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5. 色々、やらかした気がします。(研修 二日目その1)

なんかすごく長くなってしまいました。

二話に分けようにもどこで切ればいいやら状態…

読みにくかったら済みません。


※きっとここが引っかかってるんだろうな、って箇所を訂正しました。(冒頭の歌詞)長い事放置しててすみませんでした。また引っかかったらどうしよう・・・

「おう~ち~のため~に、あ、ドッコイショ~っと」

 

 ドゴオオォォォォーーーンンン・・・・・・


 ここは北の果てのちょっと手前の鉱山。

 てゆーか、まだ鉱山としては全然人に知られていない穴場、だったりする。


「もひと~つぶちかませ~、あ、やっこらせ~っと」


 ズゴオオォォォォーーーンンン・・・・・・


 陰々滅滅と独りで唄を響かせながら、私は魔法で坑道を掘っていた。


「もうそろそろいいかな~…宝石と~鉱石と~魔石を~『探査』~…ふっふっふ…あるじゃないの~ふふ、ふふふふいっぱいあるわねえ~…うふふふ~『ロックオン』」


 夜が明けるとすぐに私は、地図と魔法袋…そう、俗にマジックボックスとか魔道鞄と言われるアレを手にして、転移魔方陣でここへ飛んできた。


「さあ時間が押してるから~宝石と~鉱石と~魔石は~この魔法袋に一粒残らず『イン』して頂戴~」


 ズザザザァァァーーーッ・・・


 重量とか体積とかを全て無視できるマジックアイテムって素敵♪と、ちょっと見にはただの革袋のような魔法袋の口を閉じ、しっかりと革のベルトに括り付けてから深緑色のローブで隠す。

 掘り進めた坑道は崩落を防ぐために『強化』してあるけど、次に私が来るまで誰かが入るのを阻止しておきたいので、外に出てから掘り出した土砂を埋め戻して穴が見えないように偽装する。

 今度来た時に、いきなり未知との遭遇なんて冗談じゃないもんね。


「さあ~次は西の街~冒険者ギルドで登録だ~」


 転移魔方陣の出口、西の街近くの場所を地図で確認する。

 

「んじゃあ、西の街近くの森に~『転移』」


 ちょっとアレなテンションのまま、勢いで転移をする。

 寝不足と疲労で目の下には隈が浮き出ているだろうが、水鏡すら見る余裕のない今は割とどうでもいい。

 人気のない森の中で魔方陣から出ると、とりあえず『清潔』と念じて土埃その他を落として綺麗にした。

 髪も顔も、歯磨きすら済ませてすっきりした状態のはずだが、空腹も加わって気分は急降下の一途を辿っている。


「ああ~、今なら前任者の気持ちがわかる気がするわ……」


 と、神様が聞いたら目を剥きそうなことを呟いて、とりあえず自分自身に『回復』の魔法をかけてみた。


「よし、これで大丈夫…のはず」


 鐘の音と共に開門を告げる声が聞こえたので、城門へ向かう少なくない人々の後ろにさりげなくついて行く。


 ******


 例の『地図』を活用(ものすごく便利!)したところ、この街の名はリーニスタ。セラシア王国ミヌレーデ辺境伯の領地で、私の住む森に一番近い、冒険者ギルドのある街だ。多分これからも素材の換金や物資の調達で再々来ることになるだろう。

 実を言えばフォル村という小さな村の方がもっと近いのだが、ここは冒険者が狩りや採取のために森へ入る時の準備のため、或いは魔獣に追われて命からがら逃げ出してきた時の、緊急避難所としての役割がある処らしい。

 当然、ギルドへ非常時の連絡が出来る環境は整えてあるが、冒険者登録などの業務はリーニスタ支部でなければ出来ないのだ。


 これだけの予備知識を得るのに、『地名表示』だの『調査』だの『概要説明』だの…思いつく言葉で次々に試して深夜まで調べあげた私を褒めてやりたい。おまけに朝もはよから鉱山で採掘…ううう眠い。


 …さて、中世の城塞都市と同じく、街に入るには城門でチェックされるのだが。

 日頃から冒険者が数多く出入りしているせいか、それとも常に冒険者になりたい人間が多いのか、もしくは冒険者のなり手が少なくて人材不足に陥っているのか、


「ああ、冒険者ギルドに登録するのか。じゃあこの仮札に名前を書いて、登録が終わったらカードを持ってもう一度来てくれ。ギルドの場所はわかるか?」


と、非常に親切な…とゆーか緩い対応だった。こんなんで大丈夫なんだろうか?国防とか国防とか……国防とか。

 まあ、私にはとてもラッキーなことだったが。


 そんなわけで、早速冒険者ギルドへと急ぐ。

 開門は確か地球時間で言うところの朝7時。そんな時間でも登録を受け付けてくれるギルドは、夜間でも緊急の対応が出来るようにと驚きの終日営業だそうだ。ここにもブラックな臭いが、そこはかとなく漂っている。


 城門から瞬身するわけにもいかないので、ひたすら歩いて約20分。ようやくギルドの入口にたどり着く。


「あ~、おはようございま~す」


 扉を押し開きつつ小声で挨拶をする。

 入口付近にいた男たちがチラッと視線を寄越したが、別に返事をするわけでもなく、すぐに興味を失くしたように自分たちの話に戻る。奥にも男女合わせて十人ほど冒険者らしい装備の人間がいたが、皆掲示板に貼り出されていく依頼らしきものを指差して、小声で相談しているようだ。

 掲示板が見渡せる位置に小ぶりなカウンターがあり、熱心に書き物をしている女性がいたのでそこが受付だろうと見当をつける。


「あの、お仕事中すみません。こちら冒険者ギルドの受付…で間違いございませんか?」

「はい、そうですが」


 手を止めて見上げてきたのは、荒くれた冒険者たちへの対応も難なくこなしそうな、きりっとした女性だった。


「あ、私、冒険者登録をしたいと思いまして参りましたんですが。手続きをお願いできますでしょうか」


 …つい前世の癖で、馬鹿丁寧な口調になってしまった。この世界のスタンダードな言い回しってどうなの?


「左様ですか。それではこちらにお名前等の必要事項をご記入頂きまして、あ、代筆も可能ですがいかがなさいますか?」

「ありがとうございます。自分で書きますので大丈夫です」

「あ、はい。それではその後、魔力の確認をしてからギルドカードの発行をさせていただきます。ご記入はこちらでどうぞ。それと、登録料として銅貨一枚が必要です」


 しまった。現金の持ち合わせは、ない。つーか神様もそこら辺をもうちょっと…う~ん、仕方ないか。


「…あのう、こちらでは素材の買取をしていただけると伺ったのですが、そのお金でお支払させていただいてもよろしいでしょうか?実は今ちょっと手持ちが」

「…左様ですか。ちなみに、素材は何をお持ちですか?」


 う~ん、迷う。人目の多いここでいきなり宝石の原石とか出すのはちょっと…いやかなり拙いし、かと言って狼の毛皮を魔法袋から出すのもなあ…『マジックアイテム持ってま~す♪』ってあんまり他人にバラしたくないし。第一これ借り物だし。


「…すみません、ここではちょっと…申し上げにくいしお見せしづらいんですが、どこか別室でご相談できませんか?」


 声を落としてお願いしてみると、大きく瞬きしてからじっと熱心に見つめられた。え、ナニちょっと照れる。


「わかりました。それでは別室で承ります。…マーカス、ちょっとここお願い」


 掲示板に依頼内容を貼り出していた若い男が戻ってくるのを待って、促されるまま奥の部屋に入ると、そこは簡素な応接室のようだった。


「こちらでお待ちください。係りの者を呼びますので」

「あ、はい。ありがとうございます」


 待つこと数分。その間に必要事項を記入する。羊皮紙って書き辛いのね…


「お待たせしました」


 …やっちまった。どう見ても上司だな、これ。ってことは定番の、ギルドマスターとかいうアレか?


 現役時代はブイブイいわしてました!的な、盛り上がった筋肉を隠し切れてない、口髭の素敵なおじさまがいらっしゃいました…。何とかストロング、って名前じゃないことを祈る!


「それで?お嬢さんは何をお持ちになったのかな?」


 こうなれば腹をくくるしかないよね。

 だって絶対お金がいるんだから、少しでも高く換金したいし!


「えーと、まずはこれなんですが」


 ローブの裏に手を入れて、例の袋の口を緩めて狼の毛皮を引き出す。


「灰色狼の毛皮、9頭分。よければ肉もあります」


 ほう、とカールした口髭をいじっておられます。やめて、腹筋崩壊しそう…っ!


「あとは、えー、宝石の原石とか…にご興味は?」

「あるねえ」


 即答かよ!出すよ!出しゃいいんだろ!?


 狼の肉をドスンと毛皮の横に並べて、再びローブの裏に手を入れ…って見てる見てる見られてるよーー!


「それでは、こちらがエメラルドの原石…になります。あと、こっちがトパーズ、ですね」


 ゴロリ、といくつか原石を置いていく。

 なぜかこっちの世界でも宝石の名前は変わらないので、わかり易くて良かった。


「…ほほう。これは貴女がご自分で?」

「ええまあ。私少々魔法が使えますので」

「それで、冒険者登録をしたい、と?」

「はい。こういったものの買取をお願い出来れば、と思いまして。街中(まちなか)のお店には詳しくありませんので」

「成程…了解した。それでは特別に登録の手続きをしてから、相場で全て買い取らせていただこう」


 やったー!これでとりあえず現金収入の道が出来たー!


 内心ニマニマしていたが、ここはポーカーフェイスでいようっと。


 口髭おじさんは、傍らに立つ受付の女性に軽く合図をした。


「それでは、手続きをさせていただきます。ご記入は…お済みですね。ではこちらの水晶玉に手を触れてください。魔力量と属性を確認致します。個人情報ですのでカードに記載はされませんが、ギルドの書類には指名依頼の参考にさせていただく都合上、記載した上で保管を致しますのであらかじめご承知おきください」


 そう言うと彼女は、木の台に載せられた直径15cmほどの水晶玉を、台ごと卓上へ置いた。


 さあ~、来たよ来たよ水晶玉!

 よくある話だとパーッと景気よく光ったりするんだよね~?

 神様に直接付与していただいたんだから、きっと私もそれぐらいは…むふっ、期待しちゃうぞ?


 水晶玉に手をかざし、そっと触れ…


 メキメキメキバリバリバリガシャン。


 部屋中が真っ白になるほどの光を発した次の瞬間、どーしよーもない嫌な音を立てて玉が…壊れた。



「「あああーーーっ!」」

「備品、備品がーーーっっ!」


 あああと叫んだのはギルドの二人で、みみっちくも備品がと叫んだのは私だ。

 このあたりは前世の会社員根性が、もはや魂のレベルで染みついているとしか思えない。

 

「すすすみません、すみません!大事な備品を、えええらいことしてもーた!」


 わたわたと慌てまくった私は、何とかせねば、という考えに憑りつかれていた。


「ううう、そ、そうだ、全ての欠片を『集結!』それでえっと、元の水晶玉に『復元!』これでどうだ!?うんよし直った!」


 とりあえず何とか形になったことにほーーっと息を吐いた私だったが、こぼれそうにギョロ眼を剥いてこっちをガン見している二人に気付いたけど、後の祭り…だよねええ。


「……エバンジェリン、至急登録手続きをしてくれないか」


 我に返ったのは口髭おじさんが先だった。


「は、はい。あの、ここは…どう書けば…」


 むう、と唸ると、口髭さんは書類の魔力量欄に『極大。測定不可能』、属性欄に『不明。全属性の可能性あり』とパパッと書き入れた。…正直、済まんかった!


「そ、それでは、確認させていただきます。お名前はシルヴァイラ、人族。瞳の色は紫、髪は銀色。年齢はじゅうは…え?18歳…!出身地は…ニホン?職業は…え、隠者?…魔力量、は、極大。属性は不明。以上で間違いございません、ね?」

「は、はい」

「それであの、ニホン、というのはどちらの…?私、ちょっと存じ上げないんですけど」

「あ~、ここからはかなり遠くて、あんまり知られていない小さい…島、そう、辺鄙なとこなんですよ。きっとご存じないと思います」


 ちらっと口髭さんを見て、頷くのを確認する。


「…そうですか。それでは、え~、何か他に特にお聞きしておくことがありましたら…?」


 再び口髭さんが、深く頷いた。


「えー、それではあのう…私この度引っ越してきまして、えー…仕事、そう、ある研究のためにですね、家を長く空けられないんです。具体的には三日以上は留守に出来ないので、ギルドには主に素材の提供、といいますか、ぶっちゃけ換金できるブツを定期的に持ってくるだけになりそうなんですね。それで先程仰ってた『指名依頼』ですか?そういうのはちょっとお受けしかねるというか…はっきり言って出来ません」

「…そうですか。他には?」

「あと、家の場所はその研究に差し障りがあるので、申し上げられません。誰にも来て欲しくないんです。ま、無理に来ようとしてもある距離まで近づいたら警告しますし、それを無視するようなら物理的に排除しますが」


 どうだ、とばかりに反応を窺う。

 ギルド員としては無茶苦茶この上ない話だとは思うが、誰かが迂闊に結界に近づいて、魔王化するのは何としても阻止したい。

 お互いのため、いやこの世界の平和のために、どうかうんといってください。


「…わかった。そういう事情なら、無理に依頼は回さないようにしよう。しかし、月に一度は必ずギルドに顔を出してもらいたい。勿論それ以上に素材を持ってきてくれるなら大歓迎だ。特にこのようなものなら」


 そう言って、口髭さんはトントンとエメラルドの原石をつついた。


「原石でもいいんだが、宝石だけならなおいい。大きさや色や質が解るから、値段が付け易いんだ。その点このトパーズは宝石の結晶部分が飛び出していて、色も形も申し分のない良品だとわかる。かなり大粒なのも良い。相場よりも良い値が付く。エメラルドは鑑定眼持ちに見てもらうので、時間がかかるが」


 時間…え、ちょっと待って、今何時?


「あの、すみません。今何時くらいでしょう?私お昼に人と会う約束がありまして」

「え?ああ、そうですね、8時の鐘は大分前に鳴ったので…そう、今は9時前くらいでしょうか」

「9時?そっ、それは少々急がなくては。まだこの後食糧と布を沢山買わなくちゃいけないんですよ!いい店ご存じないですか?あ、原石のままだとアレでしたら、んむむむ…宝石部分だけを『分離!』これでどうでしょう?」

「「…っっ!」」

「あの、済みませんが急いで頂けませんか?それと、狼の毛皮と肉の方もお忘れなく」


 またなんかやらかしたかもしれんが、背に腹は代えられんのだ。


「し、承知した。エバ、君はカードをすぐ用意してくれ。それでは、えー、今の時期の灰色狼の毛皮は9頭分で銀貨90枚。肉は銀貨18枚。エメラルドは大きいのが2個で金貨6枚と小さいのが6個で金貨3枚。これはもう少しするだろうが、差額分は次回ギルドへ来た時に支払うということで。それとトパーズだが…これは出来れば二週間後のオークションに出したい。売却額をギルドと折半、いや、6:4でどうだろう?もちろん君が6だ。金貨20枚は堅いと、私は思うがね」


 この世界の通貨は、銅貨1枚が10円、大銅貨1枚が100円、銀貨1枚が1000円で、金貨1枚が100,000円だ。

 ってことは、銅貨1枚を差し引いても、えーと……電卓が欲しい……100万とんで7990円!

 オークションが終われば、少なくともあと120万円が手に入る!

 早起きした甲斐があったよ…!


「えー、そうですね、それでいいです。トパーズの分はオークションの後で、ということで…あ、一応一筆いただけますか?預かり証とか契約書とか」

「しっかりしてるな。だがそれがいい!」

「…カードと預かり証を用意しますので、もうしばらくお待ちください」


 エバンジェリンさんが出ていくと、口髭さんがニヤリと笑って


「久しぶりに面白い新人がやって来たものだ。いや面白い!俺が現役だったら、間違いなくこの場でパーティを申し込むところなんだが」

「だからそれは出来ませんって」

「わかっとるよ。だが君ならまた一人で、あっと驚くようなブツを持ち込んでくれるに違いない!それが楽しみでならないな」

「はあ。まあ、頑張ります。とりあえず次は、オークションが済んでから来ますね」

「ああ、待っとるよ!」


 そう言うと口髭さんは、ギシリと音を立てて椅子に深く腰掛けた。


「ああそうだ。引っ越したばかりで街は不案内だと言ってたな。エバンジェリンに案内させよう。食糧と布?だったかな?彼女なら店にも商品にも詳しいし」

「え、いいんですか?でもお仕事の方は」

「これも仕事の内さ。昼の待ち合わせはどこだね?食事なら美味い店を紹介しようか?」

「あ、いえ、今日は家で会うことになってるので。また次の機会にでもお願いします」

「家は街の外かい?あ、これは聞かない約束だったな、すまん」

「…いえ」


 軽いノックの音がして、エバンジェリンさんが戻ってきた。


「お待たせしました。こちらがカードです。本人認識と偽造防止のため、血を一滴カードにお願いします」


 指から小さな炎を出して、針を炙って寄越す。ふーん、これで刺せ、ってか。

 カードに血を乗せるとどういう仕掛けなのか、すうっとそれを吸い込んで、カードが淡く発光した。


「おお~」

「面白いだろう。これを考えた奴は偉いな」

「ですね~」

「…ありがとうございます。それでは簡単にご説明申し上げます。カードは個人証明書になりますので、必ず常時身に着けておいてください。冒険者のランクですが、最初はFランクからです。素材蒐集と持ち込みが主となりますと数をこなさないと通常はランクは上がりにくいのですが、希少価値のあるものや魔石など、高額で取引されるものを持込みされますと、その内容に応じてランクアップに反映されます。シルヴァイラさんならきっと大丈夫でしょう。それから、こちらが今回の素材買取料です。登録料の銅貨1枚は差し引いてあります。どうぞお確かめください」


 カードを手渡され、名前と目と髪の色と、人族とのみ記されているのを確認する。裏側にはリーニスタの銘。

 卓上には金貨10枚と銀貨が7枚、大銅貨が9枚、銅貨が9枚、と一目でわかるように並べられた。


「それと、こちらが預かり証です。宝石の内容と一部先払いの金額。それに後日残額をお支払することを記入しております。ご確認の上問題が無ければ、ご署名をお願いいたします」


 差し出されたそれを一読し、軽く頷いた後に口髭さんが署名する。


「では、次にギルドへ来る時にこれを持ってきてくれ。受付でエバンジェリンか私を呼び出してくれたらいい」


 手渡されたそれを読むと…んんん!?


『冒険者ギルド リーニスタ支部、 ギルドマスター ニトーキン』


 ブフォッ、と噴出さなかった私を褒めたい!


「ニトーキン…さん…(ニトーキンって!上腕二頭筋かっ!?)」


「おお、申し遅れた。俺はこのリーニスタ支部でギルドマスターをしている、ニトーキンだ。これからもよろしく頼む、シルヴァイラ」


お読みいただきまして、ありがとうございます。

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