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僕は、見知らぬおじさんをペットとして飼っている。

作者: 七瀬








僕は見知らぬおじさんをペットとして飼っている。

僕の住むマンションでは、ペット禁止でペットが飼えない。

それなら? お手伝いさん兼ペットとして見知らぬおじさんを

家で飼う事にしたんだ。

僕と一緒に同居しているおじさんは、、、?

僕がたまたま通りかかったお店で見つけたおじさんなんだよ。

そこのお店では、身寄りのないおじさんやおばさんが売られていた。

この人達を買う代わりに、いろいろと条件があり書類にサインをさせ

られたんだ。





・・・まあ、戸籍がないとか? 

いろんな事情で働くことができないとか、借金取りに追われて身を隠す

ところがいるとか、そういう、いろいろ理由だよ。

僕は店員さんにすすめられて、【初めて飼うおじさん】ということで、

比較的飼いやすいおじさんをすすめられたんだ。

そのおじさんが、今僕と同居しているおじさんだよ。

僕と同居しているおじさんは、僕に従順でいつも穏やかで優しい人。

ペットとしても、物凄く僕に懐いているし、家の事も完璧に家事をして

くれるおじさんなんだ。

【主夫】の鏡だと思うほど、僕の理想通りに家の事をしてくれる。






以前、僕と付き合っていた彼女は家事ができない女性でね。

料理も下手で洗濯をさせたら? セーターが縮むし掃除も適当だから

ホコリが溜まってる所もあったりして...。

僕はどちらかというと、【潔癖症】で綺麗好きだから。

その時、付き合っていた彼女とは直ぐに別れたんだ。

彼女の事は、好きだったけど? 家の事ができない女性ひとなら

結婚したら上手くいかないと思って別れたんだよ。

あれから好きな女性もできず、一人で居る時間を満喫していたけど?

仕事が忙しくなり、なかなか家の事ができなくなったんだ。

そんな時に見つけたあのお店で飼ったおじさん。

本当に素晴らしいよ、おじさんは僕の相談相手にもなってくれし。

家の服も、僕が何も言ってないのに同じハンガーを使って色の薄いモノ

から濃ゆいモノに服をタンスに片付けてくれていたんだ。

掃除も完璧だし、ホコリやゴミ一つないだよ。

料理も僕の安月給で買える食材で、高級レストランに出てくる

ような料理を作ってくれるんだ。

おじさんは、【完璧なおじさん】だった。

それに、僕に物凄く懐いてくるからなんだか凄く可愛く思えている。

始めは、50過ぎの中年オヤジで少し小太りの髪の薄い小汚いおじさん

として見ていたのに、今ではおじさんが居ない生活なんか考えられない!

一応、書類の契約上! おじさんの過去の事やおじさんの事を聞くのは

禁止になっている。

だから名前も、僕がおじさんに付けてあげたんだ。

名前は、【ジョセフ】カッコいい名前だろう!

僕が子供の頃、もし犬を飼えたなら? 【ジョセフ】と名前を付けた

かった事を思い出しておじさんに付けたんだ。

その頃も、家はマンションでペットは飼えなかったから...。

今では、僕はおじさんを連れて何処へでも行くよ。

ペットが禁止の旅館でもおじさんならOKだし!

おじさんに可愛らしい服を着せて僕の彼女気分にさせる事もあるんだ。

おじさんは、僕が言う事は嫌がらないから何でもしてくれるんだよ。

おじさんさえ僕の傍に居てくれれば、“彼女なんか僕は要らない!”

おじさんは、僕の大切なパートナーなんだ。

これからも、おじさん! 僕と一緒に居てね!





















 *



『ウチのご主人、ホントめちゃめちゃだ!』

『えぇ!? なんでだよ!』

『俺にフリルの服を着せて、その格好で外に俺を連れ出すんだぜー!』

『・・・確かに、お前んとこもかなりヤバい奴がご主人なんだな、』

『オマエのところはどうなんだよ!』

『ボクは、毎晩ご主人がボクにSMごっこをさせるんだ!』

『マジか? 変態過ぎんだろう!』

『まあ、身寄りのない俺たちだから何も言えないだけなんだけどな、』

『それをいいことに、好き勝手しやがって!』

『“ペットというよりは奴隷だよ!”』

『何も、申すまい!』

『そうだな、』

『・・・あぁ、』




最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] こんなおじさん欲しいと思ったら 最後はブラックですね(^^;) こんな後味 好きです(*^。^*)
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