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『エリィ、お酒飲み過ぎると身体に悪いよ』
知ってるって。でも、聖書にかいてあるじゃねぇか。汝敵を愛せよって……
『もう、屁理屈ばっか。ねぇ、お酒飲んでないでどこかに出かけようよ』
子供みたいだな。
『子供だもん。………ごめんね』
あ?
『ボク、子供産めなくなってごめんね』
何だいきなり。その話止めろって言っただろ。
『だって、エリィ、あれからちょっとお酒増えた』
そんなこと……あーあー、悪かった。ちょっと考え事していただけなんだ。
『考え事?』
まず先に言っておくが、俺が一番大切なのはお前だ。
『……う、うん』
子供は残念だったけど、それは些細な問題だ。
『………』
でも、お前は気にしてる。流産したこと、黙っていて、いなくなって、散々俺に心配かけさせるほど気にしてる。
『ご、ごめん』
だったら、お前の身体治せないのかって思ってたんだ。
『エリィが?』
馬鹿。医学知識はあっても半端な俺が出来るわけないだろう。そうじゃなくて、ちゃんとしたところで調べてもらって、ちゃんと治療すればひょっとしたらと思ったんだ。でも、あんまり目立つこと出来ねぇし……その、お、俺としてはお前がいれば別にいいし、俺の子じゃなくても………ちょ、お前っ、何泣いてるんだよっ
『ごめん、でも、何か嬉しくて』
はぁ? な、何言ってんだよ。
『エリィ、ボク幸せだよ。ボクもエリィがいれば幸せだよ。あのね、怖かったんだ。エリィに嫌われるんじゃないかって。子供産めなくなった事より、それが怖かったんだ』
馬鹿……俺がお前を嫌う訳無いだろう。鼻水拭けよ。それじゃキスも出来ねぇ。
『うん。………エリィ』
何だ?
『あのね………』