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桜紅初恋(オウコウ・チューリエン)1月24日番外更新☆  作者: 白師万遊
┈┈••✼✿桜の章✿✼••┈┈
112/134

第二集:上位神

 

 「――、てなワケで俺達に弟か妹ができる!! 各自、可愛い末子(まっし)にどんな希望を贈ってやるか決めておけ!!」


 上位神(じょういしん)ルキが仁王立ちで、天上皇(てんじょうおう)御心(みこころ)簡略(かんりゃく)に伝えた。眼前(がんぜん)にいる十二枚の翼を畳んだ上位神(じょういしん)達は、唐突な報告で一様に放心状態だ。彼らは長男の命でエルの宮殿、内城(ないじょう)南に位置した厳かで静寂が漂う、斗拱(ときょう)の建築構造、正風殿(せいふうでん)に召集され、いまに至る。

 正風殿(せいふうでん)は反り屋根で瓦は白い。外壁や柱も白だ。彼らが通された一室も床や壁は白いが、天上に精密で繊細に描かれてある竜や鳳凰(ほうおう)の色は青い。


 ルキの発言で沈黙が落ち、刹那、彼らは叫んだ。


 「うっしゃあああ!!」


 「やったああああ!!」


 男神(おがみ)(こぶし)(かざ)し、女神は抱き合い、喜んびを表した。


 「きっと弟だぜ!!」


 先陣切って予想をする男神(おがみ)はシュトリアだ。地上に雨を降らす役目を担った神、慈雨(じう)を司っている。一重瞼(ひとえまぶた)でキリッとした切れ長の目元、高い鼻筋に小鼻、小顔でシャープな顔立ちだ。服は上衣下裳(じょういかしょう)雄黄(ゆうおう)漢服(かんふく)(えり)や帯は路考茶色(ろこうちゃいろ)、靴は黒い長靴(ちょうか)を履いていた。蒲公英(たんぽぽ)色の長髪だ、前髪も同じ長さになる。親指を立てた彼の身長は210㎝と大きい。


 「え~僕も僕も~!! 弟に一票~!!」


 シュトリアと同調する男神(おがみ)はラファフィルだ。身体と精神を癒す役目を担った神で治癒を司っている、地上の自然活動に力を入れていた。二重瞼(ふたえまぶた)若緑(わかみどり)眼睛(がんせい)山根(さんこん)鼻背(びはい)鼻尖(びせん)が整う鼻の鼻翼(びよく)は狭い。鉤眉(かぎまゆ)が印象的だ。服装は常磐色(ときわいろ)漢服(かんふく)上衣下裳(じょういかしょう)で生地は(シルク)と光沢感がある。

 前掛けは白い。靴は黒い長靴(ブーツ)だ。若緑(わかみどり)の髪は短髪で背丈は189㎝、細身だが体格はいい。


 「やっぱ弟じゃんね!! 僕も仲間~!」


 ふたりと一緒の意見の男神(おがみ)がいた。時間を司る神、クロスだ。天地の時の流れを正す役割を担っている。黒いリップを塗った唇、顎下(がっか)に脂肪がない曲線美の(あご)上顔(うえがお)濡羽色(ぬればいろ)の髪、刈上げマッシュヘアの前髪で見えない。服は上衣下裳(じょういかしょう)濡羽色(ぬればいろ)漢服(かんふく)を着用していた。長靴(ちょうか)も黒く、全体的に黒で統一されてある。

 身長は197㎝、手足はすらりとしていて体型がいい。左手に持つ約180㎝の杖は時空の杖だ。先端に付いた、高波動エネルギーを有する高品質の水晶は透明で美しい。


 「んまあ、俺も弟だな。イジりがいがなきゃつまんねえ」


 (ひね)くれた要素を含ませ独言(どくげん)する男神(おがみ)はシリスだ。大地の死と復活を促す役目を担った神、生命の死を司っている。彼は白いフードが深いローブマントを纏っていた。表情は一切、窺えない。手元も長い袖口で覆われている、(すそ)もマキシマム丈と引き摺っていた。背丈は2m30ある。


 「はあ!? 弟!? 妹だっつの!! 妹がいい!!」


 女神を希望する男神(おがみ)はキッドだ。川を絶えず流す役目を担った神、増大と水を司っている。二重瞼(ふたえまぶた)藍目(あいめ)、目鼻立ちがいい。両耳に天然石、アメトリンの滴型(しずくがた)ピアスを付けていた。

 服は上衣下裳(じょういかしょう)、藍色の漢服(かんふく)だ。前掛けは青藤(あおふじ)と色合いがいい。靴は黒い長靴(ブーツ)だ、2m20()()で迫力がある。黒髪はアップバングレイヤーソフトツーブロック無造作ショートと(いか)つい。


 「さすがキッド!! 私も!! 妹だと思うわ!! 末妹(まつまい)よ!!」


 女神アライアがキッドに加勢した。彼女は式典で舞う役目を担う神、典雅(てんが)と優美を司っている。二重瞼(ふたえまぶた)薄花色(うすはないろ)目睛(もくせい)美眉(びまゆ)潤沢(じゅんたく)な唇、目縁(まぶち)は水色の化粧が施されてあった。薄花色(うすはないろ)の長髪はリボンのハーフアップで結われてある。

 服装は薄水色(うすみずいろ)漢服(かんふく)襦裙(じゅくん)だ。衿元(えりもと)が右前の短い上衣の(チョゴリ)御納戸色(おなんどいろ)の腰紐、下裙(したも)はウエストスカート状で可愛い。蝶々があしらわれた布靴を履いていた。右手に全長約32㎝、扇面(せんめん)約20㎝の、蝶々柄で可憐な古典(こてん)円型(まるがた)団扇(うちわ)を所持している。男神(おがみ)と大差のない185㎝の背丈は彼女の悩みだ。


 「うふふ、私も妹ちゃんに一票よ!」

 

 女神エシュネが片頬(かたほお)に右手を添え微笑した。薄化粧の彼女は酒盛りの役目を担う神、舞踊(ぶよう)酒宴(しゅえん)を司っている。二重瞼(ふたえまぶた)で紫色の慈眼(じがん)、形のいい鼻、柳眉(りゅうび)な眉、ふっくらした唇、端的に容姿端麗だ。紫苑色(しおんいろ)の髪は長髪でハーフアップされ、くるり、リボンが巻かれてあった。

 服は漢服で襦裙(じゅくん)を着用している。形状はアライアと変わらない。色は半色(はしたいろ)だ。羊の刺繍がされた布靴は彼女のお気に入りであった。左手に握る古典(こてん)円型(まるがた)団扇(うちわ)も羊柄だ。180㎝の身長に特段、苦悩はない。


 「……ふう。ま、アタシも妹がいいな」


 女神アマトが煙管(きせる)の煙を吐き出し(ひと)()ちた。彼女は死者の審判において死者の過去の罪を裁く役目を担う神、法を司っている。シュッとした一重瞼(ひとえまぶた)赤朽葉色(あかくちばいろ)虹彩(こうさい)、鼻や唇は小ぶりだ、頬骨も主張していない。しょうゆ顔で美形だ。

 服装は毛織(けおり)製の黒い法服(ほうふく)に身を包んでいた。襟は立襟シングルブレストのフロック型で(はかま)所謂(いわゆる)、長ズボンを穿いている。襟の模様は唐草(からくさ)で刺繍は金糸だ。靴は黒いブーツを履いていた。右手の指で支えた煙管(きせる)雁首(がんくび)や吸い口は真鍮製、羅宇(らう)が竹製になっている。背丈は186㎝、本人(いわ)くあと4㎝ほしいらしい。


 「……私も妹かな」


 白い柱に凭れ掛かる男神(おがみ)リイガウが細声(ほそごえ)で呟いた。彼は天上皇(てんじょうおう)からの伝達と啓示(けいじ)の役目を担う神、行動を司っている。二重瞼(ふたえまぶた)萌黄色(もえぎいろ)明眸(めいぼう)眉目清秀(びもくせいしゅう)だ。

 萌黄色(もえぎいろ)のナチュラルボブの髪型で百合(ゆり)の耳飾りを両耳にぶら下げていた。服装は雄黄(ゆうおう)漢服(かんふく)上衣下裳(じょういかしょう)を着衣している。靴は白い長靴(ブーツ)だ。身長は198㎝、女性的な体付きで腰は細い。


 「いいや男神(おがみ)だ!」


 「いいえ女神よ!」


 上位神(じょういしん)達の「男神(おがみ)」か「女神」かの、小競り合いが始まる。見兼ねたエルが二回、両手を叩き、響き渡る音でようやく一帯が静まった。


 「お前達、浮足立つな。特別な子だ、各々、末子(まっし)に贈るに相応しい希望を考えておけ。明日、正午、創炎(そうえん)()に集合だ」


 「は~い」


 長男エルに叱られ、背筋を伸ばす上位神(じょういしん)達は間延びした返事をする。皆が表情筋を緩ませ、期待で膨らんだ胸の内を隠しきれていない。


 「はあ……、仕方ないか」


 「ハッ、だな」


 苦笑するエルにルキが相槌(あいづち)を打ち、一笑したのだった。


♡おはこんばんは♡

白師万遊です٩꒰。•◡•。꒱۶

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