表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

庶民の俺が最強でいいんですか?

ここはカッコよくセリフを決めるしかねぇ!!

「いでよ!! すべてを焼き尽くす炎よ!! 極炎舞!!」

俺は黒歴史を蘇らせるような言葉を発しながら手のひらを彼女に向けた。

この発言の意味はカッコつける以外にもイメージを簡単にし、制御しやすくするためでもある。まさか、こんなところでアニメ『天と地の英雄記』の知識が役に立つとは驚きだ。

俺の手の平から炎があふれ出し、彼女に向かって炎が火炎放射器のように飛んでいく。

彼女を見ると受け止める気満々だ。そりゃまあ、自分と同じ属性の攻撃を食らうんだ。ダメージなんてあるわけないって考えるのが普通だよな。ま、物理的な攻撃だけだけどな。

彼女に炎が襲いかかる。彼女はそれを嬉々として、受け止め炎が四方に散らばる。結構余裕そうな面持ちだ。

「ふ、やはりこの程度か!」

どうやら、彼女は俺が力で押し負かそうとしていると勘違いしているようだ。俺の目的は他にある。まあ、勝手に勘違いしてくれるのはありがたい。

彼女の正面だけを攻めていた炎が途中で分離し、彼女の背後から襲いかかる。炎を曲げるのは思ったより簡単で、イメージしたのはシューティングゲームとかでよくあるホーミング弾だ。そしてホーミングした球の弾道を炎で埋めれば、曲がる炎の完成だ。

「なんだと!だがこれくらいで私を倒せると思うなよ!」

彼女は受け止めていた炎を横に流しながら後ろに迫っていた炎を切り裂く。それにも対応するか! さすが、連勝記録は伊達じゃないな。方向を増やし次は左右からの攻撃、計四方向からの攻撃はさすがの彼女も厳しいらしい。余裕の表情が消えている。

「これで終わりか!!」

「ああ、これで全てだ」

そう、俺の攻撃は全て出し終えた。

「なんだあれは!」

突然、観客の一人が空を見上げながらそう言った。そうすると観客皆が空を見上げた。そこにあったのは、バレーボールほどの大きさの火の玉が数個落下していた光景だった。火の球略して火球をだしたのは彼女ではなく俺だ。普通なら彼女も気付くだろうが、なにせ彼女は今俺が現在進行形で出している炎を対応するのに手一杯だからな。いつ出したのか?と聞かれるかもしれないが、答えは簡単。観客、実況皆が彼女を注目し、なおかつ俺に視線が集まらないタイミング、そう彼女が後ろから来た炎を受けた時だ。どこの貴族でもない一般人が炎帝と恐れられる女と同じ能力で五分五分なんだ。そりゃあ、俺にも注目の的が集まるのは当然だが、それよりもすごいのは、ダメージはないとはいえ全方向から来る攻撃を全てさばいている彼女だ。

そして俺は最後の気力を振り絞って彼女の気を全力で逸らしにかかる。これって結構つかれるんだよな。物理の法則に従い、自由落下を続ける火球、だが彼女はそれに気付くことは無い。

「チェックメイトだ!」

彼女が上を見上げると同時に火球が衝突、そしてドゴン!という激しい音と共に爆炎が吹き荒れる。

「どうだ、やったか?」

会場の注目が火球の落下地点に集まる。そして煙の中には人型の影がひとつ。

「おおお!!!」

会場が一斉に湧き上がる。別の意味で興奮している俺は下着or裸姿の彼女を見ようと目を凝らす。が。目の前が真っ暗になり

「ああ...」

という腑抜けた声と共にその場に倒れこんだ。

一年が経つのは早いですね...今年は更新がんばります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ