VS.ハン・アングリーラビット 3
「あれはヤバイ、絶対にヤバイ」
瀕死の敵が出してくる攻撃なんてヤバイに決まってる。しかも、俺が移動すると、どういうわけかそれを追尾するように着いてくる。
「回避不可能攻撃って有りなの?」
そう思いながらも、頭をフル回転させて対策を考える。考えられる対策として俺が思い付いたのは3つ。
1つ目、ギリギリまで引き付けて紙一重で回避する。多分これはミスって攻撃を食らうパターンだと思う。
2つ目、両方の盾を使って守り切る。1番現実的な方法だろう、ただ、ダメージをどれだけ食らうかわからない。
3つ目、諦めて神に祈る。ミラードにでも祈ってみれば助けてくれるかもな。……はい、只の現実逃避です。
結局2つ目の案を採用するしかないわけだ。俺は左右の腕を頭上で交差させて、盾同士を重ねる。それと同時にウサギが空から踵落とししながら降ってくる。
『きゅぅぅぅぅっきゅぅぅぅぅ』
雄叫びをあげながら降ってくるウサギと、地上で盾を構える俺がぶつかり合う。
「きっつぅ」
なんとか耐えてはいるが、目に見えて自分のHPがごりごりと削られていく。
ウサギが攻めきれるか、俺が守りきれるか。2人の根比べが続いたが、終わりは訪れる。
『きゅう』
ウサギが攻めきれず、身を翻して着地する。
「ここがチャンスだ!」
俺のHPも残り僅かではあったが、もうポーションもないので特攻をかける。
「喰らえぇぇ」
俺の盾は、大技の後で硬直しているウサギに綺麗に吸い込まれていく。その一撃はウサギのHPバーを黒一色に染める。
『きゅぅぅぅぅ』
最後にひと鳴きしてウサギは粒子になって消えていく。
「勝ったぁぁ」
自分のHPを確認すると残り5と表示される。まさしくギリギリだった。勝てたのは奇跡に近いだろう。
『今までの戦闘経験により種族Lvがアップしました。同時にスキル【回避】【背水】を取得可能になりました』
どうやらLvも上がったようだ。俺のステータスはというと、
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名前:エージュ
種族:獣人族
ランク:F
Lv:4
HP:200
MP:150
ATK:20(+20)
DEF:20
INT:15
MND:15
AGL:60
スキル:【】【】【格闘】【採取】【観察眼】
ミックスキル:【双盾】
常駐スキル:【DAミラー】
称号:【ミラードの祝福】
残りSTp:15
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となった。今回の戦闘でHPも重要だと感じたのでDEFとHPにSTpを振ることにする。
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名前:エージュ
種族:獣人族
ランク:F
Lv:4
HP:300
MP:150
ATK:20(+25)
DEF:25
INT:15
MND:15
AGL:60
スキル:【】【】【格闘】【採取】【観察眼】
ミックスキル:【双盾】
常駐スキル:【DAミラー】
称号:【ミラードの祝福】
残りSTp:0
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スキルはまた今度にして、ハン・アングリーラビットのドロップを確認する。
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【空・立腹兎の大皮】
ハン・アングリーラビットの皮
非常に大きく、様々な用途で使用可能である
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【空・立腹兎の大骨】
ハン・アングリーラビットの骨
非常に大きく、様々な用途で使用可能である
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【空・立腹兎の尻尾】
ハン・アングリーラビットの尻尾
ウサギの尻尾は幸運の象徴とされている
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流石に良いものが手に入ったなと思う。これを使って盾を作ってもらえないかとさえ思ってしまう。
「まぁ、その話も明日だな」
今日はもう遅いし、疲れたのでログアウトしようと思う。
俺はハナディウムの町まで戻ってログアウトを実行するのだった。
兎戦決着です。




