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様々な世界・世界の詩

燃え盛る世界

作者: リィズ・ブランディシュカ



 その世界では、命は燃え盛る炎と共にある。


 その世界の命は、どこからかやってきて、またどこかへといってしまう。


 それは、日常の事で当たり前の事だった。


 とどまる命はない。


 みな、旅人だった。


 その世界は、前の世界と次の世界を繋ぐ中継世界的な役割を担っているようだった。


 だから、この燃え盛る世界にやってきた命達は、次の向かうべき世界へと、そうそうに旅立っていく。






 そんな世界は今日も、炎に満ちていた。


 どこもかしこも燃え盛っていて、その火は絶える事を知らない。


 そんな世界には、どこからともなく命がやってくる。


 彼等は火に焼かれて苦しみ、もがきながら、火のない所へ、次の世界へと向かっていく。


 それは、長い間繰り返された事だった。


 これからも終わらない事だった。


 辛く厳しい事だった。


 前の世界からやってきた彼等は、それが何のための場所で、どういった目的であるのか知らない。


 考える余裕すらない。


 ただ、苦しみばかり。


 ただ、辛い思いをするばかり。


 だから、今の苦しみから逃れたい。


 無心で、その一心で炎の中を進んでいくのだ。


 炎に満ちた世界から出た人々は、苦しみから解放されて、安堵の涙を流す。


 そこでやっと彼等は、余裕の中で、振り返り考える自由を経る。


 彼等は背後をみやって、首をかしげながら、そこに理由を見出そうとした。


 きっと、生前に行った悪行のせいにちがいない。


 おそらくそこでは、天国にいくための試練を課せられていたに違いない。


 もしくは、地獄のような世界にただ連れてこられてしまったのかもしれない。


と。


 彼等の考えに、答えは示されない。


 だから。


 ただそこは、燃え盛る世界であるだけで、ただ彼等は迷いこんだだけかもしれない。



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