第零集:プロローグ
――五百年前に遡る話だ。
人間は罪のない、母親想いの赤鬼の子供を二人、嬲り殺しにした。
火山が生んだ自然の渾沌、鬼界の火鬼は報復としてまず、人間の心臓を三百抉って燃やし、赤鬼の子供が成し得なかった三百幸石を、地上に積み上げた。そして裁断で下界に降りた神官五人の心臓を抉り、食らい、魂を消滅させた。
天地、宇宙、万物の創造主、一呼吸で森羅万象の歴史と未来を見透す天帝の天上皇は、事の発端を垣間見、情状に酌量すべき点も含め、火鬼を封印したのだった。
――五百年後の現在。
天上皇が数年に数回訪れる深い眠りに入ったタイミングで、火鬼を封印する六枚の神札の効力が弱まっていると天上界に報告が上がる。
天上皇の謂わば代役で地上に降り、封印の確認をし、新しい神札に変える任務は重大で、誰も名乗りを上げなかった。
ただひとり、天上皇創りし最後の男神、上位神タリアを除いては――。
タリアは任務を遂行すべく地上に舞い降りた。
立ち寄った村で、すでに封印が解けていた火鬼、焔と出逢うことになる。
偶然は必然を呼び命运を結び付けた。
焔を助けたきっかけで二人は急接近し、恋仲になったのだ。
二人は天上皇の許しを得て、地上で新たな生活を開始し、新しい二人の関係性を築き始めていたのだった。
最後まで読んで頂きありがとうございます(*´Д`)
今日から第三章になります。プロローグで短くて申し訳ないです<(_ _)>
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