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11 冒険者ギルドと登録

いつの間にかアクセス数が伸び、ブックマーク等も増えていました。

非常に喜ばしいことです。ありがとうございます。


話は変わるですが、0時には必ず更新出来るようにしようと考えています。

これからも、よろしくお願いします。

 俺達は冒険者ギルドに到着したが未だに入っていなかった。



「フレイ、行ってこい。これは命令だ」

「嫌です。それに今は対等の立場でしょう。レヴィが行ってください」




 炭を作ることに成功し、尚且つ俺の華麗なる固有魔法で可愛らしい動物たちに(一部を除く)に変貌したそれらを押し付け合う。


 

「そもそも、冒険者になりたいのはレヴィです!私は別になりたい訳ではありません!」

「それでも、嫌なものは嫌なんだよ!!」

「それは私も同じです!」


「お、レヴィにフレイじゃないか。何を言い争ってるんだ?」


 すると、昨日送ってくれたフレデリックがやってきた。




「………と、言うことなんだ。」

「なるほどなぁ~、確かにあそこは冒険者が集まるしな。………ところでレヴィ。」

「なんだ?」

「その炭、俺に売ってくれねぇか?もちろん利益の半分は約束しよう」

「売ってと言われても……なぁ」

「はい、これはギルドの臭さをどうにか出来ないか考えたレヴィが作ったものです。ギルドに売るならともかく、商人に売り付ける予定はございません。」

「まぁまぁ、俺の話を聞けって」



 フレデリックは、製法は秘密のままでいいからそれらを臭いに困っているようなところに売り付けて一儲けしたいらしい。どうやら売れると商人の嗅覚が言っているようだ。

 別に製法を隠したところでメリットを感じなかった俺は造形を省いた製法を教えて、売り上げではなく提供料である金貨10枚を貰うことにした。



「よし、話は纏まったな!」

「わかってるよな?まずはギルドに売り付けるんだぞ。絶対だからな!」

「わかってるわかってるって!とりあえず、前金の金貨5枚だ!」

「ありがとう、じゃあこの炭は預けるからな」

「おう、俺に任せとけ!」


 暫くやることがなくなった俺は、以前(数時間だけ)使った宿に戻ることにした。



「でも、レヴィ。良かったんですか?」

「ん?なにが?」

「いえ、安定した収入を得るチャンスだったと思うのですが。」

「あぁ、そのことか。別にいいんだよ。この街にとどまりたいわけじゃないからな。」

「まぁ、レヴィがそう言うなら私は気にしませんが…。」






 1週間ほど経ち、俺は以前のようなニート生活を送っていた。フレデリックから残りの金貨5枚も貰ったし、暫く働かなくてよくなってしまったからだ。



「レヴィ!いつまで寝ているんですか!」

「んん………まだ昼じゃん…………」

まだ(・・)ではありません!もう(・・)です!!」


 この一週間、こうやって起こしには来るが、基本的には自由行動にしていた。部屋が一緒?その必要はない。金ならあるからな。

 フレイはこの間に必要なものを買い込んだらしい。俺はもちろん寝ていたが。



「昨日ギルドに例のやつが設置されたそうですよ!!行かないんですか!」

「んん………いくぅ………………zzz」

「い、い、か、げ、ん、に…しろーー!!」


 布団ごとひっくり返された。





「いたたたた。もう少しましな起こしかたはなかったのか。」

「起きないレヴィが悪いんですっ!」


 ひっくり返された衝撃でぶつけた頭を擦りながら文句を言っているとなにやら良い匂いがしてきた。



「すんすん…旨そうな匂い。いってみよう!」

「はぁ、ほんとに仕方ないんですから。」




 匂いに釣られてやって来た出店には、旨そうな出来立ての焼鳥が並べられていた。


「おっ、にいちゃん1本どうだい!そこの嬢ちゃんも!1本銀貨3枚だ!!」

「レッドボアの肉ですか。私は先ほど昼食を摂ったので遠慮しておきます。」


どうやら焼鳥(・・)ではなく焼猪(・・)だったらしい。




「はふはふっ…うめぇ~。かりっと癖のある噛みごたえにジュワ~っとひろがるこの肉汁っ!最高だな!」

「はいはい。わかりましたから。そろそろ着きますよ。」




 どうやらレッドボアを堪能している間に着いたようだ。





「さて。」

「はい。」


「「お先にどうぞ。」」


「なんでだよ!」

「それは私の台詞です!レヴィが先にいって下さい!」

「っだぁーくそ!わかったよ!なら一緒に行けばいい!」

「………嫌です。」

「……そこは了承しろよ。」

「てめぇら邪魔だ!入らんのなら退きやがれ!」

「「すみません。」」


 邪魔になっていた。



「はぁ、わかったよ。俺がいきゃあいいんだろいきゃあ」

「やっとわかったんですか。さっさと行って確認してきてください。」

「はいはいっと」


(ゴクリ。)

(ええい、ままよ!)


ギィィィィィ



「………………」

「レヴィ、どうなんですか!臭いんですか!ダメだったんですか!」

「ん…いや、なんというか。」

「はっきりしませんね。退いてください。私も確認します。」


「………………」


「なんていうか、な。」

「………これは、そうですね。」

「臭いはほとんどないな。」

「……はい。」



 以前ギルドを訪ねたとき床が酒で汚れていたり、食べ物が散らかっていたり、素材には蝿が集っていたりとかなり劣悪な環境だった。

 しかし、今のギルドはそれの真逆。

以前の散らかりようが嘘のように、隅々まで掃除されており、酒を飲んでいるものも数人しかいない。

 二人して激しく困惑していると声をかけられた。



「ようこそ、冒険者ギルドへ。今日は依頼でしょうか。それとも冒険者登録ですか?」


「「…………」」


「あ、あのぅ……」

「い、いぇ、以前訪ねた時との替わりようが激しくて混乱していました。」


「………?あぁ、消臭剤を提供して下った方ですね!あれはかなり助かりました!」

「あ、いえいえ。それより、どうしてこんなにも綺麗なんですか?」

「お恥ずかしい話、1週間程前は大規模討伐クエストを達成したパーティーと幾つかのパーティーで宴会がありまして………私どもも羽目を外しすぎていまして。申し訳ありませんでした。」




 どうやら、クエスト達成してそのままギルドで宴会が始まったらしい。それもギルド職員まで巻き込む大規模な。


「「………」」

「炭。作る意味なかったかもな。」

「………釈然としませんが、そうですね。」






 気を取り直して冒険者登録をすることにした。




「改めて、私は冒険者ギルドの職員を勤めております、アイシャと申します。よろしくお願いいたします。」

「こちらこそよろしく。」

「今回はどのような用件でしょうか?」

「俺と彼女の冒険者登録をしたいんだが」

「登録ですね!それでしたら登録料大銀貨5枚とこちらの紙に氏名等をお書き下さい。」



 そういって渡された紙には氏名の他に出自を書く欄があった。


「あ、文字が書けなければ私が代筆致しますが」

「あ、いえ大丈夫です。」

「わかりました」

 

 アイシャはなにかを取りに行ったようだ。


「フレイ、出自どうしよう。」

「うーん……ヴァイス領と書いてしまって大丈夫でしょう。」

「まぁ、それもそうか」


必要な部分だけを書き終えるとアイシャがもどってきた。


「魔力の色や量を確認なさいますか?」

「いや、いいよ。ありがとう」

「かしこまりました。では、このプレートに血を垂らしてください。……はい、結構です。これが冒険者の証でございます。くれぐれも無くされないように。」


「おぉ、」

「レヴィ。そのような子どもみたいな真似はやめてください。恥ずかしいです。」

「ふふふふ。ところでレヴィさん、冒険者のランク制度はご存じですか?よろしければ説明させていただきますが……」

「お願いします」


「はい、それでは説明に移ります。」

「ランク制度では、最低がFランク、最高がSランクと七つのランクに別けられています。ギルドが出す依頼は、その依頼の危険度、達成難易度などを加味してランク付けをし、それぞれのランクに準じた冒険者しかクエストを受注することができません。これは、無理なクエストを受注して死んでしまう冒険者を未然に防ぐためや、依頼の失敗が繰り返されてギルドの信用が落ちないようにする等の意味合いがあります。」


「そりゃそうか、勝手に受けて死なれてもいい迷惑だしな。」


「はい。また、冒険者は原則としてFランクからのスタートとなります。どれだけ強い人物であっても、信用の無いものに依頼を任せることはできません。しかし、一定数のクエストを達成し、信用に足る人物であると判断されればランクを上げることが出来ます。もちろん、最低限の実力を持っていないとランクアップは出来ませんが。…とまぁ、こんなところです。」

「わかりました。ありがとうございます。」

「いえいえ、あ、Aランク以上になれば、男爵相当の扱いとなりますので、ランクアップ頑張って下さいね♪」

(公爵家なんだけどね。)

「もし、分からないことがあるようでしたら、いつでも聞いてきてくださいね」

「その時はよろしくお願いします」




 こうして俺達は無事、Fランクの冒険者となった。


 

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