夏祭りと花火大会と幼馴染
昔、異性の幼馴染がいた。
小学生のころはそこまで仲良くなかったが、中学生になりクラスが一緒になってから仲良くなった。
彼女は私の髪を触るのが好きな人だった。正直『何が面白いのか』と当時は思ったものだ。
刈り上げの部分を触るのが好きならしい。
互いの家は近所にあったため、一緒にゲームをして遊んだ覚えがある。
しかし創作物のように頻繁に交流を持っていたわけではない。
たまに一緒になって遊ぶ関係性だった。
その二人は高校生になる。
通う高校は別だったが、それでもたまに遊ぶという関係は相変わらずだった。
そして夏が訪れる。
話の流れで一緒に夏祭りに行かないかということになった。
私は面白そうだし行くか、と返答する。
しかしその夏祭りは駅前にある商店街で行われており、夜ということもあり危険性を考慮し自転車は使えなかった。
なので二人は徒歩で二時間ほど掛けてその夏祭り会場へ行く。この移動時間は片道である。
その後、私ら二人は夏祭りを堪能した。
しかし記憶が曖昧で、夏祭りの場でどんなやり取りをしたのか覚えていない。
花火が打ちあがる。
空に光の花が咲いた。
イベントが終了したということで、また片道二時間の道のりを歩くことにする。
当時は冷夏ということもあり、その日は結構寒かった。
明らかにその幼馴染は寒そうにしている。
そこで私は羽織っていた上着を彼女に渡した。
Tシャツ一枚になった自分が寒かったのは言うまでもない。
やせ我慢しつつ、彼女と会話をしながら私たちは帰路に就いた。
そんな、お互いに恋愛感情を抱かなかった幼馴染同士の夏の思い出。
作中には出てませんが、実はもう一人幼馴染が居ます。
ようは三人で遊んでいたんですね。
なおどちらに服を貸したかまでは覚えていない。