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#2 始まり

二作目です。


大したものじゃないです。が、大した時間と労力を消費しましたorz

開け放たれた窓から吹く風は、心地良さと同時に……花粉を運んできた。

「ハックション!!」

情けなくくしゃみをして、かんでも、かんでも、かんでも(新潤いティシュー、エリ○ール)垂れる鼻水を恨み、思い切り鼻をかんだ。あまりの勢いに鼻血を出しそうになったが、辛うじてそれを食い止めた。どうやら彼には、鼻血を出すか否かをコントロールするスキルがあるらしい。窓をガシャンと閉めると、自分の席に向かった。少し寝ようかなどと思って着席した矢先、あの担任がやってきた。

「おはようございます!」

「チッ」

朝から騒々しいな。俺は今から寝ようと考えていたのに、このクソ教師は!!という本音を、神代はこの舌打ちに込めた。それが聞こえたかどうかは分からないが、別に聞こえようと聞こえまいと、コイツがどう思おうと関係ない。

 登坂 周汰(とさか しゅうた)。2年A組の担任である。チビなくせに声だけはデカい。年齢は20後半から30前後といった、いわゆるアラサーである。ちなみに、その辺を詳しく理解していないのは、無論、彼、神代にとってどうでもいいことだからだ。とにかくコイツのことが嫌いなのだ。嫌いな理由を聞かれたとき、彼はこう答えた。

「そもそもの根本的な人間性が違うんだよ。」

全否定である。そして続けた。

「人を嫌いになる理由なんていらねーんだよ。『嫌』だと直感したなら嫌なんだよ。」

言われてみればそうかもしれないが、ひどい言い様だ。

そんな風に思われているとも知らずに(あるいはそうと知っていてもタフな彼は)自慢の声で、教室中、否学校中に聞こえるように魂を込めて(?)叫んだ。

「朝会だー。早く並べー。」

そういえば、月曜日は朝会だったか。面倒くさそうにだらだら廊下に並ぶ。特に全校朝会は1階の集会室で行われる。そこは体育館までとはいわないが、そこそこの広さである。2年生の教室は3階にあるから、2階分階段を下りなければならない。

 ずらずらと歩き出す彼らに、この朝会で伝えられる驚愕の事実など、想像もしないことであった。


=============================================


 教室に帰った2Aの生徒たち、全校生徒たちは戸惑いを隠せずにいた。だが、2Aに限ってはただ一人、戸惑いというよりも疑問に感じるような顔をしていたが。

「今私たちがこうして暮らしているこの世界は『別世界』であって、いわゆる『パラレルワールド』と呼ばれるところに存在しているのです。」

全校朝会での校長先生の話でこう告げられ、聞いた瞬間は唖然とし、意味を理解した瞬間は戸惑った。意味をより理解した者は悲鳴を上げ、そうでない者もただならぬ恐怖のようなものを感じた。この世界は別世界であって、自分たちはパラレルワールドの住民である。つまり、自分という存在がもう一つあると校長(カミカミ大魔王)は言った。

これに対して前述の通り、クラスで唯一戸惑いより疑問が勝った人間は言うまでもなく神代であった。もちろん彼も戸惑いはした。だが、こんな展開になるであろうことを彼は感じていた。窓の外の風景、教室の風景から伝わった違和感。変な夢……その夢は始業式の日のことがぼんやりと浮かんできた。そうだったと思う。もう一度夢を思い出そうとした。だが……

「あれ……?」

どんなに思い出そうと頑張ってもその内容が浮かんでこない。始業式の日の夢であったことは確実に覚えている。それが現実にあったことだというのも。しかし、その日その場所で何があったか、分からない。

「どうしてなんだよ!」

机の天板を思い切り殴って八つ当たりした。周りからは、ここがパラレルワールドである事実に対しての感情だと思われているであろうことが感じられた彼は比較的冷静であるといえる。しかし、冷静であっても分からないことは分からないし、覚えていないことは覚えていない。覚えていないならどうするべきか。神代は学年では1、2位を競うその頭脳であの話を整理した。

まず、校長が何気なく(それでも噛みながら)言ったワンフレーズ。ここは異世界である、ということ。これは特に引っかかる。この世界が異なった世界であるならば、正しき世界というものがあるということだ。そしてここは正しき世界ではないということにもなる。

そこから更に考えるべきことがある。校長はここが異世界であることを知っていたのだ。少なくとも朝会の直前には。ここで考えられるのは2つ。1つは、校長は何者かによってそれが伝えられたということ。もう1つは既に知っていたということだ。常識的に考えれば前者が安易だが、そうではない気がする。

『そう考えるのはなぜか。根拠も述べなさい。(8点満点)』

うーむ……1点もとれない。彼の答はズバリ『直感したから。』であった。彼自身の何かがこれを伝えているのだ。この答を信じるのに価値がない訳ではない。

ただ、そうなると更に疑問が浮かんでくる。我々がその事実を知らない、あるいは覚えていないのに校長は、否、教職員はそれを把握しているのか。把握していても、なぜこんなにも落ち着いていられるのか……

考えても詮無きことだ。と、彼は思った。その通りだ。この世界に自分がいるのだ。この自分を生きればいい。戸惑う動物たちなどどうでもいいのだ。この世界で生きる価値を見出せれば。

 この世界で生きる価値。彼らは既にこう伝えられていた。

「実力でこの世界、学校を『治める』ように。」

と。

第二作はいかがだったでしょうか。誤字・脱字の確認漏れがありましたら、お知らせ下さい。

さあ、遂にこの作品が「始まり」を迎えたわけですが、お決まりの感じでしたかね……タイトルから既に予測できる展開は第一作の後書きでも書きました。いきなりのどんでん返しもありかなと思いましたが、全く関係ないというのもいかなるものかと思いました。皆さんはどちらを望んだでしょうか。しばらくは枠通りのストーリー展開になりそうです。

最後に、まだまだ未熟な私ですが、ここでの投稿を通して日々成長していきたいと思います。では、

(^.^/)))~~~bye!!

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