肉は金なり
声新が遅くなって申し訳ないです
「なんだい?ウルさんがニッコニコで工房に向かっていったけど?」
ウルさんと交代でやって来たのは、いつも店番をしている青年だった。
「あぁそれは、俺が盾の注文をしたからかな?」
「そうだったんですね。良いものが出来上がると良いですね」
そう言いながら、笑いかけてくる青年。何て良い人なのだろうか。
「それでは、お願いしたものが完成したら、また来ます」
「はい、またのご利用をお待ちしています」
青年に見送られてハラスティ武具店を後にする。
「さて、盾は完成まで楽しみに待つとして、次は防具かな……けどその前にjを稼いでおかないと足らなくなる……」
多分新しい盾の報酬は1,000jよりも上がるだろう。そう考えると今の手持ちの3,000jだけでは防具まで揃えられない気がする。どうしたものか。
「……そうだ、困ったときのルシードさんだな。冒険者ギルドに行ってみるか」
俺は基礎クエストの時にルシードが、
「聞きたいことがあったら聞きに来い」
と言っていたのでルシードに割りの良いクエストでも聞いてみよう。俺はきっとルシードが居るであろう冒険者ギルドへ向かう。
「ようこそ冒険者ギルドへ。ご用件をお伺いします」
「ルシード……さんに会いたいのですが居ますか?」
「ルシードですか、少々お待ちくださいね」
幸いルシードは居たようで少し待って居ればやってくると受け付けに言われ、空いたテーブルで少し待っているとルシードがやって来た。
「おぅエージュなんだ?聞きたいことでもできたか?」
「そうなんだよね、jを稼ぎたいんだけどなにか良いクエストがないかなって思って」
「なんだそんなことか、良いぜ教えてやる……と言いたいところだがお前は冒険者だろ?なら、自分で探すべきだな」
「そっか、そうだよな」
「まぁ、少し位はヒントをやろう。クエストには、一回限りのクエストもあれば、何度も繰り返してできるクエストがあるから、どっちで稼ぐかってことかな、じゃぁ頑張れよ」
そう言ってすたすたと帰っていってしまった。
「流石にそこまではサービスが良いわけではないか。仕方ない、クエスト見に行こう」
俺はギルドの壁にある、ボードの所にやって来た。このボードはクエストボード、所謂依頼掲示板である。様々な依頼があり、討伐、納品、手伝いetc、内容によって報酬も色々変化する。
「うーん、今は満足な武器がないから難しい討伐はできないだろ?納品はどうかなぁ……、おっ、兎肉の納品だって?なになに?10個で200j以降20個毎に200j……これだこれを探していたんだ」
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〔納品クエスト〕
料理店の兎肉の調達をお願いします。
内容:[ウサギの肉]×10(2回目以降20)
の納品
報酬:200j
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俺は、早速カウンターへこのクエストの受注をしに行く。
「このクエストを8回分受けたいんですが」
「かしこまりました。すぐに納品なさいますか?」
「はい、お願いします」
「それでは[ウサギの肉]150個の納品をお願いします」
俺はストレージから必要分の[ウサギの肉]を受け付けに渡す。
「はい、確かに受けとりました。それでは報酬の1,600jになります。カードの御掲示をお願いします」
受付にそう言われて、自らのギルドカードを出して重ねる。俺の所持金は4,800jになった。これで防具も買いに行けるだろう。
「他に何かございましたか?」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございました」
「またご入り用の際はお声かけ下さいね」
受付の職員の定型文を背中で聞きながら、俺は冒険者ギルドを後にする。
「さて、防具も探しに行ってみるとしますか」
俺は、防具屋を求め再び商店道の方へと足を向けるのだった。




