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エルフの森へようこそ  作者: やゃや
3章「ラビ-LA-DI・ラビ-LA-DA」
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3話「海の向こうの白うさぎ 後編」


 ビル街での騒ぎから数分後。

 埃と黴の臭いが漂う、狭く仄暗い地下の通路。

 俺とウサ耳さんの二人は、壁に備え付けられた魔力灯の明かりを頼りに、長い長い通路を進んでいた。


 警察からの追跡を振りきるために地下に潜った俺とウサ耳さん。

 双方合意の上での地下行きのはずであったが……


「うああああん!! 最悪です! 辱められました! もうお嫁に行けません!!」


 ウサ耳さんは悲痛な叫びをあげていた。 


「私、往来で、あんな! あんな恥ずかしいことを……ッ!」


 "エロは人生"なんて言ったくらいで何を言っているのかこの人は。


「あのね!? 私お姫様なんですよ!? もしあんな発言を市民の誰かに聞かれでもしたら!!」


 あの路地には誰もいなかったでしょ? 大丈夫、大丈夫。

 それより地下ではあまり騒がないでね、来る前にもいったけどここは危ないから。


「それは確かに聞きましたけど……危ないってどういう事なんですか……?」


 ここは、時計塔なんだ。


「…………はい? 何を言っているんですか? 意味がわかりませんよ?」


 時計塔ってのはこの国最大のスラム街、行方不明者の9割がここに起因するとも言われている無法地帯。

 それが、いま俺達が立っているこの場所なんだ。


「時計塔って、さっき空を跳んでいた時に見えたおっきな塔ですよね? ここ地下ですよ?」


 あー……うん、その辺はこの先にある"アレ"を見ればわかると思うよ。


「"アレ"? なんですかアレって? そもそも私達はどこに向かってるんですか?もう通路の突き当りにきますけど……」


 突き当りに隠し扉があるんだよ、その扉を開けた先が時計塔の中心なんだ。

 今開けるよ、ここの所をこうすれば……ほれ。


「…………これは……! これって……!」


 隠し扉を開いた先。


 そこには巨大な空洞が。

 穴の底が見えないほどに深く、対岸が霞む程に広い、すり鉢状の空洞があった。

 周囲を取り囲む壁には、無数の通路と人影が揺らめく窓、そして幾重にも垂れ下がる商店の看板。

 そんな生活感あふれる空洞の中を、住人たちは科学で、魔法で、はたまた筋肉で、各々自由に空を飛び暮らしている。

 極め付けは……


「塔が……時計塔があります……!」


 空洞の中央部分、地下の天井から穴の底へ向かって、巨大な塔が伸びていた。

 地上にあるものより細くて長い、時計の付いた尖塔が、穴の底に向かってどこまでもどこまでも伸びていた。

 

 まぁそれはそれとして、エロ本を売ってる本屋がすぐ近くにあるから、まずはそこに……


「いやいやいや! それとしておかないでくださいよ! こんなすごいモノ見せられたんですから! もうちょっとこう、感慨とか、余韻とか! あるじゃないですか!」


 エロ本買いに来たのに感慨もくそもないと思う……


「それはそうですけどね!? でもね!? 私、お姫様! それも追手を振りきり、国境を渡り、遥々ここまで来てるんです! もうちょっとこう……」


 あーウサ耳さんウサ耳さん、ここスラム街!お姫様とか言ったら……そこらに飛んでる荒くれ者が……


"あー……ああいう女たまにいるよな、自分で自分のことお姫様とかいっちゃう痛い奴"

"ドン引きだよな"

"おい馬鹿、オン回線だぞこれ、聞こえたらどうする"


 荒くれ者が……ものが……


「へ? エリちゃんさん何か言いました?」


 いや、何でも無いです……

 そうだよね、こんなとこにマジのお姫様が来てるなんて普通ありえないよね……


 何でも無いんだよウサ耳さん、気にしなくていいんだ……

 それよりここから動こう、周りの視線が痛いから……


「? よくわかんないですけど、じゃあ私あれ食べたいです! あの看板のやつ! "デビルアネモネの踊り食い"ってやつ!」


 ウサ耳さん!? ここに来た理由わかってます!?


「エリちゃんさんこそ、私がこの国に来た理由、"エロ本を買いに来た"しかまだ聞いてませんよね?」


 ……言われてみれば。


「だから腰を落ち着けてじっくり話しましょう! 美味しいものでも食べながら!」


 なるほど、そういうことなら案内しよう。


「あ、そうだ! ついでに電話番号も交換しましょうよ! 連絡取れると色々便利ですし!」


 あーはいはい、まず店についてからね。

 あの店は趣味は悪いけど料理の味はなかなかよくて……




「何ですかこの料理、まずいってものじゃないですよ」


 飯食って最初に言うセリフがそれかよ……


 地下空洞の中腹にある大衆食堂。時刻は11時00分。

 店長の趣味で開かれたこの食堂は、様々な国の文化が無節操に並べられていて、なんとも落ち着かない。

 はっきりいって趣味が悪いとしか言いようがないが、客ごとに個室があてがわれる点が人気でわりと繁盛している。

 俺とウサ耳さんの二人は、この店で少し早めの昼食を摂る事となった、のだが……


「まずいものはまずいのです!」


 このザマである。


「なんですかこのデビルアネモネってやつ! 食べられたもんじゃないですよ!」


 それ美味しさを求めて食べるものじゃないから。

 魔法が使いやすくなるために食べる補助食品だから!

 だから普通の料理頼めばっていったのに!


「そ、そうだったんですか! これは失礼しました! ちょっとここのシェフにも謝罪してきます!」


 やめなさい! 迷惑だから! 残さず食べればそれでいいから!

 それより説明だよ説明!


「……説明? …………あ、ああ! そうでした、私がこの国に来た理由でしたね! そうでしたそうでした!」


 俺もう帰っていい?


「ごめんなはい! ちゃんとお話し……んぐっ! しますので帰らないでください! 人質になってて……もぐ……んっ……下さい!」


 飯食うのか喋るのかどっちかにしなさい!


「はい、はい! 食べ終わりました! 完食です! だから喋ります! まず自己紹介から! 実は私、獣人族のお姫様! やんごとなき第一王女、ルナ・プレヴェール・アルベルトその人なのです!」


 しってる。

 さっき警官とか追手の兵隊さんが姫様って言ってたもん。


「そして私がこの国に来た目的は……」


 ……目的は?


「"伝説のエロ本屋"を訪ねにきました!」


 ……

 ……

 ……そうなんだ、伝説のエロ本屋さがしてるんだ、すごいね、がんばって。

 じゃあ俺帰るから。


「待って下さい! 別にふざけてるとかではないんです! お願いします話を聞いて下さい!!」


 いや、ごめん。

 "伝説のエロ本屋"なんて字面がもうアホすぎてついてけない。


「お願いします! もうちょっとだけ! もうちょっとだけ説明させてください! そのエロ本屋のために一国の姫が密入国してるってのはもう本気も本気なんですから!」


 だけどさぁ、伝説のエロ本屋ってさぁ……


「いいですかエリちゃんさん! 伝説のエロ本屋を説明するにあたって、まず前提条件です!」


 強引に進めてきた!?


「今この世界では、男の子同士、女の子同士の恋愛を禁止してる国はとても多いです!」


 ……まあそれは知ってるよ、エルフの国だってそうだし。


「酷い所ではそういう嗜好を匂わす物品の所持すら認められていません!」


 この国もそうだよ。

 俺だって何回も押収されて涙をのんだからね……

 そういう物は供給が少ないのに! めったに手に入らないのに!

 

「そんな弾圧の中、そういった嗜好の人達が、各々好きなものを好きなだけ楽しめる空間を作ろうと思ったら、どうすると思いますか!?」


 ……そりゃあ、そういうのを認める国で集まる場所作るとか?


「そういう国が近くにない人は? そもそも出入国が制限されていたら?」


 そうなったらもう無理じゃないかな……


「無理だから作ったんですよ! あらゆる嗜好を無制限に満たす伝説のエロ本屋! そしてそれは今この国にあるんです!」


 この国にって……どこにそんなのがあるっていうのさ。

 そんなものがあったらすぐに警察に摘発されてるはずだよ?

 そこかしこから沸くロボポリスをウサ耳さんも見たでしょ?


 今いるこの時計塔だって警察の手が及ばない無法地帯ではあるけど、それゆえに外からやってこようとする犯罪者には厳しいんだ。

 この国のどこにも、そんなものを持って来たりする事なんて……


「空ですよ」


 ……空? そんなの飛行機やらなんやらが飛んでるんだからすぐ見つかるよ。


「空は空でもオゾン層の広がる"成層圏"よりずっとずっと上! オーロラすら下に見下ろす"熱圏"! 実質ほぼ宇宙! そこならば法の支配も受けません!」


 ……たしかにそこまでは警察もパトロールをしないね、うん。


「そして5年ほどかけて世界中を飛び回るので、あらゆる嗜好のエロが集まり、そして世界中にあらゆる嗜好のエロを届けられるのですよ!」


 ……まあ、今の世界の化学力なら、そんなのも作れそうだけど、うーん。


「オゾンより上の天空の城、なんてたしかにスケールの大きい話です、私だって最初は信じようとはしませんでした……この本が空から落ちてくるまでは!」


 そう言ってウサ耳さんは、懐から所々破けてボロボロなエロ本を一冊取りだした。

 表紙には筋骨隆々の男が二人、裸で絡みあっている。

 タイトルは"素晴らしき薔薇の花園、1絡み目"

 いわゆるBL本である。


「これは私の宝物です、王家の人間として役割を演じなければならない私に、"新たな世界"を開いてくれたものです」


 色々とツッコミどころが多すぎる……

 ……が、とりあえず置いておこう。

 自分も火星で似たような経験をしたことがあるから。


「どこの国の物にも属さないこのエロ本の製本IDが! 伝説のエロ本屋から落ちてきたことを表す証明なんです!」


 ……まあうん、伝説のエロ本屋が実在するかもってのは信用しよう。 


「"かも"じゃないです! 実在するんです!」


 うん、実在するとしてね? そこまでどうやっていくの?

 オゾン層より上なんて無理だよ普通の人は。……普通の人は。


「ふっふっふ……心配ご無用! エロ本屋から一定の範囲内であれば、魔法で連れていってくれる、という噂の入場券があるのですよ! しかもそれはすでに手に入れております!」


 そう言ってウサ耳さんは懐から1枚の紙切れを取りだした。

 確かに何やら魔法のエネルギーを感じる。


 ……って、それじゃあ最初からそれ使ってエロ本屋にいけばいいのでは?


「使い方がわかりません!」


 俺もう帰っていい!?


「待って下さい! ふざけてるとかではないのですよ!? 私が魔法苦手なのはエリちゃんさんも身をもって知っているでしょう!?」


 そもそも、そこまで準備整ってるなら密入国とかしなくてもいいじゃん。

 自分の国にそのエロ本屋が来たら、その時魔法に詳しい人に聞けばよかったじゃん。


「普通の人ならそれでもよかったかもしれません、が! 私はお姫様です!5年も待っていたら、私はその時もう国政に関わるような責任ある者になっています! エロ本屋に通っていたら大問題です!」


 その結果、密入国とかしてたら本末転倒じゃないかな!?


「大丈夫です! お母様、つまり私の国の女王から"子供のうちに色々な経験を積んでおきなさい、責任を取るのは大人の仕事です"とGOサインを頂いています! 無問題です!」


 国のトップがそれでいいのか獣人の国!!?


「まあお父様からは反対されたのですが」


 よかった! 国のトップにも良心はちゃんとあったんだな! 頑張れお父様!


「お父様に反対された結果が、私を追ってきた近衛兵なのです」


 伝説のエロ本屋とかいうモノの為に海を渡らされるとか、あのおっさん達も大変だな!?

 

「以上で私の説明は終わりです! なので改めましてエリちゃんさん、お願いです! 私の目的のため、人質になって下さい!」


 まあここに来た理由はわかったよ。

 でも正直色々ありすぎて、ちょっと待ってほしいというか……


"ハンッ"


「おお! 引き受けてくれるのですね!」


 待って、俺まだ返事してない!


"ハンッ"


「え? じゃあこの声は誰のです?」


 え? え!? まさか幽霊とかじゃないよね!?

 悪霊退散のお札はたしかジャケットの内ポケットに……


「あ、エリちゃんさん……そうですポケットです、貴女のYシャツの胸ポケットのとこ見て下さい」


 胸ポケット……?


"ハンッ"


 え? ほんとだ! なんかいる!? ポケットの中に、白くて、ふわふわの……

 あー!! こいつ! 今朝のちっこい兎! 今朝のちっこい兎じゃないか!


「なんでそんな狭い所に兎が丸々はいっちゃってるんですか? メモ帳入れるくらいのスペースしか無くないですか!?」


"ハンッ! ハンッ!"

 

 なんだこいつ元気だな! そんなに俺と一緒に遊びたかったのか?

 よーしよしよし! 人参食うか? 包丁もあるし食べ辛いなら切り分けるぞ?


「その包丁と人参の束はどこから出したんですか!? あなたのポケットは4次元かなんかですか!?」


"ハンッ! ハンッ!"


 おうおうどうしたウサ吉、そんなに騒いで。


「無視ですか!! ……って、あれ?待って下さい、この鳴き声のパターン……誰かと通信してるんじゃ……?」


 通信? 通信って誰と?


"当然我々ですよ、姫"


「!?」


 食堂の個室に、二人以外の声が突如響いた。


「この声、まさか近衛兵!? どこから!?」


 上か!?


"違います、こっちこっち、あなたの後ろです"


 声の出どころは我々のいる個室の外、扉の向こうから聞こえてきた。

 扉一枚隔てた先に、王様から遣わされた追手がいるということだ!


「……じゃあなんで入ってこないんですか?」


"女子二人の部屋に、声もかけずに入るのは失礼かと思いまして"

"近衛兵としては、そう言った対応も仕事のうちですから!"


「無駄に紳士的です!」


"まあ一部、粗暴なものもいますが……"


 あ、これヤバい……


「確かにヤバいですよ! 私達逃げ場がありません!!」


 そうじゃないの!近衛兵のおっさん達がやばいの!!


"は? それはどういう……"

"隊長! 緊急報告! 多数の触手生物が我々の隊へと襲い掛かってきています!"

"な、触手だと!?"


 あああ!! やっぱり! おっさん達この塔に"敵"として認識された!!


「な、何を言っているんですか!? 敵ってなんですか!?」


"知っているのか民間人さん!?"


 この塔はね!? "仕事したくない"、"外に出たくない"っていう糞ニート魔術師が作った塔なの!!

 仕事で入ってきた奴、仕事をさせに来たやつ、無理矢理外に出そうとする奴は全部敵なの! 排除するの!

 この塔を維持する以外の"仕事"はNGなんだよ!!


「あ、ここ来るときに私を辱めたのは意味有ったんですね!」


"辱め!? 貴様、姫に何をした!!!"


 誤解ですーー!!!


"隊長! この触手強いです!防衛線、長くは保ちません!!"


「そんな!? 近衛兵は我が国の精鋭ですよ!?」


 あの触手は生き死にとか超越してる概念的な何かだから! まともな奴に勝てるわけないから!!

 むしろおっさん達善戦してるほうだから!


"なんでそんなモノ作れる奴がニートなんてしてたんだ!!?"


 俺が知るか!!


"くそ! こうなったらやむを得ん! 姫だけはなんとしても外に……"

 

 そういう行為はダメって今言ったばかりでしょうがあああ!!!


"隊長! 天井にひびが……!"


 ああもう言わんこっちゃない!

 我々のいる大衆食堂の天井、照明やら換気扇やらがごちゃごちゃしている天井に、大きな亀裂がビシリと走る。

 空間を切り裂き、次元を超えて、働くという行為を拒絶する、時計塔の守護者(ニート)がやって来たのだ!


"こうなれば転移(ワープ)の魔術だ! 最悪この店まるごと転移を……"

"ダメです隊長! 龍脈(マナライン)に接続できません! 魔力供給を遮断されています!"

"妨害電波も撒かれています! レーダー機器が全滅です!"

"防衛線、ギリギリです! これ以上保ちません!"


「どどど、どうしましょうエリちゃんさん!?」


 どうするったって、こんな状況でやることなん……


"どこの誰だ……"


 俺の言葉を遮り、食堂の天井に開いた空間の亀裂、次元の狭間から、おどろおどろしい声が低く響いた。

 触手達を束ねる守護者の王、その一柱が実体を形成し、現世に顕現したのだ。 


"俺の引きこもりを邪魔するのは! 俺に仕事をさせるのは! どこのどいつだああああ!!!"


 スポンジのような海綿体の翼と、果肉の無いブドウの茎じみた肉体を持つ化け物が、この世に顕現し大きく叫んだ。

 文字通り次元の異なる存在の登場に、その場の誰もが息をのんだ。


"隊長! 魔力の計測機がオーバーフローしいます! 戦闘力計測不可能です!"

"こ、こんなのを相手にどうすれば……"


 どうするって決まってんだろ!!!


"策があるのか民間人!?"


 逃げるんだよぉおおお!!!


"あ、待て! 姫様を連れていくんじゃない!!"

"追いかけましょう隊長! あれと戦うより姫を追いかけましょう! そうしましょう!"


「エリちゃんさん! ちゃんとご飯のお代おかないとダメですよ!」


 その辺に置いとけええええ!!!





 その後、おっさん集団と俺とウサ耳さんは、守護者からの攻撃を躱し、時計塔の通路という通路を駆けずり回り、命からがら地上へと繋がる出口にたどり着いた。


 守護者からの逃走の果て、おっさん達も俺達も満身創痍。

 夕日の光が漏れ出る扉を前にして、もはや人質だの国に連れ帰るだのを口にする気力は残っていなかった。


「やっと……やっと日の光に当たれます……」


 ただそれだけだった。ただそれだけがこの場にいる全ての者の望みだった。


 故にこの場の誰もが失念していた。

 出口の先の安全確認を怠っていた。

 この国は、時計塔に入ろうとする犯罪者には厳しい、という事を忘れていた。


"おヤ、またお会いしましたネ獣人族のお姫様"


 時計塔の出口の一つ。

 スラム街西地区方面の、隠し扉を抜けたとある裏路地。


 ほうほうの体で時計塔の守護者からにげてきた我々を、"ヤツ"が待ち構えていた。

 シャカシャカと不快な金属音をかき鳴らす、エルフの国の守護者"ロボポリス"が万全の構えで待ち構えていた。


"全員、武器を捨て投降しなさイ! この状況で抵抗は無意味でス!"


 路地裏一杯に広がるロボポリス、制空権を抑える武装ヘリ、魔法警官から放たれる各種妨害魔法の魔法光。

 疲弊に疲弊を重ねた我々犯罪者の心は、完全にへし折れた。


 時刻16:30。夕日が差し込む細い路地裏。

 獣人の密入国者ご一行+俺は、警察に捕まった。




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