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第十一夜
涙を静かに流し続けていた黒月は今は美桜に寄り添うようにして寄りかかっていた。
そして何も語ることはなく美桜の傍らにあった。その温もりが愛しかった。
沈黙は不快ではなくむしろ心地よかった。其れは黒月も同じなのかこの沈黙は今まで破られてはいなかった。
寄りかかっている黒月の頭に手を伸ばし撫でる。そうすると黒月は心地よさそうに目を細めた。
可愛い。そう素直に思う。本当に黒月が生まれてくれてよかった。そう強く思う。
貴方はずっと独りだったなら今度は私が寄り添うから。
でも今は告げることはせずこのひと時を愛させて。そう穏やかに思う。
別たれることはもうないのだから。不思議とそう思う。
もうすぐ同じになるのよ。そう自分に囁く声に気づくことはなかった。




