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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

ちょっとくらいやり返してもいいよね?

作者: 月白
掲載日:2014/10/31

物凄く突然だけど、ここは王道なファンタジー世界のこれまた王道な学園。

…これだけで世界観はばっちりだと信じてるよ。

君にはその学園での私の苦労話を聞いて欲しい。まぁ、要するに愚痴だ。

聞き流してくれて構わない、とにかく喋りたくて仕方ないだけだから。


さぁ、美味しいお茶とお菓子をどうぞ。



… … …



まずは私の立場から。

私はこの学園の生徒会長…ちなみに王国の第一王位継承者だ…の親衛隊だ。

ファンという意味の親衛隊じゃあない。

会長の手足として動き有事の際には剣となり盾となる。親衛隊は生徒会役員にそれぞれ複数名つき、私達は仕える者としての働きを学び、生徒会の面々は上に立つ者としての働きを学ぶのだ。

実習で死人が出る事もあるし、瀕死の仲間を切り捨てる時もある。「そういう判断」も今の内から学べという事だ。


親衛隊には生徒会の面々を守る為として抜刀許可も与えられている。

なぜなら学園の中とは言え完全に安全ではないから。

だからと言って生徒会、親衛隊が好き勝手にしている訳ではない。

箱庭にすぎないが、ここは小さな国なんだ。普通の国と同じ、罪には罰が与えられる。


その事を、みんなちゃんと分かっている、と、思ったんだけどなぁ…。



… … …



ケース1

王道びーえる転校生


私達は我慢した。

生徒会も親衛隊もそりゃあもう我慢した!

あまりにも酷い電波な言動にぶちきれそうになりながらも、どこぞの国の暗殺者とかじゃないかと徹底的に調べた。

とんちんかんな思い込みに備品を壊しまくる無駄な腕力、話が通じなさ過ぎて演技か真正か精神魔法まで使った。


「無理しなくていいんだぞ!お前達は会長とか副会長とか、そんな役の前に一人の人間なんだからな!好きに生きていいんだ!」


いい訳あるかバカ野郎!!

どこぞの家柄は関係ない生徒皆平等、は他の学園だ!

この学園じゃそれは当てはまらないんだよ!


生徒会役員も親衛隊も、不自由や義務を覚悟と誇りを持って受け入れて学んでるんだ。義務を果たさずして何のための特権階級か!

その覚悟も誇りも踏みにじった上に唾吐きかけやがって!!


全て調べ終え、会長からGOサインが出た時はつい張り切り過ぎて電波野郎の腕を切り飛ばしてしまった。

他の隊員からブーイングされたがあの時は会長に手を伸ばしてきたんだから仕方ない。


その後?

私はお咎めなし、電波野郎は処罰を受けたよ。


… … …



ケース2

とりっぷ美少女 ~魔物になったよ~



あの時は不覚にも驚きから遅れをとってしまい、副会長の親衛隊の奴らに馬鹿にされたっけなぁ。

確かに反応の遅れは主君の命に関わる。もっと精進しなければ。そこそこ動けると思っていただけに実に悔しい。


いったい何が起こったのかって?


深い森での実習中の出来事だ。

私達は少しばかり強い魔物と遭遇してしまい皆必死に戦った。傷だらけになりながらも辛うじて生を勝ち取ったその瞬間、目の前に眩い光と共に美しい少女が現れた。

光が目に入って直ぐに会長を庇いはしたものの、膨大な魔力に暫し動けなくなってしまってね。

後方支援をしていた弓部隊の矢が無かったら、と思うと今でもゾッとする。


禍々しい黒髪に黒い目、絶命して直ぐに砂のような粒になり消えていった事から魔族だったと推測される。


なになに、人間じゃなかったのか、て?


あの魔力の質は魔族しか持てないものだ。あの場に居た全ての人間が警戒し、魔族相手にどうやって会長達を逃がすか、そればかりを考えていた。

生まれたてだったのか余程弱かったのか、幸いにも直ぐに打ち取れたから問題はなかったけどね。


咄嗟の判断力をもっとつけなければ、と深く反省した日だった。


… … …



ケース3

毒舌(笑)腹黒(笑)びしょうじょ



「その笑顔、嘘臭くて見るにたえないわ。ああ、私に何かしようなんて思わないでね。第一王位継承者か何だか知らないけど私の邪魔しないで」


まったくの初対面の少女が出会い頭に言ってきた言葉だ。

初対面ではあるが彼女の正体、身分は勿論把握している。そこそこの貴族の息女だったからね。

正直、剣を抜かなかった自分を褒めてやりたい。

周りに人が居なかったのが幸いした。誰かが居ればいくら会長が寛大であろうと即刻不敬罪で捕らえなければいけない。

いや、私としては今直ぐにそうしたいのは山々なのだが会長直々にストップをかけられている。


-まだ学生だから。


言いたい事は分かる。今ならまだ取り返しがつく事も分かる。

とは言え「主君」を馬鹿にされて怒らない「騎士」などいない、滅茶苦茶腹が立つ!


「あら、そっちの騎士様は飼い主の影に隠れるだけの無能なの?こんなに飼い主を馬鹿にされてるのに」


あ…会長の顔から表情が抜け落ちた。



そこからは早かったよ。

会長は彼女の言葉通り邪魔をしなかった…と言うより彼女をいないものとして扱った。

たった一人で腹黒(笑)とかできる訳がないよな。

次期王やその側近を怒らせたとして彼女を実家は切り捨てた。

彼女は誰に対しても同様の態度をとっていて擁護する者は極わずかだったよ。

普通に考えて、いきなり罵倒されたら印象は最悪だし常にそんな調子じゃ近づきたくない。


「~なの?(暗黒微笑)」

「すいあせんっしたああぁ!!」


とかやってたが、自分より身分が上の者にする事じゃないよな。

実家は勿論、ここでの身分も彼女は親衛隊より下だったのだから。


会長は、自分はまだまだだね、なんて苦く笑っていたが彼女一人だけで済ませたのだから十分だと思う。



… … …



ふぅ、いくらかすっきりした。

話を聞いてくれてありがとう。


ん?なんだなんだ、お茶もお菓子も口をつけてないのか、美味しいのに…。


白々しい?


あっははは!確かにそうだな、暗黒微笑(笑)の腹心君。

ああ、急に動くと……ほら、倒れた。

ネタばらしをすると警戒すべきだったのは茶や菓子じゃなくてここの空気だよ。

そう、香だ。


何であっさりバラしたかって?

君を私の犬にしてしまうから、かなぁ。

安心していいよ、君の中の事実をちょっと書き換えて、想いや忠誠の先をちょっと変えるだけだ。


「王様」にさえ手を出さなければ、彼女も君もこんな目にあう事はなかったのに…残念だったね。

次に目を覚ました時、君がどうなっているのか楽しみだよ。

…おやすみ。



ケースを増やさず続けるならノクターン行き。

主人公は男。

会長や側近、他の親衛隊も男。

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