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エピローグ


「姉さん。本当に良かったの?」

 妹の央海おうみが言ってきた。


「どちらの意味で言っているのですか?」

 央理が聞くと、

「両方」

 と、央海は即答した。


 人間を神気で攻撃するのは禁忌であり、それが微々たることでも百年は牢獄に閉じ込める決まりとなっている。


 とはいえ、

「央香の罰は、後日私が出雲大社へ行って説明してきます。今回は召喚者が央香のために禊をしていますので、恐らく厳重注意で済むかと思います」

 央理はそう説明し、大事にはならないだろうと判断していた。


「もう一つの方ですが……央香一人だとまたやらかしますよね?」

 なので、央理的にはこちらの方が心配だった。


「だね。召喚者が危険に陥ってたら、またやると思うよ。央香はそういう子じゃん」

 央海がさもありなんと言った。


「……どうしましょう」

 央理は溜め息と共に言葉を発した。


 一度目ならまだしも、二度目は召喚者が禊をしても厳重注意では済まない。


 ……次はないし……あってはならないのだ。


 央理の眉間にしわが寄っている中、

「見張りというか、央香に誰かつけたら?」

 央海がそう言ってきた。


 これは妙案である。


「誰にしましょうかね?」


快那かいなはどう? 落ち着いてるし、央香と歳も近い」

 央理が聞くと、央海は快那を推してきた。


 央海の意見に納得し、央理は大きく頷く。


「快那!」

 央理が大声を上げると、


「はひ。んぐ……お呼びでふか?」

 快那が大きな椀を抱えながら現れた。


「快那……何食べてんの?」


「お饅頭でふ……んぐむぐ」

 央海の言葉にそう答え、快那は椀からまんじゅうを取っては食べを繰り返していた。


「あなた、さっきも食べていましたよね? 今日だけで何個食べているんですか?」


「……えーっと……数えていませんでした」

 呆れる央理に対して、快那は無表情でそう答えた。


「快那。食べるのをやめ、私の言うことをよく聞きなさい」

 央理は真剣な顔つきになり、快那を見据えた。


「はい」

 まんじゅうを取る手を止めたが、快那は見るからにしょんぼりした。


「今、央香が下界に行っていることは知っていますね?」

 央理は咳払いをし、快那へそう言った。


「はい」


「央香が神気を使って人を攻撃したり、召喚者に迷惑をかけたりしないよう、下界で央香に付き添う者を送りたいと思います。私や央海はあなたが適任だと判断しましたが、行ってくれますか?」


「あ、はい」

 快那は引き続き表情を一切変えず、淡白に返答してきた。


「……それはどちらですか? 行ってくれるのを了承したのですか?」


「はい。了承しました」

 返事は悪くないのだが、快那の顔には全く締まりがなかった。


「何か不明点や質問はありますか?」

 この子で大丈夫だろうかと不安を感じる央理だったが、途端に快那の表情が険しくなる。


「あのう……」


「はい! 何ですか?」

 快那がやる気になったと思い、央理は笑顔で聞き返した。


「央理様と央海様のおはぎが炊事場に残っているのですが、食べてもいいですかね?」

 快那が言った。


 央理は真顔のままゆっくりと央海へ目を向ける。


 が、央海も表情を同じくしてゆっくりと顔を背け、そのままスタスタとどこかへ歩き出した。


面白かったら☆とブクマをどうぞよろしくお願いいたします。

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