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第十三夜
目覚めた美桜が目にしたのは泣きそうにこちらを見つめる黒月の姿だった。
美桜が起きたことに気づくと黒月は強く美桜を抱きしめた。
そして泣きそうに微笑んで言の葉を紡ぐ。
「よかった貴女が失われなくて本当によかった」
安堵の色を強くその微笑みは滲ませていた。黒月は告げる。
「分かりますか?貴女は七夜眠っていたのですよ」
その言の葉に美桜は驚き黒月を見つめた。
だけれどあの空間であったことを思い出し
美桜は黒月と同じものになったことを伝えなければならないとその唇を開いた。
だけれどそれは他ならぬ黒月の口付けにより封じられた。
優しい。だけれど自分を求めているのがわかる何処までも優しいkiss。
それにあがらうことが美桜にはできなかった。
互いの唇がはなれ二人は互いに酔いしれる。濡れた唇がどこまでも艶めかしかった。
そして黒月は歓喜を隠さぬままに美桜に告げる。
「君は選んでくれたのですね?」
「私と同じものになることを」
その問いかけに美桜は微笑むことで返答とした。
黒月は美桜の手を取り手の甲に口付けた。そして誓いの言の葉を囁く。
「貴女を愛しています」
「どんなものよりもなによりも」
「貴女が私にとって尊いのです」
「どうか私に貴女を護らせて」
その言の葉に美桜は微笑み黒月の手を取り同じように口付けた。
そして二人の影は一つとなった。




