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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

コント「フトドキモノ」

場所 ワンルームのアパート

男が一人自室でくつろいでいる そこへインターフォンの音


ツッコミ「お、そう言えば母ちゃん食料送ってくれるって言ってたっけ! きっと宅急便だ! はいはーい!」


玄関ドアを開けると手ぶらの男が一人立っている。


ボケ「どもー! 不届き者でーす!」 


ツッコミ「不届き者?!」


ボケ「こちらにサインお願いしまーす」


折りたたまれた紙を差し出すボケ。しかしツッコミはそれを受け取らない。


ツッコミ「え? は? お届け物は?」


ボケ「いや? 不届き者ですよ?」


ツッコミ「いやいやだから、食料品とか持って来てないの?」


ボケ「なんで不届き者が食料品持ってくるんですか! サインくれって言ってんですよ!」


ツッコミ「突然来てそれはおかしいだろ?!」


ボケ「不届き者相手に何ムキになってんですか、良いから早くサイン下さいよ」


ツッコミ「ああ、不届き者なら仕方ねぇな……ってならないでしょ!?」


ボケ「んもーサインするのにこんな時間かかりますかねぇ~。ま、良いですよこっちは待てますから」


一旦ポケットに紙をしまって家に上がり込むボケ


ツッコミ「何勝手に上がり込んでんだよ?! 警察呼ぶぞ!」


ボケ「あんたがいつまでもサインしないから悪いんだろ?!」


ツッコミ「そうなの?! いや俺何も受け取ってないから!」


ボケ「はっはっは! 不届き者が届いたじゃないですかぁ~! あれあれぇ? 届いたのに不届きじゃぁ、ちょっとややこしいね! ぷっ……! あはははは! あーっはっはっは!」


ツッコミ「何大笑いしてんだよ! 食料品は?!」


肩をすくめるボケ


ツッコミ「腹立つ顔だな! もう良いよ!」


ポケットからスマホを取り出し実家に電話をするツッコミ


ツッコミ「あ、もしもし母ちゃん? あのさ今日食料送ってくれるって言ってたよな? それがさ、何か不届き者がやって来て……え? 違うよお届け物じゃなくて不届き者が来たの! 間違いない? いやいや間違ってんだって! だからお届け物じゃなくて不届き……あ、もしもし母ちゃん!? おい! おい母ちゃん! チッ! 切りやがった!」


ボケ「ほーら、ややこしい!」


ボケを見るとまた同じ表情で肩をすくめている


ツッコミ「腹立つなぁ!」


またインターフォンが鳴る


ツッコミ「あ、今度こそお届け物か、はー……い?!」


後ろからボケに羽交い絞めにされるツッコミ


ボケ「シッ! 声を出すな! NHKの集金だ! そんな事も分からないのか!」


ツッコミ「はぁ?! 違うかも知れないだろ?!」


ボケ「足音で分かる!」


ツッコミ「例えそうだったとしても居留守使うとかお前悪い奴だな!」


ボケ「不届き者ですから」


ツッコミ「うるせぇな!」


ボケ「良いから素人は黙っとけ! 招かれざる者を招き入れたいのか!」


ツッコミ「よっぽど招きたくない奴もう招いちゃってるけど!!」


ボケ「どこだっ?!」


ツッコミ「お前だよ!!」


ボケ「静かにしないか!」


ツッコミ「もうNHKでも誰でも良い! 助けてくれー! おーい!」


ボケ「しっ……静かに……!」


ツッコミ「おーい! 行かないでくれー! たすけ……」


ボケ「あんまり!!!」(大声)


急に迫力のある大声を出されビビって黙るツッコミ


ツッコミ「……」


ボケ「あんまり……不届き者を怒らせない方が良い……。今はただの不届き者でも……お尋ね者になる可能性を秘めているのが俺だ……」


ツッコミ「おい……落ち着け、お前……」


何か凶器を出されるのかと思って身構えるツッコミだが、ボケはゴソゴソとさっきしまった紙を取り出しツッコミに渡す。迫力に押されて今度は大人しく受け取るツッコミ。


ボケ「さぁ、サインを頂こうか!」


ツッコミ「えっ!」


その紙を開いて確認するツッコミ。


ツッコミ「こ……これは……婚姻届け?!」


ボケ「不届き者ですが、宜しくお願いします」


ツッコミ「不束者みたいに言うな! もう帰って?!」

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