もない。


アポイントメントもすぐに取れた。しかも今から…

これって本当に沖芝工業?と思ったけど、住所を調べると沖芝工業の子会社のようだ…

私は車を携帯で呼んだ。


「葵さん、今日は帰るわね」

「お疲れ様です」


私は玄関の車に乗り込んだ。

車は20分ほどで到着した。


そこは古びた雑居ビルだった。その5階が沖芝工業の子会社のリヒト株式会社だった。

変わった名前の会社名ね…


私はエレベータにのって5階で降りた。

5階を降りると扉が一つしかない。その扉をノックすると「はい。どうぞ」と声がかかった。

私は「失礼します」と言いながら扉を開けた。

そこは応接室?なのか、ソファーがあるだけの部屋だった。

奥の部屋の扉が開いて、髪はボサボサでヨレヨレの白衣にサンダルという絶対に近づきたくない人が出てきた。


「彩音さんですね。どうぞおかけください」

「はい」


「呼び方は彩音さんでいいかい?」

「はい。あなたは?」


「岡田 (わたる)です」と名刺を差し出した。

私はそれを見て、「わたる? 岩橋 亘さんでは?」と言った。


「違います。私は岡田 亘。で、ご用件は?」

違うのか… 岩橋 亘さんだと話が早かったのに…

「沖芝工業の連絡先と聞きましたが、正しいでしょうか?」


「正しいかと言われれば、違います。会社名が違うでしょ?」

「そうですね…」


「彩音さんの所属から判断すると、学長がここを連絡先と言ったのだろ?」

「そ、そうです」

この人、どこまで知っているんだろう?


「学長とは研究室が同じで、あいつは今も私が沖芝工業に勤めていると思っているらしい」

「ということは、沖芝工業とは連絡が取れないのですか?」


「取れると言われれば取れるというレベルだよ。知り合いは数人いるから連絡が取れる程度だよ」

「岩橋 亘さんはご存知ですか?」


「岩橋の名前は知っているが、連絡先は知らん」

「そうですか…」

私はどこまで言っていいのかわからないけど、聞くしかない。


「NeuraLumeはご存知でしょうか?」

「NeuraLume? 知らないな。そのNeuraLumeとはなんだい?」


「光量子チップで動いていて人の脳をシミュレートできるシステムです」

「光量子チップねぇ… だから健太郎は…」


「健太郎?」

「学長だよ」

井上学長の下の名前って健太郎なの? 覚えていないわ…


「光量子チップは俺が作った」

え! さすが健太郎学長、ナイスな人選だわ。

「そうなのですか! ではNeuraLumeのリセットはできますか?」


「俺はチップを設計しただけで、それを利用したシステムのリセット方法は知らん」

「そうですか…」


「だが、そのシステムには興味がある。見せてくれ」

「はい…」


「では、行くぞ」と岡田さんが立ち上がった。

えー! 今から?


「彩音、何ぼさっとしている。行くぞ」

あれ? 呼び方が、彩音になってる… って考えていると腕を引っ張られた。


「車を呼びます」

「俺の車で行けばいい」


「岡田さんの車は登録していないから、研究所の敷地に入れないですよ」

「そうか。なら、呼べ」

横柄だなぁ… 私は車を携帯で呼んだ。

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