月銘乃者
科学都市《天命》 都市の光は消え闇に乗じた夜の中それは起きた
広々とした研究室の中には白髪隻眼の女性が入ったカプセルがあった。
「Bブロックの数値が跳ね上がってます!」
「緊急冷却装置、急げ!」
「無理です!展開が間に合いません!!!」
部屋全体が紅く染まり警報が鳴り響く
エネルギー吸収装置は周りにあるものを全て呑み込まんと
暴走を始めている
「被検体が目を覚ましました!」
「「な、なんだォォォォ!!?」」
カプセル内の女性が目を覚まし、暴走なのか
苦しんでいる
「血清投与急げ!」
「早くβ値を下げるんだ!」
研究者達が慌てふためく中後ろで傍観していた金髪の男性は不敵な笑みを浮かべていた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「月乃しゃ〜ん、ちょっと休みましょー?」
狐耳のメイドがフラフラと歩くが
休憩は先程取ったばかりだ。
「何言ってるんの?さっき取ったばかりじゃないか」
「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
「はぁ…街まであと少しだから頑張って☆」
僕達が目指しているのは科学都市《天命》
そこに行って念願の戦士の書を貰いに行って自分の部隊を作る…!
付き添いに来たメイドの神子はまぁ、渋々着いてこさせた。
まぁ、多い方がいいし?
弱音を吐いているが気にもかけず先を歩く
「ちょ、…待って、置いてかないでー!」
……うん、走るか!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜科学都市《天命》〜
白くそびえ立つビル群は発展の度合いを表し
大都市である事の証明をしていた。
「わぁ〜!圧巻の景色ですねぇ〜」
流石の景色だと、言わんばかりだ。
ビル群の麓は人々でひしめき合い
戦士ギルド、通称《戰技会》は数多の旅人で賑わっていた。
「目指す場所は……ふむ、あそこか。」
持ち前のマッピング能力の高さを活かして
人混みを掻き分けていく
戦友会の建物はの良くも悪くも中世ヨーロッパ風の建物でいかにもな雰囲気を漂わせていた。
中に入ると酒と血の匂いで溢れかえっている。
「ヴっん…ちょっと…キツいっす」
狐特有の嗅覚過敏により立ちくらみが引き起こされる
「大丈夫か?」
「〜〜!! 月乃ちゃんに抱かれたら元気出るかも゛ッ!
とりあえず無言で張り手かましといた。
頬を押さえて悶絶している変態は置いといて
さっさと受付を済ませるか
受付まで行くと メガネをかけた麗人が出迎えた。
「戰技会へようこそ!ご要件はなんですか?登録ですか?依頼ですか?」
「部隊を創りたい。初期メンバーは僕と…このメイドで。」
部隊を創る事すなわち国の戦力が増える事であり多額の報酬や高難易度の依頼ができるようになる。
しかし命の危険は跳ね上がる事になる。
高ランク部隊は国から直々の表彰を受けれる事になる
ランクは
ブロンズ→シルバー→プラチナ→ダイア
の順になっている。
ダイアになると国の軍事顧問になれたりするか前例は無い。
「申し訳ございません(汗) 部隊創設するには戦士の書が必要になるのですが…お持ちですか?」
………そんなの聞いてない。
「私はあります」
神子は胸ポケットからシュッと取り出し受付嬢に見せる
そして僕にニヤついた顔で勝ち誇ってきた
(こ、こいつ……後で絶対ボコす)
「もしかして書を紛失されましたか?それなら再発行しますが…」
面倒臭いしそういうことにしておこう☆
頷き再発行してもらう事にする
「身分を確認できるものの提示を求められたので弓を提出しておく。
僕の血が練り込んであるしいけるか。
「つきのれいかさん で宜しいですか?」
「いや、澪香は余計。ただの月乃だけど。」
「?ですが書にはそう………まぁ、言えない理由があるのでしょう!」
ふむふむと呟きながら嬢は作成を進めていく
「はい!これで終わりました…ってダイヤ級!? 月乃さんすごい方だったんですね!」
!?!??
あ、あれぇ…?僕なんにもしてないんだけどなぁ〜おかしいなぁ。
(…え、月乃しゃん、いつの間に進めたの?)
(ぼ、僕にも分からない……)
「これが戦士の書となっております!…wちょっと格好が変わってますが…ww」
何を笑うのよと照明画像を見てみたら獣耳が無かった。
ダレコイツ。僕のそっくりさんじゃない?
「ま、まぁちょっとイメチェンってやつをね」
「なるほど!いい趣味だと思いますよ!……w」
をい。笑ってんじゃねぇぞ
そしてヨダレ垂らしてる神子テメーはダメだ。
ちょっと記憶にない事があったが無事作成
ギルドを後にした。
街を出て数分
僕らの拠点を決めようとフラフラと歩いていた。
「月乃さん!アレアレ!あのでかい木!いいんじゃないですか?」
そう神子が指を刺したのは50mくらいのクソデカ大木。
ふーむ。あれならよさげか。
「あれにしようか。日も暮れてくるし急ぎで。」
「ほーい」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
大木の麓は急な斜面になっており結構体力を使った。
「はぁ……はあ……疲れるな…」
「なるほど…こりゃ確かにでけぇ」
街も一望できるし拠点にはもってこいだな
「さて夕飯にしようか神子………神子?」
神子の姿が見えない
感覚を研ぎ澄ませ集中する……
!後ろっ!
「む、バレたか。メイドさんには眠ってもらった、大丈夫だ。怪我は加えていない」
ねずみ色のコートに銃を構えたその男はこちらを向き姿を見せた。
「神子を解放しろ」
こちらも弓を構えた戦闘態勢をとる。
「構えたこちらが言うのもなんだか戦士の書を見せろ。 見せないのなら撃つ。メイドも道ずれだ。」
「見せたら解放するか?」
「ああ。」
不気味なほどあっさりとした要求
……罠か?いや、敵意はあるが殺意は感じられない
賭けてみるか。
腰の弾帯から先程作ったばかりの書を取り出し地面に置く。
もちろん、弓は構え視線は外さない
拾うまでもだ。
「…ふむ。先程作ったばかりの新人か。 特に怪しい経歴も無し…まぁいいだろう。」
そう言うと相手は銃を下ろした
「書は偽装はできない。しようものなら灰になるからな」
そう言いながら腰から小さい箱を取り出し開いた。
すると空間が割れ、中から神子が出てきた
「?あれ?月乃さんと……誰このおっさん ナンパですか?殺しますよ?」
「俺は亜細だ。 あそこの研究所の職員だ。ちょっと色々やらかしてな追われてたんだ。
警戒していたのもそのためだ。すまない。」
そう言って頭を下げた。
「そちらの事情は把握した。僕は月乃。こっちは神子だ」
「よろしく頼む。」
「こちらこそ」
「先程書に書いてあったがあんたらは部隊のメンバーを募集しているんだってな?」
「ああ。」
「それ、俺も入れてくれないか?奴らの目をくらませる」
「ふうむ…見返りは?」
「……奴らの裏情報を提供する。これは国が滅びる事態だ。」
「面白い。いいだろう、君を歓迎しよう」
「ありがとう。」
こうしてメンバーに亜細が加わった。
この3人が後々国家の未来に関わることは誰も予想出来なかった………
続きません。
初投稿です。 続きません。
感想等しっかり今後の参考にしたいので、良ければお願いします