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いつかの風を綴る文 peaceful merry life☆  作者: とろろ


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6/6

だいたいキャブのせい

荒地開拓の重要な相方、草刈機が突然止まった!

文乃は草刈り作業が進められずにうろたえてしまう。

だが、これこそが文乃の新たなステージへのきっかけだった。

ブゥン、ブゥン、ブゥン、ブゥン、

........、


ブゥン!、ブゥン、!ブゥン!!、、、、


ブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンっっっっっ!!!


あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!!!


ブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンッッッッッッッッ!!!!


うがぁぁぁぁぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!!!


ゼェ、ゼェ、ゼェ、ゼェ、ゼェ.........


文乃「エンジンがかからぬ...。」


文乃は困っていた。


さあ、今日も張り切って草を刈ってやんよと意気込み、意気揚々と草刈機のスターターを引っ張るが......、


まるでかかる気配がない。

いつも使っていた草刈機が動かなくなったのだ。


文乃「あぁ........、最近調子悪いとは思ってたけど....、草刈れないじゃんこれじゃぁ...。」


尚も文乃はエンジン始動を試みる。


文乃「ふんっ!ふんっ!ふーんっ!!」


懸命にスターターを回すが、一向にエンジンがかかる気配はない。


文乃「..........もうレモンサワーデーにしちゃおうか...。」


文乃は意気消沈し、この日の全てのやる気を失い、燻製を作り始める。

もちろん、お酒も嗜み始めた..。


と、お昼頃になり、寿喜が訪れる。


キィッ、バタン!


寿喜「おつー、燻製作ってんの?俺にもくれろ♪」


文乃「あ、寿喜おつ。良いよ、もう出来てるから食べな。」


寿喜「昼間っから酒盛りとはよかねー。あ、今日泊まるから俺にも酒ちょーだい♪」


文乃「冷蔵庫の中から好きなの取りぃ。」


そうして、しばらく団欒する。


寿喜「開拓作業は、だいぶ進んどっごたっね。草切ってやれば、こぎゃん広かったたいねー。」


文乃「あー.....、!、そうだ!それそれ!寿喜にちょっと見てもらいたいのがあるの!」


寿喜「ん?なに?」


文乃は草刈り機を持ってきて、寿喜に見てもらう。


文乃「これ、動かんくなったんよ。寿喜わかる?」


寿喜「ほう?どらどら?ふん!ふんっ!....スターターでは起きんか。こりゃ、カブッとるんかな?」


寿喜は手慣れた手つきでプラグを外し、それに付着している液体を拭きとる。

次いで、スターターを空回しし、再度元の通りにはめ込む。


文乃「それ、なにしたの?」


寿喜「プラグってさ、燃料ぶっ被ると点火しなくなるんだよね。だから、プラグ自体を拭いてやるのと、スターターをカラ回しして、燃焼室の中の燃料を飛ばすんだよ。」


寿喜「で、とりあえずこれで回すと....」


ブォンブォン!!ボボボボボボッ!!!

寿喜が数回スターターを回すと、エンジンが起こる


文乃「あ♪かかった!すごー♪」


寿喜「だいたいこんな感じでかけることできるから」


寿喜はスロットルを回し回転を上げる....が、


ブォンブォンブォォォォォン!!!

....ブォブォンブォボボ...ボボ...ボボッ....、プスンッ


寿喜「ありゃ、吹かねえな」


文乃「どったん?止まったね」


寿喜「もっかい。」


寿喜はエンジンをかけ、スロットルを調整する。

だがスロットルを上げるとエンジンが一定以上に吹け上がらず、それどころかエンジンが止まろうとする。


文乃「あ、そういえば最近吹け上がりが悪かったんよ。」


寿喜「なるほど〜、あー、こりゃキャブかなぁ。」


文乃「きゃぶ?なんなん?それ?」


寿喜「この手の機械で、一番重要なパーツだね。調子悪りー時は、だいたいこっが悪かねー。」


文乃「ほぉー、どがいなパーツなん?」


寿喜「ほじゃ、酒飲む前に教えてやろうかねぇ。」


寿喜は工具を持ってくると、慣れた手つきで草刈機のエンジン部分を分解し始める。


文乃「わー、慣れとるねぇ。部品の取り付け方、解らんようにならんかね?」


寿喜「ハマるようにしかハマらんけん大丈夫と思うばってん、念の為、こうして並べよったい。」


文乃が見やると、トレーの中にパーツが綺麗に並んでいる。


そして寿喜が一つの金属ブロックを取り出して見せてくる。


寿喜「ほら、これ。これがキャブ。」


文乃「ほおー、これがキャブ....。で?キャブってなんなん?」


寿喜「こいつの役目は、燃料ば送るポンプみたいなもんたい。その穴がまた極細の穴だけん、ちょっとしたこつでん詰まっとよ。」


文乃「ふーん。直るん?」


寿喜「掃除せんといかんけど、すぐ直るよ。」


文乃「ふーん、ねえ、この分解、うちにもできる?」


寿喜「覚えれば誰でんできるようになるよ。原動機のほとんどの不具合はだいたいコレだけんね。覚える気ある?」


文乃「うん、教えてもらおうかな。...明日!!!」


寿喜「今日じゃないんかいw」


文乃「だってぇもうお酒飲んでるしぃ。飲酒運転はいけんけえね♪」


寿喜「なんの理屈だよwまぁ、俺も酒飲みたかけん明日教えるわ。」


そう言ってとりあえず寿喜は草刈機を現状のまま組み直し片付ける。


寿喜「ちっと時間取れたけん今日は、飲むぞー♪」


こうしてこの日は、姉弟仲良く燻製とお酒を楽しむ。

そして次の日。


寿喜からキャブ掃除の手解きを受け、文乃はキャブについての知識を得ることとなった。


....

.....


寿喜「それぞれ形は違うけど、基本仕組みは一緒だ。」

寿喜「とにかく、このネジの回転数を最初に確認して、覚えておくこと。」

寿喜「とにかくキャブ触る時は、力入れんごつせなんよ。パーツ吹っ飛んだりパッキン破っと終わるけんね。」


寿喜「それからこの針、まじ無くしやすいから必ずこのパンの上でやること。無くしたら、あうつ!」

寿喜「そして、バラしたら、それぞれ丁寧に慎重に洗う。」

寿喜は嬉々として、キャブを取り外しバラしていきながら説明をする。


文乃「なるほど〜、とにかく物を無くさず、何度もやって慣れろってことね〜。」


寿喜「うむ、パーツ。形状、仕組みに慣れる。これに勝るものはねーなぁ。」


寿喜「そしてこれを取り付けて....。」


寿喜がエンジンを回す...、掛かった、そして吹け上がる!!


文乃「おーー!回った!完全復活!!」


寿喜「な、エンジンかかんねーときはカブッてる、エンジン自体が不調なら、だいたいキャブが汚れてるかな。」


文乃「だいたいキャブのせいって、覚えておけば良い感じね、バッチリよ、手順も覚えたし。」


寿喜「じゃあ、俺会社に行くけん、怪我せずやれよ〜」


文乃「おー、いつも助かる♪お前も気いつけよぉ〜。」


文乃は手を振って見送る。相変わらず頼もしい弟だ。


文乃「.....、さて、開拓開始だ♪キャブ、ものにしたぞ!」


文乃は新たな知識を会得し、自信をつけて作業に臨む。


文乃「いくつになっても勉強ね〜。暇を持て余している時間なんてないわね♪」


快晴の空の元、草刈り機の軽快なエンジン音が響く....。

人は資格や知識を得るとなんだか自信がつくもの。

ささいなことでも取り組んでゆこう、積み重ねは小さくても確実に自信を強くする。

明日の自分は、きっと今日より成長している。

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