日々の1 その4
ゲームは進行し、最初にあがったのは飛鳥。
俺のカードは残り3枚、姫理は2枚。
俺がジョーカーを持っていて、現在姫理のターン。
つまりここで姫理にジョーカーを引かせなければならないのだが・・・
「さ、おとなしく罰ゲームを受けるがいいわ」
「それはこっちの台詞だ」
なぜなら、俺は絶対に負けない。
理由。姫理はやっぱり幼い。つーかある意味すごい。
ここ何ターンか確認したが、引かせたいカードをちょっと他のより高く持てばそれを引く。
また、顔に出る。
この漫画みたいな二つの要素に気づいた俺が勝つことは容易い。
いくぜ!必勝法その一!
俺はジョーカーを他二枚より高く上げ、姫理に向ける。
「ほら、引け」
「ちょっと待ちなさい・・・これね!」
そうして引いたカードは・・・俺の狙い通りジョーカー。
「な・・・何故!」
何故って・・・気づいてないからすごいよなぁ。
もはや天然記念物級の弱さ。
「じゃ、俺引くわ」
言いながら俺は、適当にカードに触る。
とたんに姫理の顔が明るくなる。
落胆の後だから余計目立つ。
俺はそれを引くように見せて・・・
隣を引いた。
もちろんカードはジョーカーではない。
「俺の勝ちだな。姫理。それじゃ、罰ゲームカードを引いてもらおうか」
俺の隣にいた飛鳥が耳打ちしてくる。
(ヒーちゃん酷い・・・そこは負けてあげるのが男でしょう?)
(ぐっ・・・しかし、あいつの事だからあの罰ゲームボックスにはきっとゴキブリとか焼くとか、色々あるに違いない!)
(すごい罰・・・まるで某ホラー小説だね・・・)
と、言って飛鳥は姫理に言った。
「今日は初めてだし、罰ゲームはなしでいいよ。ねっヒーちゃん」
「ああ・・・」
何故こんな簡単に承諾したかと言うと、
姫理がまた目が潤み涙を出しそうだからである。
「・・・そうだよね!初めてだし罰ゲームはいいよね!」
これで、今日はお開きとなった。
帰り道。
姫理はなんだか用事があるそうで、先帰り。
つー事で飛鳥と帰る事に。
「それにしても姫理ちゃんおもろいねー
あの子いると退屈しないね、多分」
「そうだなぁ・・・けど疲れる」
ははっ、と飛鳥が笑う。
「それは慣れだよ、慣れ」
慣れる時がくるのか・・・?
「まぁそれはともかく、俺は飛鳥がこの高校に来ていたことに驚いたがな。
親は反対しなかったのか?」
「う〜ん最初は色々言われたけど、最終的には折れた」
「そこまでしていきたい理由があったのか?」
と、聞いた所、
「秘密だよ〜」
と、言ってきた。まぁこれ以上は何も聞くまい。
その後はくだらない中学の事を話し、飛鳥の家の前に着く。
「ばーい、ヒーちゃん。また明日ね〜」
「おう。また明日」
そっけない別れ。
俺は飛鳥が家に入るのを確認し、歩き出した。
今日の教訓
姫理は負けさせると泣きそうになるので、極力ビリにするのは避ける。
しかし、泣き目の姫理はまた、かわいいので見たいならやるべし。
と、言うことで一話が終わりました。
この先もこのような話しかありません。
くだらないですがこの先もよろしくお願いします。