ウサギ狩り
さてさてやって来ました東平原。目的はウサギ狩りプレイヤークエストのための素材集めだ。
「ウサギの骨が8個にウサギの革が5個だったな。さっさと狩ってしまおう」
俺は【万変の枝葉】を2つの盾に変えて戦闘の準備をする。
「基礎クエストで勝ってる奴だし簡単だな」
基礎クエストの時と同じように、攻撃を片方の盾で受け、もう片方の盾を叩きつける。ハナディウムラビットのLvも低いので2~3発当てれば倒すことができる。
「おっ骨が出たな、快調快調この調子でどんどん行きますか」
そう、俺は甘くみていた物欲センサーの恐ろしさを。
「でっ出ない。いや集まってはいるんだけど確率低くない?」
50匹ほど倒し続けて、手に入ったのは[ウサギの骨]3個と[ウサギの革]2個、そして[ウサギの肉]が45個だった。
「肉が多すぎるよ。倒すのが楽だからまだ良いけどさ」
倒すのが楽と言っても、戦闘に1分、探索に1分と、一匹に大体2分ほどかかるだろうか。そうすると今までで100分ほど戦っていたことになる。
「このままの確率なら、あと100体か。まぁ頑張るしかないか」
グチグチ言いながらも戦闘は続けている。まぁ、肉しか手にはいってはいないが。
「やっと集まったぁ」
結局あの後120匹ほど狩る羽目になってしまった。
「疲れたぁ、物欲センサーって怖いわぁ」
170匹狩って[ウサギの骨]10個[ウサギの革]5個[ウサギの肉]155個になった。本当に肉多すぎです。
「大分遅くなちゃったなぁ、今日は納品せずに、肉だけ売ってお仕舞いにしようかな」
ウサギ狩りにも疲れたしさっさと東平原を後にしようと、ハナディウムの町に向けて歩きだす。
『きゅっきゅきゅぅぅぅ』
「なんだ?」
なんとなく嫌な予感がするんだが、さっさとハナディウムの町に戻ろう。
『きゅきゅっきゅぅぅぅ』
うん、目の前に目が異様に赤いウサギが出てきたね、しかも、怒ってらっしゃいます?
『きゅっきゅっきゅっ』
取り敢えず【観察眼】で名前等を調べてみる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハン・アングリーラビット Lv5
常にお腹が空いていて怒っているウサギ
同種の肉が好物でいつも探し求めている
ウサギ肉を大量に所持していると臭いにつられてやってくる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うわ~ピンポイントで狙われてるねこれは。
「ウサギ肉は集めてた訳じゃないんだけどな」
しかし、遭遇してしまったのなら仕方ない。もしかしたら負けてしまうかもしれないが、戦ってみるのも一興だろう。
「格上相手だし、どこまでやれるかわからないけどやってやりますか」
俺は怒り狂ったウサギを前に盾を構えて臨戦態勢をとるのだった。




