第十集:エピローグ
天地、宇宙、万物の秩序と調和を創造した人知を超える絶対的存在、天帝、天上皇は大地の土より人間を創った。
――名はアダムと言う。
そして天上皇は凛々しい七色の天声で、自分に最も近しい崇高で穢れ無き上位神に命令した。
「――私が前途を祝したアダムに跪拝せよ」
光りを司る男神ルキと、行動を司る男神リイガウは、これを拒んだ。
何故、尊い炎で降誕した高潔たる神が下等な土で新生した人間に跪かなければならないのか?
全きものの典型で知恵に満ち美の極みであるルキと天啓と智恵に溢れエデンの園の統治者リイガウは、傲慢と嫉妬、自分の意志を交えた複雑な感情で堕神に堕ち、天上皇の雷で天上界を追放された。
地上は下界と名付けられ、人間の住まう場所となる。
故に彼らは天と地の狭間の異空間を切り裂き、奈楽界を築き上げた。リイガウの誘いで堕ちた数百の下神達もそこを縄張りとして生きている。彼らはルキを堕ちた輝く王、輝堕王と呼び、崇め、掟のない自由と平等を手に入れた。
あれから数千年、彼らが患う想い、日々は変わらない。
「――おかえりルキ、遅かったな? どこに行ってたんだ」
「――ああリイガウ、ただいま。タリアの結婚を祝してきた。あとタリアの手料理食って酒飲んで、んで散歩して帰ってきた」
「……は? 結婚? タリアを傷付けた堕神の件は聞いたが、結婚の件は聞いてねえぞ私は!! しかも手料理だ!? タリアの桜舞殿にお前が――、ってことは天上界じゃあねえ……――アイツはどこで暮らしてんだ!? 結婚相手はどこのどいつだ!!」
「寝る」
「てめえルキ!! 私に話していないことが山ほどあるだろう!? 待ちやがれ!!」
姿形が闇で隠れて見えないリイガウの怒号が、薄暗い奈落界に響き渡る。後日、しっかりリイガウはタリアの結婚を祝福しに下界へ赴いたのだった。
おはこんばんは、白师万游です(*'▽')
最後まで読んで頂きありがとうございます!
一応の話はここまでになりますが、
ちょくちょく書くと思うので、完結、の形にはまだしない予定ですお許しを( ˃ ˂ )
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