バッドベアキッドのレポート4
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「蹴るのやめろって!」
「いや!離して!離さないとひっぱたくわよ!!」
「もう蹴ってるよ!!!」
頭の悪いやり取りを暫くしていたら彼女の方が諦めた。
バチャン!と手足をその場に投げ出して抵抗をすっかり諦めた。
オレはその態度で、少しだけ足を掴む力を緩める。
「……声、聞こえてるのね」
「聞こえてるよ」
「姿は見えてるの?」
「辛うじて」
「アタシの目何色?」
「空色」
「大ハズレよトンチンカン」
オレからは女の子の様な透明な人の形の何かを、雨のおかげでどうにか捕まえられたに過ぎない。
一方で彼女は雨の降るアスファルトを手のひら(?)でピタピタと叩いて自分の位置が知れた方法を見つけた。
彼女ばかりが何か納得した様になる程、なんて呟いている。
「キミ、幽霊なの?それとも透明人間?」
「教えない」
「どこから来たのさ」
「キミの知らない所」
「名前は?それくらい教えてくれてもいいだろ?」
「言わない」
「あのさ、コミュニケーション取る気ある?」
「無いって事を全力でアピールしてる事に気が付いてくれないのかしら?」
全面拒否、シャットダウン、閉店ガラガラ。
それならこっちだって考えがある。
今まで小さくしていたオレの⦅剣⦆を呼び出して、恐らく顔の前になるだろうあたりに突きつける。
手を離してしまうけど、この間合いなら一振りで倒せる自信がある。
鼻の頭と思われる部分に剣先がちょんと当たった感触がある。
「やめてッ!!!」
オレが何か言う前に彼女は鋭く叫んだ。




