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第十二夜


美桜は眠り続けていた。美桜にわかるのは傍に黒月がいることと囁く声が聞こえること。


もうすぐだよ。そう声は囁く。其れに問いかけることもできずに美桜の意識は塗りつぶされていた。


白い空間に気づけば美桜はいた。そして美桜の前には白い何処までも白い少女がたっていた。


美桜に気づくと少女は喜びを露わに美桜に話しかけた。



「来たんだね異世界の愛し子よ」



「愛し子?」



その問いかけに少女は答えることなく言の葉を紡いだ。



「今貴女には選択の時が訪れている」



「選びなさい神か人かを」



その言の葉に美桜は強い眼差しで問いかけた。



「黒月と共にずっといられるの?それを選べば・・・」



「貴女は選ぶんだね原初の子を?」



その問いに美桜は頷いた。強く想いを籠めて。



その答えに白い少女は微笑んだ。そして紡ぐ祝福の言の葉を。



「ありがとうあの子はずっと独りだったからとても嬉しい」



「貴女に世界の祝福を」



そしてあたりを包むほどの光が照らしつくした。美桜が覚えているのはここまでだった。


白い空間に残った少女が嬉しそうにその双眸から涙を流していることは誰も知らない。


少女は意志だった。世界の意思。其れゆえに此処から動くこともできずに


同じ存在の黒月に会うこともできずに独り生きていた。


だけれど其れは今報われた。少女のその涙が何よりもの証だったのだから。


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