私の剣を打ったもの
私は馬車に乗り森を越える。
森の中では、動物たちの声が聞こえてきて、さわやかな風が吹いていた。
そして、目的地の街についた。
街で話を聞く。
「騎士リリアの剣を打った者の鍛冶屋がどこにあるか知りませんか?」
そう何人かに聞くと、一人の男性が、
「それなら、あの丘の煙が出てる家があるだろ。あれさ。」
と家を指さした。
その男性にお礼を言い、その家に向かった。
「ごめんください。」
私はそう言い、ノックして家に入る。
職人のひげを蓄えた老人が鋭い眼光で
「嬢ちゃん、何の用だ?」
と聞いてくる。
「リリアです。かつての私の剣を作ってくださった方がいると聞いてここに来ました。」
そういうと少し黙って、
「......リリア?あの騎士のリリアか?」
「はい。そうです。」
「知っているかもしれませんが私にはかつての記憶がありません。そして、今、かつての私の足跡を辿る旅をしています。なのでどうか、かつての私のことを聞かせてください。」
「......そうか。記憶がねえのか。」
「はい。」
「お前の剣はな、俺が作ったんだ。最高傑作さ。お前の剣技に耐えられる剣を作れるのが俺しかいなくてな。」
剣技......
私は、コロッセオでかつての私と戦った者の話を思い出した。
「嵐のような剣だったと聞きました。でもその剣技ももう......」
私が下を向きながら暗い表情で言うと、
「記憶がないんだったな。」
「はい。」
「でも魂は同じなんだろ。だったら取り戻せるさ。だけど、無理に取り戻す必要もねえ。お前がしたいようにすればいいさ。」
微笑んでそう言った。
私がしたいように......か......。
まだ私は迷いの中にいて答えは出ていなかったが、うっすらとやっと答えの輪郭が見えてきたようなそんな感じがした。
静かにそのことを考えながら炉の中の炎を見つめていた。
しばらくたった後、私はお礼を言い、その場所を後にした。




