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右手に盾をっ!左手にも盾をっ!?  作者: 枝豆
トゥールースを目指して

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バタ&リカルチャ

毎回お待たせしています。

「エージュ、お前ウルとはパーティーじゃなかったのか?けど、反対にゲージが出てるのはなんでた?」


 バタの視界にも、俺と同じような表示がされているんだろう。疑問の声をあげている。実際こっちが聞きたい位なのだが………


「あっ、それは私がエージュさんのマイスターだからですね。マイスターは、パーティー枠を使わずに、パーティーイン出来るんです」


「そうなのね……って、マイスター!?契約してるの?貴女たち」


 リカが驚き、ウルさんの方を見ながら確認をしてくる。


「はいっ、私はエージュさんの専属職人です」


 誇らしげに胸を張って答えるウルさん。俺は何かこっ恥ずかしい感じがするので、話を切り上げることにする。


「それより、2人とも遠距離職なんだよな?後衛ってことでいいのか?」


 ハナトゥー森林までの道すがら、俺が訪ねると、バタが答えてくれる。


「あぁ、俺はINT依存の弓【魔法弓】を使う。そして、リカは純粋な魔法使いだな」


「えぇ、私は【火魔法】と【水魔法】が使えるわ」


 2人はそれぞれ、弓と杖を取り出して見せながら教えてくれる。


「そうか、俺は【双盾】を使うが、どちらかと言えば回避盾だな。それと、こいつも使える」


 そういって2人に【空立の大兎剣】を見せる。


「エージュは【大剣】も持ってるのか、けど、ATKに振っていないならあまり威力は出なさそうだな」


「まぁ、所謂サブウェポンってやつだと思ってくれ」


 相変わらずバタは、俺をDEF極振りだと思っているらしい。


「私は、この【黒鉄丸(こくてつまる)】で戦います」


 そう言って、ウルさんが取り出したのは、巨大な鎚だった。柄と頭部を合わせると、ウルさんの身長より少し高く、頭部は両手を伸ばしたくらいの横幅がある。それを、軽く持ち上げて見せるウルさん。


 忘れていたが、ウルさんは角人族(ホーマン)だ。ミラードがいってた話だと、物理職らしいから、鎚を軽々使えるのも頷けるのか。違和感しか無いけど……。


「取り敢えず、ハナトゥー森林に着くまでに、1人ずつ兎で、戦いかたを見せておかないか?」


 バタの提案に、俺達は皆賛成して、東平原で兎を1人1匹ずつ狩ることになった。


「先ずは言い出しっぺの俺からだな。【魔法弓】は、さっきも言った通り、INT依存の攻撃だ。」


 言いながら、何もつがえていない弓に手を添えて、弓弦を引く。すると、弓弦から光が伸びていき、光の矢が出来上がる。


「こんな感じで、矢はMPを使って作り出す。だから、MPがあればいくらでも撃てるんだよ」


 そう言いながら、光の矢が2本3本と増えていく。


「MPの消費を増やせば、本数を増やしたり、威力をあげたりできるんだ」


 光の矢は、次第に収束して、元の矢より長く太い矢となっていた。


「後はそうだな、魔法が乗せられることか。おれは【風魔法】も持っていてな、こんな感じで矢に魔法を乗せられるんだ」


 バタの持つ弓につがえられた光の矢が黄緑色に変わっていく。


「乗せる魔法によって効果が変わるみたいだぜ?リカとやってみたが、風は射速up、火は威力up、水は範囲upみたいだ」


 説明を続けながら、ハナディウムラビットに向けて矢を放つ。矢は真っ直ぐハナディウムラビットに向かって飛んでいき、一撃で倒してしまった。


「まぁこんな感じだな」


「次は私ね」


 バタと入れ替わるように、リカが進み出る。その手には先がカタツムリの殻のように渦巻いた、いかにも魔法使いですよ、といった杖が握られていた。


「私の場合は簡単よ?詠唱をして魔法を打つ。それだけよ」


 すると、リカの足元に青い魔方陣が現れて、リカが杖を向けた先に、水の玉が現れる。


「弾け【ウォーターショット】」


 リカが唱え終えると、水の玉が勢いよく飛んでいき、ハナディウムラビットに当たって、ハナディウムラビットは光になった。


「魔法の威力が高くなるほど詠唱の時間が長くなるわ。後は、詠唱中は魔方陣の中までしか動けないわ。外に出てしまうと魔法が発動されないの。」


 魔法は色々制約があるらしいな。その分威力は申し分無いみたいだ。下級の魔法だと一言で詠唱も終わるみたいだしな。


「それじゃあ、次は私が」


 リカの次は、ウルさんの番となった。


「私は、ご想像の通り、黒鉄丸を使って叩き潰すだけですね」


 ウルさんは、黒鉄丸肩に担ぎながらハナディウムラビットに向かって走っていく。ハナディウムラビットもウルさんを見つけて、攻撃を仕掛けようとウルさんに突っ込んでくる。


「はぁぁぁぁ」


 向かってくるハナディウムラビットに対して、気合いを込めながら、上段から黒鉄丸を振り下ろす。


『ぴぎゅぃっ!』


 何か兎らしからぬ声が聞こえて、黒鉄丸の下から光が上がって来る。


「ふぅ、こんな感じですね。HPが高めなので、少し位の攻撃は気にせず突っ込めます」


 正しく一撃必殺、防御を捨てた攻撃はこのパーティーの中で1番破壊力が有るのはウルさんだろう。


「最後は俺か」


「けど、エージュは、DEF振りだろ?それだとハナディウムラビットでも何発かいるんじゃないか?」


「まぁ見てろって」


 俺がDEF極振りだと思っているバタから声がかかるが、それを制して、ハナディウムラビットと対面する。


 何時ものように、【空腹の盾】を前に、【立腹の盾】を後ろに構え、ハナディウムラビットに突っ込んでいく。ハナディウムラビットも俺を見つけて突っ込んでくる。


 俺は、ハナディウムラビットの突進を【空腹の盾】で受け止めて、【立腹の盾】で殴り飛ばす。殴られたハナディウムラビットは、飛びながら光となっていった。


「はっ?何で一撃なんだ?クリティカルでも出たのか?」


 バタが唖然としている。まぁ普通は盾職の攻撃力なんて無いから、いくら兎といえども一撃で倒せるとは思っていなかったんだろう。


「いや、クリティカルじゃないぞ?通常攻撃だ。俺は、ATKを上げるスキルを持ってるからな」


「そうだったんだな。だから〔圧殺巨剣〕も早くやられたのか」


 詳しく教える気は無いから、ATKupしてることだけ伝えておいた。バタもスキルについては詳しく聞くことをせず、オットス君が、すぐにやられたことに納得していた。


「だから俺は守りと攻撃と両立していると思ってくれていい」


「そうか、頼りになりそうだな。パーティーを組んで貰えて良かったぜ」


「よし、それぞれの確認も終わったし、隊列はどうする?」


「トップにエージュ、中央にウルと私、殿はバタがいいんじゃないかしら?」


 俺の問に、リカが答えてくれる。


「いいんじゃないか?」


「私も、それでいいと思います」


 バタと、ウルさんも賛同する。


「じゃぁ決まりだな。もうハナトゥー森林に向かって大丈夫か?」


「俺はいいぜ?」


「私もです」


「私も大丈夫よ?」


「よし、じゃぁ、ハナトゥー森林に向けて出発だ」


「「「おー」」」


 俺達4人は、ハナトゥー森林に向けて東平原を突っ切っていく。途中途中で出てくる兎は、基本的に俺か、バタが一撃のもとに光に変えていく。


 しばらくそうして平原を進んでいくと、目の前に木々の生い茂った森が現れ、平原の道はその森の入り口へと続いているのが見て取れた。

因みに、土魔法だと貫通力がupします。

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